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他人は、自分の作品に興味がない。

――他人は、自分の作品に興味がありません。初めましての相手にその本を買ってもらうためには、興味を持ってもらうための努力が必要になってくるわけです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

今回は「他人は、自分の作品に興味がない。」というテーマで話していこうと思います。


◆手売りでふられた


先日、小説『Message』を出版しました。

成人の日の夜に亡くなった青年が遺した110というダイイングメッセージの謎を解くヒューマンミステリーです。僕の20年分の思いを込めました。現在、全文を無料で公開しております。731日までの期間限定ですので、この機会に覗いてみてください。


Amazonで販売しているんですが、まだ無名の僕の本をネット上から見つけ出してくれることはほぼないと思ったので、端から手売りすることを決めていました。


したがって、僕は毎日、小説『Message』を誰かに手売りしています。


売りやすい友達まわりを攻めているので多かれ少なかれ僕のことを知っている人に手売りしています。ですから、「友達(知り合い)が本を出した」というだけで、面白半分で買ってくれます。


しかし、時には断られることもあるのです。これまで38冊手売りすることができましたが、5人の人にふられました(笑)

今回は、手売りで断られた経験をふまえて、作品の届け方を見つめ直していこうと思います。


◆他人は、自分の作品に興味がない。


改めて思うのです。

基本的に、他人は、自分の作品に興味がありません。


特に小説はそう。

本自体を考えてみてください。本屋さんで読みたい本を探すとき、指標にするものは何でしょう。

ひとつは「自分のこだわり」に刺さると買いたくなりますよね。僕の場合、タイトルに「青春」とか「卒業」とかが含まれていると思わず手に取ってしまいます。そんな風に、大多数が思うことではありませんが、消費者のニッチなニーズに答える本は、その人に買われるわけです。

しかし、それは個人によってさまざまで、本を届ける側が「ニッチなニーズ」に答えることは難儀なことです。


そう考えると、指標は「文学賞を受賞した本」「SNSで話題」「ランキング1位」などなど。一言でいえば、自分以外の他人の評価を気にしているわけです。その「他人」も多ければ多いほど、人は安心できます。不特定多数の人が面白いと認めた本に、初めて興味を持ち、「買うか買わないか」の選択に至るわけです。

「タイトル」「表紙」「帯」そこに違いは見られなくなりました。確かに、「表紙が好きだから」で興味を持つことはあっても、どちらかといえばそれは「個人のこだわり」の話につながります。どの表紙も基本的にこだわりぬかれているし、綺麗なものばかり。最低限の体裁は整っているから、あとは好みの問題になってきます。「タイトル」や「帯」に関してもそう。工夫に工夫が重ねられ、最低限のクオリティは担保されていると考えます。

時間を無駄にしたくない現代人にとって、「はずれの本(自分に合わない本)」を読むのに時間を割くのはストレス。そうなると、不特定多数の人が「面白い」と認めた本を手に取るにいたるわけですよね。


ここで忘れてはいけないのが、そこには本そのものは判断の材料になっていないってことです。本の中身を全く見なくても、「SNSで話題」のひとつの文句で興味を持ち、手に取ることがあるわけです。

そう考えると、「中身が良い本」と「届け方が良い本」は必ずしも一致しないわけです。

僕の手売りに関してもそうです。小説『Message』の中身よりも、「僕が本を出したこと」に興味を持って買ってくれているわけです。どれだけ中身が優れようと何もしなければ売れなかったことでしょう。僕が手売りしたから、きっかけをつくったから、届いたわけです。



◆興味を持たせるために


繰り返しますが、他人は、自分の作品に興味がありません。初めましての相手にその本を買ってもらうためには、興味を持ってもらうための努力が必要になってくるわけです。

「手売り」
「無料公開」
「共同創作」
「メイキング本」
「テーマソング作成」

小説『Message』に関して、いろんな実験を試みてきましたが、いまいち結果が振るいません。ひとつひとつの要素が紐づいていないからかもしれません。

ただ、あきらめるわけにはいきませんから、これからもいろいろと打ち手を探っていこうと思います。このnoteでもきっとやれることがある。小説『Message』を届ける方法がある。

そう信じて、今日もとりあえず手売りしてこようと思います。


最後まで読んで下さりありがとうございました。

20220727 横山黎


小説『Message』手売り38冊目!
大学の漢文の教授!お茶ももらった笑

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