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ドラマ『MIU404』を全力で紹介する!

――ひとりでは間に合わせることができなかったけれど、ふたりでならば間に合わせることができたんです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「ドラマ『MIU404』を全力で紹介する」というテーマで話していこうと思います。


🏨『ラストマイル』の予習完了!

先日、『ラストマイル』という映画が公開されました。

満島ひかりさんと岡田将生さんのダブル主演で、巨大物流センターが舞台の物語。そこから配送された荷物が爆発するという事件が起こり、誰が何のために爆弾を仕掛けたのか、その謎に向き合っていくという物語です。

2024年公開予定の映画のなかで、僕が最も期待を寄せていたのがこの『ラストマイル』でした。塚原監督、新井プロデューサー、脚本が野木さんという最強の布陣だからです。

この制作陣は『アンナチュラル』、『MIU404』といったドラマも手掛けており、『ラストマイル』はこのふたつの映画の世界とつながっているんです。『アンナチュラル』や『MIU404』の登場人物たちも登場するんです。

まだ『ラストマイル』は観ることができていません。単純に時間がないのも理由のひとつではありますが、気持ちの準備がまだ不十分だからでもあります。

『アンナチュラル』、『MIU404』の世界とつながる物語ならば、ふたつのドラマを観て気持ちをつくってから鑑賞したい。そんな風に思ったんです。

ということで、仕事の合間を縫って、というより、睡眠時間を削って、ここ最近は久しぶりにドラマ漬けの日々を送っています。この前、記事でレビューを書いた通り、『アンナチュラル』を視聴。そして、昨夜も夜遅くまでドラマを観続けて、『MIU404』も観終わりました。

ということで、今夜仕事終わりに『ラストマイル』を見にいってこようと思います。それに向けて、今回は『MIU404』のレビュー記事を綴っていきますね。大好きなドラマだから熱くなっちゃいますが、最後までお付き合いください。


🏨『MIU404』を推す

『MIU404』は警視庁刑事部機動捜査隊に新設された「第4機動捜査隊」の話。星野源さん演じる志摩一未と綾野剛さん演じる伊吹藍のふたりが、衝突しながらも事件解決に奔走するノンストップ機捜ミステリーです。

タイトルにもある「MIU」とは、「Mobile Investigative Unit(機動捜査隊)」の頭文字を取ったもので、「404」は志摩と伊吹のコールサインを指します。警視庁の本部から入電があったときに、「こちらMIU404」と応答するイメージです。

機動捜査隊は事件が起きたときに真っ先に現場へ向かいます。初動捜査を行い、事件性があるかどうかの判断、事件ならば捜査の方針を示すための情報集めをするんです。あとは、なかなか解決しなかったり、人手が足りなかったりする事件にヘルプの捜査員として稼働することもある何でも屋さんでもあります。

これは『アンナチュラル』の推しポイントとも重なるんですが、『MIU404 』の魅力は、「テンポのいい会話劇」、「コメディのなかに隠れている伏線」、「タイトルとそれをなぞるような物語」、「主題歌との親和性」などが挙げられます。

冷静沈着、頭脳明晰な刑事である志摩と、熱血的で野性の勘を頼りにする伊吹のふたりが車中で会話するシーンが多いんですが、そのときの喧嘩みたいな会話が面白いんですよね。そして、それがのちの展開の伏線になっていたりする

また、タイトルが秀逸すぎるんです。第1話のタイトルは「衝突」なんですが、これは「煽り運転」がテーマの話で、物理的に車が衝突するシーンがあるんです。また、「マウント」というキーワードが出てくるように、事件の関係者たちも、そして、機動捜査隊のメンバーたちも衝突するんです。同様に、他の話でもいくつかの意味が重ねられたタイトルが付けられているのです。

そして、各話のここぞというときに流れる米津玄師さんの「感電」が良い。イントロが流れるタイミング、どこで歌詞を聴かせて、どこで何のセリフを言わせて……などなど、こだわり抜かれた演出に毎回心動かされるんですよね。

ちなみに、僕がいちばん好きな回が第4話の「ミリオンダラー・ガール」という話なんですが、この回の終盤に流れる「感電」のサビの流れるシーンが美しすぎて泣けます。いつもそこで僕は泣きます(笑) 「たった一瞬のこの煌めき」を、確認してみてください。


🏨「間に合う」という価値

加えて、「MIU404」で特筆するべき魅力といえば、第10話「Not found」に仕掛けられた演出です。

ここだけ軽くネタバレしちゃいますね。

流れを全部説明するのは面倒なので詳細は割愛します。物語終盤、ひょんな流れから劇中のTwitterならぬツブッターで「#MIU404」がトレンド入りするんですね。徐々にランキングを伸ばしていって、ついにトレンド1位になるんです。

で、なんとそのとき現実でも、Twitterで「#MIU404」がトレンド1位になっていたんです。ドラマが大いに注目を集めていたため、みんながリアルタイムでドラマについてつぶやいていたからでした。

ドラマの世界と現実がリンクして、リアルタイムで観ていた当時の僕は声を上げて驚いたことを今でも覚えています。冗談抜きで、ドラマ史に残る伝説的な仕掛けだと思います。

最後になりますが、「間に合う」という価値について語っていきますね。ドラマ全体で描かれているのは、「それぞれの自分の大切な人を襲う最悪の事態を事前に止められなかった志摩と伊吹が、相棒としてふたりで力を合わせることで、最悪の事態なる前に、ふたりの大切な人を助ける」というストーリーでした。

ひとりでは間に合わせることができなかったけれど、ふたりでならば間に合わせることができたんです。

それは「誰かが最悪の事態になる前に止める」機動捜査隊を描く職業ドラマとしても、相棒を描くバディものの刑事ドラマとしても、愛すべき大切な人を守り抜く姿を描くヒューマンドラマとしても申し分ないストーリー設定だと思いました。

間に合わなかった過去があったからこそ、間に合ったふたりの今に感動するんです。その瞬間が第9話で描かれるんですが、僕はいっつもそこで泣いちゃんですよね。

きっと『ラストマイル』もそんな映画になっていると思います。『アンナチュラル』や『MIU404』のように、物流センターだからこそのテーマが、ストーリーが、メッセージが、描かれるんだと思います。

『アンナチュラル』と『MIU404』の世界と結びついていくのかにも注目して、今夜楽しんできますね。明日は『ラストマイル』について書きますね。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20240826 横山黎


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