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映画『ONE PIECE FILM RED』感想 

予告編
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感想文を書いたのは、去年の8月の下旬頃だったかな?
今更感がすごいですが、せっかくだから投稿しようかと。

あと、ワンピースはそんなに詳しくないので、間違いもあるかもしれません。悪しからず。



リピート


 去年、映画『呪術廻戦0』(感想文リンク)を観に行った時、一部のアニメファンなのかな? 普段あまり映画館に来ないからなのかな? やたらと映画鑑賞マナーが悪い方が多く、残念な想い出があったので、今回は警戒して、公開直後ではなく少し経ってからの鑑賞。

……しかし、その頃には既に記録的大ヒットがもう目と鼻の先に迫るほどの勢いで、劇場特典の配布はとっくに無くなっていました……。「はぁ~マジか~」と思っていたら、丁度この感想文を書こうかという時に新たな劇場特典の配布決定の情報が入ってきてさ……。いやぁ、なんてタイミングの悪い男なんだ僕は。

……すみません、ただの愚痴です。

そんなこんなも含め、本作には、前作『STAMPEDE』(感想文リンク)には無かった “リピートするメリット” があったように感じられます。一つ、二つと、新たな劇場特典を追加させることは勿論、 物語や登場人物の心情、楽曲の味わい方までもが、観る前と観た後で変わって感じられてしまうように仕向けられたメディア展開が凄い。



 お客さんは九分九厘、公開前から一曲ずつ発表されていったウタ(Ado)のセットリストを事前に聴いてきているだろうし、あらすじがあらすじだけに、漫画もしくはテレビアニメで原作の物語を大なり小なり追ってきている に違いない。

こうして膨れ上がった期待感を良くか悪くか裏切ってきた本作を観た後、十中八九、皆がウタの楽曲に対して別の視点を持ち始めたことでしょう。本編を観るまでは気付かなかった歌詞の意味に改めて触れることで、物語の見え方が変わってくる。ライブ感を劇場の大迫力の音響・スクリーンで堪能しに行くという意味でも勿論だし、劇場版ならではの整合性ガン無視な敵味方入り乱れド派手バトルを拝みに行くという目的も然りですが、別の味わいを再び噛み締めるためにも劇場へリピートしたくなってしまう。そんな大仕掛け。

また、毎週日曜朝のTVでのレギュラー放送では「映画関連特別エピソード」と銘打ち、シリーズとは異なる独立したオリジナルエピソードを三週に亘って放送しており、これもまた、改めて劇場に足を運びたくなる仕掛けの一つ。



 本作は、ウタの歌唱シーンがかなりの時間を占めていたり、原作エピソードとは少し世界線が異なっているかのような独立した感じがあったり、だからこその先述したような整合性ガン無視のお祭り騒ぎを観ることができたり等々……。物語やドラマということ以上に、映像コンテンツとしての濃度が凄まじい気がします。観客動員数などがわかり易いですが、 ここまで述べてきたような “リピートさせる力”、即ち数字を重ねていく力が際立っている本作は、とても現代のコンテンツらしい作品になっていたと思います。

整合性が云々という中身の無さも、そうであるからこそライブシーンや戦闘シーン、或いはレアなキャラ同士の交流シーンをシンプルに楽しむことができ、延いてはリピートし易さにも繋がってくるんじゃないかな。



 前作『STAMPEDE』評の中で、ある種、少年系バトル漫画の宿命かもしれませんが、物語の進行に比例して肥大化してくるバトル能力やパワーのインフレ具合に対する、若干の懸念を述べたような気がします。既に手に負えない次元のバトルになってしまい、はてさて次回以降はどうするのかと思っていましたが、本作では、現実と夢の中を織り交ぜるという展開にし、パワーインフレを濁していたように見受けられたのはとても良かったと思います。

作中でも最強格に近いシャンクスまで引っ張り出してきた予告ティザーを観た時はマジでどうなるのかと心配していました笑。そして本作で、次元の異なるラスボスを相手に据えることは、「そんなワケねーだろ」と言いたくなる強キャラ同士の共闘を、ナシからアリに変えてくれる

『ドラゴンボール超』並みのブッ飛びバトルシーンの贅沢感はシンプルに楽しかったです。ネタバレとかも関係無い。大見得を切るような並びだけで無条件にアガってしまう。これぞ少年漫画原作アニメの劇場版らしい魅力。



 これまた前作評で、主人公ルフィが持つ、人と人の繋がりの強さを信じて疑わない人間性について述べましたが、それが本作にも活きていたのも良かったです。敵味方入り乱れの共闘は言わずもがな。ここまでの事態になって尚、最期の最後までウタとの繋がりを断とうとはしなかったルフィの姿に、改めて人と人の繋がりを重んじる『ONE PIECE』の主人公らしさを垣間見ました。

今回はシャンクスまで出てくるし、ウタばかりが目立っていたし、どこか主人公格の雰囲気が薄まって見えてしまっていただけに、ラストになってホッとさせられた印象です。


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