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自分にはおしゃれな服が似合わない


今はもうすぐ30歳ですが、21歳から3年ほどアパレルで働いてた経験があります。服が好きなんです。



自分が少しでもきれいに見えたり、可愛く見えたり、そんな魔法が好きなんです。



けど、働いてすぐにおしゃれの難しさにぶち当たりました。最初は自分が好きなのを着てましたが、次第に商品が売れるように流行りのものを取り入れることに。



そしてせっかく服を着るなら!といつのまにか心のテーマが出来てました。それは「いかに新しいおしゃれな自分に出会うか」



流行っているものを自分が着るにはどうやったらしっくりくるんだろう?と営業後の22時から気になった服たちを試着する日々。



けど、好きは好きだけど「あの先輩たちはおしゃれに着こなしているのに私は違うな?」と疑問が出てきました。



あるとき先輩に相談したら「れいこさん、体薄くて中学生みたいだよね」と。



なんだと。背は高くなくて、手足が人より短くて、そんな自分が悲しくて、でも太ってないことが唯一取り柄だった。なのに私の体の薄さは中学生みたいだったとは。だから似合わないのか。



(当時は今より赤子ひとり分くらい細い。身長157センチで赤子はだいぶ体型が違うので、あくまで当時の話で聞いてほしい。いまはワガママむっちりボディである。)



そうか、わたしは体が薄すぎるからおしゃれが似合わないのか。先輩たちは標準で、身長も高くて、なんだかおしゃれで羨ましかった。追い討ちをかけるように私より背が小さい先輩がいたって、なんだかんだおしゃれだった。



私はどうも服に着られている。ちょっと楽しくなかった。けど、おしゃれってこうだ!そういうファッションだ!と思い込み3年間過ごした。



服が好きだけど結局何が似合うのかはなんとなくしか分からず、そこまで気に入ってもない流行りの服ばかりがタンスやらイスの上やら家の中のそこら中に散乱してた。



そして転職してしまった。もうおしゃれを探すのは疲れたし、私は服がそれなりにしか似合わないってことでこれ以上働くのはしんどかった。



けど、お気づきの方がいるかもしれないけれど世の中には服のサイズがある。S.M.L.LL。場合によっては他のサイズもある。周知の事実である。



私が働いてたお店はセレクトショップで、Mサイズのみの展開だった。しかもミセスがターゲットだったので基本がLサイズくらいの人でも入る服も多かった。



そこに迷い込んだ中学生体型な私。自分が広告にならなくていけないから、とそこの服ばかり着ていたけど、それは着られてしまって当然だった。



Sサイズの服と出会った時は衝撃だった。ぴったりなのだ。それだけでなんかおしゃれっぽくなった。



本当にアパレルで働いてたの?と聞きたくなるような話だけど、私の庭は狭かった。



「157センチは標準身長だからMサイズ」って思い込みが強かったけど、少し世界を変えたら私も簡単におしゃれ女子の仲間入り。いい感じへバージョンアップ。



アパレルを退職してからの方が服が自由で、楽しくなった。



似合うサイズ感が分かればそれだけでおしゃれなので、もう探さなくなった。服は相変わらず好きだけどそのうち断捨離にハマって「いつか着たいおしゃれな服」はほとんどなくなった。息子の方が服を持ってるくらい。どんどん捨てた。



毎日を自分基準で、いい感じの服を着ている。高いとか安いとかではなくお気に入り度で服を選んでいる。



もう新しい私を探し続けなくていい。自分が納得すればおしゃれなのだ。




他人目線のおしゃれもたまにはいいけど(私も捨てきれない)、自分の「これがいいぞ!」を見つけることをこれからも楽しみたい。もしくはゆるーく付き合いたい。服はあくまでオプションで私ではないのだから。


ありがとうございます。味の素の冷凍餃子をきゃぴるんるん食べます。