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この料理家のレシピが天才すぎる⑪大塚佑子さん編/高山惠

「ひじき」という食材があります。栄養豊富な食材として知られており、日本ひじき協議会の公式サイトによると、特にカルシウムやマグネシウム、鉄分、ビタミンB2、葉酸などが多く含まれているようです。
しかし、ひじきの料理ってなんとなくハードル高いイメージないですか?

【高山惠 プロフィール】
ライターとして雑誌「DIME」「BE-PAL」(小学館)、「週刊プレイボーイ」(集英社)、他さまざまなWEB媒体で執筆。
フードコーディネーターの資格を取得し、「食」のコーディネートも行う。
この連載は、2022年12月以来の第3弾となります。 

昔からある王道のひじき料理といえば「ひじきの煮物」。昔よく母親が作ってくれましたが、いざ作るとなるとかなり手間がかかります。ざっと書くと、ひじきを水に戻して油揚げやニンジンなどの具材を細かく刻む。さらに出汁をとって醤油やみりんなどで味付けしたものと煮込む。
 
またひじきは水で戻すと増えることもあって、けっこうな量の煮物が完成しますが、正直自分でもそんなに大量に食べたい類のおかずではありません。そこで作り置きのおかずとして何日も食卓に登場させますが、苦労のわりに家族も大して喜ばない(あくまで我が家の場合ですよ)。正直これならスーパーのお惣菜でひじきの煮物を買ってきた方が断然コスパがいいわけです。 

だしも味付けもいらないひじき料理

しかし私はこのレシピに出会ったことで、そこそこひじきを家で食べる機会が増えました。それはビーガン料理家・大塚祐子さんがnoteで紹介している「醤油ひじき」です。

▲自作の「醤油ひじき」です 

作り方は水で戻して水分を切ったひじきをタッパーなどに入れ、醤油をヒタヒタになるまで注ぐ。以上です。うそだろ? というくらい簡単にできます。味付けは醤油のみですが、これで白ごはん何杯でもいけちゃうくらい美味しいんです。

▲醤油ひじきをつかった冷製パスタ

こちらは大塚祐子さんがnoteで紹介している「醤油ひじきとトマトの冷製パスタ」。トマトと醤油ひじき、オリーブオイルだけで味が決まっちゃうのです!  正直に告白しますと、noteで紹介されている作り方の工程にあったトマトの湯むきを私はサボりました(苦笑)。湯むきについて「やらなくちゃダメ!とはもちろん言わないけれど、ちょっと頑張ってやってみてほしいなぁって思っています」とまで書いてくださっているのに。やらなくても十分美味しいのですが、今度作るときは必ずやってみようと思います。

▲醤油ひじきをつかった豚肉のしゃぶしゃぶ

こちらは豚肉のしゃぶしゃぶ+大根おろし+醤油ひじき。醤油ひじきの塩味で十分こちらも味付けが決まります。余談ですが、豚肉のしゃぶしゃぶは沸騰しない80℃くらいの低温でしゃぶしゃぶするのが我が家スタイルです。
こんなふうに大塚さんの「醤油ひじき」のおかげで、栄養食材ひじきとすっかりお友達になることができたのです。 

野菜をベースにした究極の引き算レシピに注目

大塚祐子さんは「VEGAN料理愛好家」としてnoteで記事を発信しておりますが、記事を読ませていただいた限りご自身はビーガンではなくお肉もお魚も食べるとのこと。ただその100倍お野菜が好きということで、さまざまな野菜料理を紹介されています。どれも共通するのは「醤油ひじき」のように味付けが最小限なこと。こういった引き算のレシピは簡単なようでとても難しいと思います。
 
大塚祐子さん、まだレシピ本は出されていないのかな? これから要注目の料理家さんだと思いますよ!
 
(つづく)
 

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