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【ともだちは、どこ?】年賀状だけの人は、友だち?

年始に届いた年賀はがきの差出人の中には、もうずいぶん長い間、直接会っていない人が何名かいる。学生時代の友だちは、卒業以来だから何十年だ。
LINEやFACEBOOKのアカウントを互いに知らない友だちは、1年に1度、年賀状をやりとりするだけの関係だ。
同じ高校、同じ大学に通っていた頃は、仲良くしていたけれど、何十年もの時を経て会ったら、どうだろう? 
「懐かしい」とは思うだろう。
学生時代の思い出話に花が咲くに違いない。
お互いの家族のこと、仕事や家庭環境について話し、会っていなかった時間の人間関係の隙間みたいなものが埋まるのかもしれない。
今でも「友だち」であることには変わりはないけれど、学生時代と同じような気持ちで「友だち」だと思えるのか、どうかは分からない。

「ともだちは、どこ?」(J・W・アングランド/作、小川糸/訳、文渓社)は、作者が子どもたちに向けて書いた本だそうだが、人間関係に悩んだり、
孤独を感じている大人の心にも響く作品だと思う。

世の中には、たくさんのともだちとにぎやかに付きあう人もいれば、
たった数人のともだちと、じっくり静かに友情をはぐくむ人もいる。

「ともだちはどこ?」より

友だちとは誰のことなのか? 自分と友だちの関係性はどのようなものと考えたらよいのか?そんな問いを投げかけてくる1冊。


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