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「SLAM DUNK」で一番好きな試合

【Roadroller Sound Studio】(@RBYYYYYYYYYYYYY)です。

僕が一番好きな試合は豊玉戦です(異論は認めます)

その理由を説明するために、まずは僕の経験談からお話させて下さい。

当時、姉も兄もバスケ部だったため、中学校に入ったら僕も自然とバスケ部に入ると決めていたのですが、顧問の先生がいないこと、そして僕らのひとつ上の先輩が3人しかいない(しかも練習に来ない)という状況だったため、バスケ部は廃部の危機に瀕していました。

しかし、僕ら一年生の代の入部希望者が9人も居たため、何とか続けてもらえないかと保護者の方々が学校側に働きかけて下さり、それによって顧問の先生が一人手を挙げて下さって、何とかバスケ部の存続が決まったのです。

当時「感謝」の気持ちが全然分かってなかった僕らでしたが、元々柔道の先生だったにも関わらず、全く知らないバスケ部の顧問になって下さったH先生と、保護者の方々には今思えば本当に頭が上がりません。

とても大切な時間を過ごさせて頂き、誠にありがとうございました。


さて、そんな状況で存続したバスケ部だったため、先生が不在である土日に練習をすることができませんでした。

しかし、やればやるほどバスケが上手くなっていた当時、僕らはみんな練習に飢えていました。

だから土日はリングが低かろうと小学校のグラウンドに行き、暗くなったら家に帰り、ごはんを食べたらリングの無い高架下に集合して、仮想のバスケットコートで試合をしたり、他校の中学校に夜中忍び込んで練習しているところを捕まって、部活動が一週間停止になったりもしました(笑)

中学時代、僕はチームでも市の選抜でも主将を務め、たまたま試合を観に来ていた監督から「ウチの高校に来ないか?」という話を受けることになります。

「僕の高校バスケはきっと素晴らしいものになる」

…信じていましたが、そうはなりませんでした。

自分が試合に出るためならチームメイトの有ること無いこと、監督に告げ口して自分の地位を確立させた人間も居ました。
学校での授業態度や、実際の練習、試合もガチガチのシステマチックに固められ、学校に居るだけでどことなく緊張した雰囲気。
中学時代はあんなにもバスケがしたかったのに、高校になった途端365日ほとんど休みなく、そんな風に緊張したバスケを続ける日々。

実際に大阪府内でベスト16~32には入っていたので、ウチの高校はそれなりに結果を出している方でしたが、完全に自分達の代になるまで正直全然楽しくありませんでした。

また、楽しくなかった理由のひとつが "ディフェンス" です。

ウチの高校のスタンスとして、ディフェンスが上手くなければスタメンになれないというルールがありました。

ディフェンスが上手い人はかっこいいです。
ディフェンスが上手いチームは強いです。
それは分かってます。

でも、やっぱり僕には合いませんでした(こういうの入学してからじゃないと分からないって会社よりも厳しいですよね…)

総合的に見て僕よりも、他のベンチメンバーよりも全体的な能力が劣っていようが、ディフェンスが上手いだけでスタメンになれるチームだったのです(あのスタンスで無ければベスト8狙えたんじゃないかって未だに思ってます)

おかげさまで僕もめちゃくちゃディフェンスが上手くなりました。
中学時代のバスケ部のメンバーと再会して1on1をしても、僕を抜ける人はいなくなりました。
本来であれば上手くなったと、優越感に浸るところかもしれません。
ですが、残ったのは虚しさだけです。

「高校3年間ディフェンスするためにバスケやってたんだっけ?」
「僕の方が視野も広い、パスも捌ける、3Pも打てる、ドライブもできる、なのにディフェンスが上手いだけのアイツが何でPGやってるんだろう?」

結果として高校でもある時期はスタメンだったり、シックスマンだったり、他のチームメイトより試合に出る時間は多かったと思います。
しかし本来の僕のプレイスタイルとは程遠く、主な役割としては敵センターが取ったリバウンドのスティール要員でした(海南戦のラストでリョーチンが高砂にやってたプレイ、これだけはチームメイトの中でも抜群に上手かったので)

あの頃も、そして今もバスケは大好きです。
でも、高校バスケは、部活動は決して楽しくはありませんでした。


「SLAM DUNK」を読んだことがない方もおそらくご存じであろう有名なセリフ、三井寿の「バスケがしたいです……」

バスケがしたいです

このセリフってどうして出てくると思いますか?

"バスケが好き" だからなんです。

そして、このキーワードが出てくる試合が唯一この豊玉戦だけなのです。

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バスケがしたいのはバスケが好きだからなんです。

楽しくなかった高校3年間、それでも僕はバスケが好きという気持ちだけで何とか続けることができました。

試合に勝って、結果を出す。
それでこれまでの苦労が報われることはありました。

しかし、そのためにガチガチのシステマチックに固めたプレイで、子どもたちの個性や意志を殺し、その子達が大人になった今振り返っても、良い思い出として残らないような部活動が果たして正解なのか。

初めて試合に出てシュートを決めた時、初めてオフェンスチャージを貰った時、どっちが嬉しいかなんて聞く必要もないと思うんですよ。

オフェンス8に、ディフェンス2

本当にそれで良いんです。

僕がバスケを好きになったように。
何よりバスケを楽しいって思ってもらえるように。

豊玉メンバーにどうしても感情移入してしまうこの試合が、
僕の中でNo.1です。

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