謎解きイベント『花火の幽霊』は面白かったのか?
――今回、僕が『花火の幽霊』のなかでいちばん追求したかったテーマは「体験」でした。結果的に、それがお客さんの満足度につながったと振り返ることができたので、「体験」を追求した甲斐があったなと思いました。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。
今回は「謎解きイベント『花火の幽霊』は面白かったのか?」というテーマで話していこうと思います。
🏨謎解きイベントのアンケート
先日、僕は泊まれる謎解き『花火の幽霊~木の家ゲストハウスからの脱出~』という謎解きイベントを開催しました。僕の職場である木の家ゲストハウスを舞台に「謎解き体験」と「物語体験」のできるコンテンツをつくったんです。
今回僕はシナリオを書いたり、テーマソングの作詞を担当したり、予告動画をつくったり、キャストとして演じたり、とにかく自分のできることは全部やってきました。
謎制作をしたのは謎解きサークル「Mito Escape」主催のしゅんちゃん。僕の大学時代の後輩です。謎解き好きが高じて、自主公演を開催したり、サークルをつくったり、最近は企業や組織からの謎制作の案件を請け負っています。
そんな彼とは3年以上前から「いつか一緒に謎解きイベントをやりたいね」という話をしていました。その未練を解きにいったのが、先日というわけです。
9人の参加者に恵まれ、もちろん課題はいくつもあったけれど、どうにか無事に遂行することができました。僕たちは面白いと思ったものをつくりにいったけれど、果たしてお客さんたちは同様に面白いと思ってくれるのか、イベント当日まで分かりません。
一抹の不安を抱きながら当日を迎えたわけですが、それは杞憂に終わりました。お客さんの謎を解いている様子、物語を体験している様子を見てもそれは分かったし、後日回答してもらったアンケートからもそれは分かりました。
ということで、今回はアンケートの内容を一部公開することで、参加者の声を共有したいと思います。
🏨謎解き&物語に関して
まずは、謎解きに関して。
今回僕たちは初心者~中級者向けの謎を作成しました。初めて謎解きをする人も楽しめるし、謎解き経験のある人も一筋縄では解けない難易度の謎をつくったんです。
どうやらその難易度設定は悪くなかったようで、アンケートにはこんな回答がありました。
ここに書かれてあるように、今回、僕やしゅんちゃんがキャストとして、ヒントになるような発言をするんですね。それはもともと用意されたセリフでもあるし、お客さんの躓き方によってはアドリブで対応したものです。
僕やしゅんちゃんは司会者やゲームマスターではなくて、建前上、同じ目的をもって謎を解く、他のお客さんと同じ目線の人物なんです。しかし、物語の流れも、謎の答えも解き方も知っているから、自然な口振りでヒントを提供することができたんですよね。どうやらそれが奏功したようです。
次に物語に関してですが、これに関しては僕のこだわった部分がそのまま結果に出ていたので良かったです。以下のような声がありました。
ネタバレになってしまうから明言は避けるけれど、今回のシナリオで追求したことは、「王道」と「伏線」でした。
『花火の幽霊』は、線香花火を巡る青春ラブミステリーです。幽霊が登場するから、ホラー、ファンタジーの要素も含まれます。そのジャンルの壁のなかで、誰もが心当たりのある懐かしさや眩しさのある物語をつくりました。だから、「王道」という評価は意外と嬉しいんですよね。
また、これは僕の他の作品づくりにおいてもいえることですが、やっぱり伏線を重視したくなるんですよね。あっと驚くような伏線回収を用意したいんです。
今回は、前半にコメディ部分があるんですけど、そこでのやりとりが物語終盤、謎解きでいえば「大謎」と呼ばれる局面で効いてくるんです。
くすっと笑えた内容が、最後に謎解きに関わってくる。個人的にはこの流れがめちゃくちゃ好きなんですよね。どうやらお客さんもそれを楽しんでもらったようなので、何よりです。
🏨最大のテーマは「体験」だった
他にも、いろいろな声が上がっています。なかでも個人的に嬉しかったのが、「体験」に言及した声です。たとえば、こんな声。
僕としゅんちゃんがキャストを務めたと話しましたが、実はもうひとり、声だけの出演ではありましたが、キャストがいました。「花火の幽霊」と名乗る声を、MitoEscapeの団員であるわかちゃんが務めてくれたんです。
『花火の幽霊』の物語は、参加者による謎解きと、僕やしゅんちゃんと「花火の幽霊」による演劇によって成り立っていました。
で、その幽霊の声をどうやって演出したかというと、室内にある梁の上にスピーカーフォンを置いて、通話中の状態でイベントを始めたんです。これによって、突然、天井近くから女性の声が聴こえる演出を実現することができたんです。
オンライン通話となんら変わりないので、リアルタイムで円滑にコミュニケーションができました。これによって、お客さんに幽霊の声を聴きながら謎や演劇を楽しんでもらうという体験を提供することができたというわけです。
今回、僕が『花火の幽霊』のなかでいちばん追求したかったテーマは「体験」でした。ただ謎を解いてもらうのではなく、ただ演劇を楽しんでもらうわけでもない。どうすればお客さんたちの心を動かす体験を提供することができるのか、考え続けてきたんです。
結果的に、それがお客さんの満足度につながったと振り返ることができたので、「体験」を追求した甲斐があったなと思いました。
『花火の幽霊』は夏が来る度に蘇ります。また、来年も同じように開催する予定なので、興味を持たれた方は、是非、来年の夏、木の家ゲストハウスにお越しください。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20241003 横山黎
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