成人式の日に亡くなった青年の話。
――物語は、成人式の夜に、ある青年が歩道橋から転落死するところから始まります。動かない彼の手元には「110」という謎の血文字が遺されていました。疑われたのは、被害者と共に同窓会を楽しんでいた幼馴染。青年はどうして亡くなったのか、そしてダイイングメッセージは何を表しているのか、ダイイングメッセージと真摯に向き合った作品です。
【#196】20220112
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家を目指す大学生が思ったこと、考えたことを物語っていきます。是非、最後まで読んでいってください。
今回は、「小説『メッセージ』を改めて見つめ直す」というテーマで話していこうと思います。
☆20歳を迎えるにあたってやったこと。
今年度20歳を迎えた僕は、先日、成人式に行って参りました。懐かしい旧友たちと再会し、朝まで呑むというTHE大学生ムーブをしていました(笑)
20歳を迎えるにあたって、僕はいろいろと手掛けてきました。当たり前ですが、20歳の期間はこの一年しかないわけだし、成人の日が特別な意味を持つのは人生で今年だけだし、形式的には「大人」になるわけだし、何か記念に残ることをやりたいなあと思っていたんです。
大きく分けて3つのことをしました。
一つは、誕生日に家族に手紙を書きました。
僕は誕生日が六月にあります。そのときに、初めて家族ひとりひとりに手紙を書いて渡しました。伝えたいことが20年分あるから、書こうと思えばいくらでも書けちゃうなあと思ったので、全員便箋1枚におさめるようにしました。その甲斐もあり、本当に伝えたいことを、ちゃんと伝えられました。
二つ目は、成人の日の前夜、家族に歌を贈りました。
一つ目とかぶるところはあるんですが、成人式を迎えるにあたっても何かしたいなあと思ったので、渡した手紙の内容をベースに歌詞を書いて、作曲して、みんなの前で弾き語りました。
正直泣かせるつもりでいましたが、まさか自分が泣くとは思っていませんでした。とにかくテンパって、ギターをミスったりしたんですが、みんな喜んでくれて、「ありがとう」と言ってくれたのでよかったかなと思います。
☆成人式を舞台にした小説
三つ目は、成人式を舞台にした小説を書く、です。
『メッセージ』という作品で、個人的にそこそこ気に入っているので、成人式での経験をふまえて、改めて振り返ってみようと思います。
この『メッセージ』という物語、何の話かといえばダイイングメッセージの話です。
ダイイングメッセージって、自分の死の間際に遺すあれです。多くの人がイメージするのは、犯人の名前を書いて息絶える、みたいなシーンだと思います。たまに、「いや、なんでそんな暗号みたいなメッセージを遺すんだよ」とツッコミをいれたくなるものもありますよね。
僕もミステリーは好きなんですが、やっぱり疑問を持っていました。
疑問は二つ。
「なんで暗号みたいに分かりにくくするんだよ」
「なんで犯人の名前を書くんだよ」
フィクションだからと片付けてしまえばそれまでですが、でもわざわざ謎めいたメッセージを遺さなくてもいいですよね。どう考えても、作家のご都合主義が透けて見えます。
まあ、そもそもダイイングメッセージをミステリーのネタとして描くとなると、ダイイングメッセージそのものに「謎」要素が必要なので、自然と暗号っぽくして複雑化する流れになるのは仕方ないのかもしれません。
しかしですね、二つ目の疑問の方は仕方ないでは済ませない根本的なものです。
なんで犯人の名前書くんっすか!?
人生最後の言葉だよ。
もっと伝えたいことがあるでしょ。
犯人じゃなくて、他に伝えたい人がいるでしょ。
そうは思いませんか?
たしかに、ミステリー界においてダイイングメッセージ文化は根付いているし、今でも追求されていると思いますが、そもそも「犯人の名前を書き記す」前提で創作されているじゃないですか。
僕は改めてダイイングメッセージの「奇妙な文化」と向き合ったときに、この二つの疑問が湧いてきて、だったら自分で自分なりに正解を出そうと思い、綴ったのが『メッセージ』という作品です。
物語は、成人式の夜に、ある青年が歩道橋から転落死するところから始まります。動かない彼の手元には「110」という謎の血文字が遺されていました。疑われたのは、被害者と共に同窓会を楽しんでいた幼馴染。青年はどうして亡くなったのか、そしてダイイングメッセージは何を表しているのか、ダイイングメッセージと真摯に向き合った作品です。
☆成人式をふまえてふりかえる
ここからは少し作品の内容に関わる話をしますので、ご容赦ください。
実際に成人式に行って、それから同窓会にも行って、それなりに成人の日を満喫したので、その体験をふまえて『メッセージ』を振り返っていこうかなと思います。
被害者の青年、小山遊馬は同窓会で、旧友たちと揉めました。それが原因で早々に店を出ることになりましたが、僕の知る限り、実際にはそんな事態にはなりませんでしたね。
昨日も書きましたが、あの頃あんまり仲良くなかった人と仲良くしゃべったほど、良い雰囲気でずっと過ごせていました。
他の同窓会がどうかは知りませんが、思ったより平和でよかったです(笑)
まあでも酒癖悪い人はたしかにいたな(笑)
面白いのが、小説でも現実でも、幼馴染と過ごしているということですね。
僕は幼稚園に入る前から仲良くしていた幼馴染がいました。学年が上がるにつれて関わりは減って、小学校卒業以降はほぼ連絡も取らず状態だったんですが、この前の二次会で朝まで一緒に呑んでいたんですよ。
それも別にお互いが飲もう!といったわけではなく、集団の流れで何となくそうなったんです。
一緒に呑んでるときは「あれ小説とリンクしてる」とは思わなかったんですが、今こうして振り返ってみて気付きました。
時を隔てても、「幼馴染」という変わらない関係でつながっていることが個人的には嬉しくて、偶然にもそれが作品とリンクしてて、成人の日って不思議なことが起こるもんだなあと感慨深くなりました。
こんな感じで、成人式を迎えた後だからこそ、作品の厚みが増したかなと思います。まだ読まれていない方も、一度読んで下さった方も、チェックしてくださればなと思います!
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
横山黎でした。
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