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水族館・動物園

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2022年8月の記事一覧

夏の終わりのズーラシア

夏の終わりのズーラシア



 森の入り口がこちらを見つめてくるように見えるのは、ただ植物が光の方を向いているからだということに気がついた。

ボルネオオランウータン

 森の人。

サルの森

 森の中に檻が出現したよう。展示の中より外の方がジャグリーなことは、普通の動物園ではないだろう。サルたちがぼーっと見つめる先が自然なものであってくれて良かった。

植物の張り

 指先まで力が入った手のひらのよう。

オオアリク

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同じ水槽なのに印象が180°変わった

同じ水槽なのに印象が180°変わった

はじめての海遊館

 大阪の海遊館に初めて訪れたのは、学生の頃だった。海遊館と言えば、館内中央にある「太平洋」水槽。その大水槽を観ることが本当に楽しみだった。

 まずは屋外の水槽から観ていく。休日だったからとても混雑していて、人気のカワウソは、背伸びをして、やっとうずくまっている様子が見えるくらいだったのを覚えている。

 館内に入ると、すぐに大水槽が見える。小さなガラスの窓の中をジンベエザメや

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タチウオ

タチウオ

水族館で生きたタチウオを観た。貴重な経験だったので、印象に残っていることを書き記しておく。

左右に舞う背鰭がDNA螺旋構造のよう

波打ち続ける背鰭がきれい

常に泳ぎ回っている

立ち泳ぎのまま下降する

方向転換するとき体が固そう

光に照らされるとエメラルド色に見える

魚を捕えて仕留め、離さない、鋭い歯

「生態系のつながり」水槽

「生態系のつながり」水槽

 水族館では、生態系を切り取ったような水槽が観られる。例えば「サンゴ礁水槽」、「黒潮水槽」、「岩礁水槽」、「○◯湾水槽」のように、生態系単位で展示する水槽。生態系なので、岩や砂、水などを含んだ「環境」と、そこに暮らす植物や魚などの「生き物」を同時に見られるのが特徴。

 生き物がどんな環境で暮らしているのか、環境とどんな関係を持っているのか、こういったことが、生き物だけを展示しているよりもよく分か

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感じて撮る夏のズーラシア

感じて撮る夏のズーラシア

カンムリシロムク

 檻の周囲も、檻の中も、深緑の木々が茂っていて、展示室は森の一部を囲っただけのような造りになっている。突如、木の葉の隙間から、白い鳥の背中が見える。まだ顔までは見えなくて、立ち位置を変えてみながら、こちらを振り向くのを待つ。やっと振り向いた鳥の顔には、きれいなブルーの縁取りと、クリっとした目が付いている。隙間からそれがかろうじて見えた。自慢の目を見たとたん、この鳥の全貌を把握し

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開発と隣合わせの生き物たち

開発と隣合わせの生き物たち

 地方の水族館を訪れるときに楽しみにしているのが、地元の海や川を再現した水槽。訪れた土地で、できれば海や川に潜りたいところだけど、そんな訳にもいかない。地元の生態系を凝縮して見せてくれる水槽は、その土地の自然や土地柄、風土を知るのに手っ取り早い。

 ところで、都内の水族館の「地元水槽」はどんな感じかというと、東京湾や多摩川、荒川などを再現していることが多い。その中で、僕のツボにはまったのが、しな

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