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初めての広島旅。

ーー旅をして、景色を見つめて、人に触れた果て、胸の中に吹き込む風に新しさや懐かしさを感じられれば、その旅はとても価値あるものだといえるのではないでしょうか。

人生は物語。
どうも横山黎です。

今回は「広島を観光してきた」というテーマで話していこうと思います。


📚文フリ参加のついでに観光

僕は昨日、文学フリマ広島5に参加しました。初めて帯をつくって臨み、東京以上の結果を出すことができたので、遠路遥々来て良かったなと思いました。これについてはまた後日ちゃんと書きます。

そのついでといってはなんですが、初めて広島に来たということもあり、巡るべき名所は巡っておこうと思い、観光することにしました。

ということで、今回は広島観光をふりかえっていこうと思います。


帯つきの小説『Message』
僕のブース


📚厳島神社と原爆ドーム

まず訪れたのは、宮島。厳島神社で有名な言わずと知れた観光スポットです。電車とフェリーを乗り継いで向かいました。

初めて目にしたときの感想は、「意外と大きいんだな」ってこと。写真でしか見たことなかったからそのサイズ感がつかめなかったけど、実物はかなり大きいことがわかり、まず驚きました。

また、厳かなものを胸に抱きました。それは鳥居の持つ歴史からくるものなのか、空と山と海の背景の持つ自然の神秘からくるものなのかは分かりません。ただ、僕の中にある淀んだ澱のようなものが浄化される、そんな感覚があったのです。

僕はしばらく圧倒されて佇んでいました。

鳥居に至るまでに、たくさんの店が繁盛していました。もみじ饅頭、牡蠣、あなご、レモン......広島や宮島の名物が並んでいました。

牡蠣串とあなごちくわを堪能。店に入ってもよかったんですが、時間を惜しんで食べ歩きで昼は済ませました。

宮島に生息する野生のシカ


次に訪れたのは原爆ドーム、そして平和記念公園です。広島にきたらやっぱり無視することはできません。目を背けてはいけない歴史が、そこにはあります。

原爆ドームは想像よりも街の中にありました。平和記念公園があるくらいだから、少し外れた閑散とした場所に悠然と聳えているものとばかり思っていました。

ただ、原爆が落とされる前は広島産業奨励館として官公庁の事務所だったそうです。またそれよりも前には広島物産陳列館という建物名で、展示会や博覧会など、文化事業の会場でした。つまり、人々の生活と密接していた空間であり、街の中にあるのは当然のことだと思いました。

街が、どれだけ新しい時代に着替えようと、原爆ドームだけは焼けた匂いと凄惨な記憶を纏い続けるのでしょう。永遠に忘れてはいけない歴史を、永遠に忘れないように。

原爆ドーム


📚何故、旅をするのだろう

原爆ドームの後、すぐ近くにある平和記念資料館に立ち寄りました。そこには被曝当時の街並みの写真や被爆者の遺影がありました。

僕は黙って目に焼き付けました。ひとりで巡っていましたが、誰かと一緒にいても何も口に出せなかったと思います。

出口付近に、原爆に関する書物の並んだ閲覧スペースがありました。小さな図書館のようなイメージ。僕は時間の許す限り、書物を手に取り、「ヒロシマ」と向き合いました。

当時のことを克明に記したそれらに、僕の心は大きく揺さぶられました。戦争や原爆の恐ろしさを再認識しました。

それと同時に、物語の意義をも再認識しました。今こうして僕らが過去のことを知ることができるのは、物語ってくれた誰かがいたから、そしてその物語を残してくれた誰かがいたから。

後世まで伝え続けるべきことを残し続ける。物語や作家の役割を捉え直せた気がします。



話をまとめていきますが、旅をする理由はここに綴ってきたような発見をするためではないでしょうか。

発見といっても新しい気付きだけではありません。変わっていないことに気付くことも立派な発見です。

旅をして、景色を見つめて、人に触れた果て、胸の中に吹き込む風に新しさや懐かしさを感じられれば、その旅はとても価値あるものだといえるのではないでしょうか。

新しい自分を、忘れていた答えを探しにいくために、これからも旅していこうと思います。最後まで読んでくださりありがとうございました。

20230227 横山黎


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