ことわざ辞典を読んでみませんか?
ことわざ辞典を読んでみませんか?
一冊のことわざ辞典を持っています。中学校の時に、白元のソックタッチ作文コンクールに応募して、確か3等だったか、佳作だったか賞をいただき、そのときの賞品でした。しかしいつの間にかどこかへ行ってしまい、今あるのはもう一度読みたいと、社会人になってから購入したものです。でも、あの時、一度もらって読んでいなければ、ずっとこうして持とうとは思わなかったでしょう。あの時書いた作文は『命について』でした。私にとっての人生のテーマなんだなと改めて思います。余談でした。
さて、ことわざはどれも短くて、歯切れが良く、音感触もいいものが多いです。知ってるのも多いですが、知らないものも多いです。そしてどうしてその諺ができたのかを知るともっと興味が湧きます。
例えば、
鬼の目にも涙 意味は、憐れむ心を少しも持たないようなひだい人でも、ときにはなさけぶかくなることもあるというたとえ。
おはちが回る 意味は、じゅんばんが回ってきて、自分の番になる。
どちらもよく使われるのでハニでしょうか。ただ改めて、思うと上の鬼の目にも涙は、映像がすぐ頭に思い浮かびましたが、下のおはちが回るは、おはちって何かなと少し考えました。
昔のごはんをいれておくめしびつのことを言うそうです。これでイメージがつきます。
このように、相手に分かりやすい言葉で言いたいことを他の言葉に言い換えて伝えることは、非常にわかりやすくて効果があります。
最近で少し引っかかったことがありました。それはある作家のほんの一文をとった引用を、相手から受け取った時です。なぜなら、相手がその文章全体を読んでいればいいのですが、そうでないケースもあります。そうするとその文の前後の意味が欠落して、引用者の意図と、その切り取られた文章を受け取った側に溝があるかもしれません。
しかし、ことわざのように言葉自体も短く、そして映像が浮かぶものは意味として何を伝えたいのかが一目瞭然です。
今や諺として定着していますが、海外から来て、広く浸透しているものもあります。
終わりよければ全てよし
この言葉は聞いたことがあると思います。しかし実はこれは日本のものでも、中国のものでもなく、シェークスピアの戯曲の題名『All 's well that ends well』から来ているそうです。
またもう一つ。
学問に王道なし(または学問に近道なし)
こちらも日本が起源でなく古代エジプトに遡るとか。王が学んでいるときに、もっと簡単にわかるものはないのかと聞かれた問いに、王だからと簡単な道はなく、庶民と同じように苦労しないと学問は身につかないというのが言われだそうです。
今回、改めてこの本を眺めていた時に知った言葉に
親方日の丸
があります。これは慣用句で、役人の後ろには国がついていて、どんなことをしても最後は国が面倒を見てくれるから気楽なものだという意味。
これは政治家も入るのでしょうか。役人だけでなく、国民全てが、ああ日本に生まれて育ててよかったなと思える国であってほしいと願い、一人一人が行動し、その先頭を国会議員や政府が煽動して欲しいものです。
最後にもう一つ有名なことわざをご紹介します。
我が身をつねって人の痛さを知れ
これは、自分がそうなった時にことを考えて、人の苦しみを思いやりなさい、という教え。また自我苦しんだり、辛い思いをしないと、人の苦しさや辛さはわからないものだという意味。
皆が皆、相手を思いやって、行動、会話を意識すれば、少し今より住みやすい、生きやすい世の中になるのではないでしょうか。
ことわざ辞典読んでみませんか?
(参照)新レインボーことわざ辞典 株式会社学研教育出版 2010年2月18日改訂最新版14刊
リ・そうるけあ
高山和 たかやまあい