柾木 嶺

同人文芸サークル「またたび七転」編集。 小説、映画、音楽 好きな作家:伊坂幸太郎、森…

柾木 嶺

同人文芸サークル「またたび七転」編集。 小説、映画、音楽 好きな作家:伊坂幸太郎、森見登美彦、円城塔、森博嗣、古川日出男 またたび七転 @matatabi7rolls 個人垢 @smn_iiie

最近の記事

二燭光社「燭光 第二号」感想文

これは文学フリマ東京2023秋の戦利品「燭光 第二号」についての感想文だ。 特集内容は「In the room」ということで、部屋の中をテーマにした小説が4本掲載されている。 今回はその4本についてざっくりとした感想文を書いていく。 なお小説以外にタイBLドラマに寄せた短歌とルソー『学問芸術論』の論文が乗っていたが、どちらも守備範囲外なので今回は無視することにした。特に何も言えないからね。 全体として 各作品の前に、全体通して面白いなと思ったことがあるのだが、どの作品も

    • きりん堂「ご一緒にクリームソーダはいかがですか?」読書感想文

      今回の文フリではほとんど本は買ってこなかったのだが、以前からうちの広報担当ナカスくんの友人でちょこちょこまたたび七転を買っていただいていたきりん堂さんの新刊「ご一緒にクリームソーダはいかがですか?」だけは買わせていただいた。 せっかくなので感想文としてまとめておこうと思う。 基本あらすじなどは割愛していくが、きりん堂さんはBOOTHでの販売もしているらしいので気になった場合は購入していただきたい。 「さびしさ」結城倫この本は「別れ」と「クリームソーダ」をテーマに書かれている

      • 文フリ終わりの振り返り

        文フリ東京36が終わった。なんだかいつも気づけば締め切りになっているし、気づけば文フリが終わっている。 時間感覚のバグり方が尋常じゃない。それもこれも、まともにネタを練らずにギリギリに書き出すのが悪いのだが。 とはいえツイッターでも書かせていただいた通り、今回のまたたび七転「ネコと和解せよ」は完売御礼となった。嬉しい。 十中八九ミームのおかげなのだがそのあたりはサークルの特色と言えなくもないので良しとする。 文フリが終わるとなんとなくクリエイティブな気持ちが高まってこうや

        • 『ONE PIECE FILM RED』は、なぜAdoのライブだったのか

          映画としては30点! ワンピースとしても30点! でもエンタメとしては80点! それが『ONE PIECE FILM RED』(以下『RED』)だ。 いや、この映画まじで評価が難しい。 決して面白かったとはいえないし、ワンピースを求めていった心が満たされたかというと全くそんなことはない。 だがそれでも劇場を出た時の満足感はめちゃくちゃ高かった。 おすすめはできないけど、僕は多分あと2回くらい見返したい気がする。 音楽映画としての『RED』1.音楽はマジですごい まず大前

        二燭光社「燭光 第二号」感想文

          MY NEW GEAR……(購入家具レビュー)

          前回の記事からひと月ほどが経ってしまった。 仕事が忙しかったりゲームに忙しかったりゲームに忙しかったりゲームに忙しかったりしたせいだ。 これはSteamが悪い。 ちなみにnoteくんは優しいから、前回6/24の記事がひと月前でなく3週間前と表示されていた。 僕はまだあと一週間の猶予があったらしい。 だがしかし、仕事とゲームしかしていなかったわけではない。 一番時間を喰われたのは僕の部屋の模様替えだ ツイッターで散々言っていたのだが、僕が今まで使っていたのは高さ70cmの

          MY NEW GEAR……(購入家具レビュー)

          『映画大好きポンポさん』

          「映画は90分で作れ」 これは僕がポンポさんの中でも最も気に入っている創作哲学だ。 そしてもう一つ。 「泣かせ映画で感動させるよりおバカ映画で感動させるほうがカッコイイ」 この間『映画大好きポンポさん』映画版を観てきた。 はじめはいつもの映画評にしようかとも思ったのだが、いろいろ考えているうちに「この映画を映画のみで語る」ことは不可能だという結論に達したので今回はダラダラと思ったことを書いていこうと思う。 漫画版と映画版 「ポンポさん」の漫画版(原作)と映画版はいわ

          『映画大好きポンポさん』

          劇的な別れ

           四月の終わりにモールドファットを出た私は一五七号線をひた走る長距離バスに乗り込み、次の街を目指していた。  モールドファットでの顛末は「虹色の肉の街」という題で『ニューアドリー・ツーリズム誌一〇二号』及び『ファインドマンの世界紀行録第十二巻』に掲載されているので詳しく知りたい方ぜひそちらに目を通して欲しいのだが、とにかく私はあの街で行われた「虹の宴」にて心と胃袋に深い傷を負った。  実際宴から数週間は目が肉を受け付けず、それどころか肉のような赤々としたものを見ると全てが虹

          劇的な別れ

          『流浪の月』

          昨日、『流浪の月』を観てきた。 朝の8:30に。 そんな朝っぱらから見るような作品じゃあないのだが、かなり面白かったので感想を書いておく。 公式サイトはこちら。 ほとんどの映画館で23日頃に終幕するらしいので、気になった人が行けるかどうかはよくわからない。 配信を待つべし。 総合評価 ネタバレの前にまずは簡単な総合点から。 ・ストーリー:4点 ・演出:3点 ・演技:5点 ・総合:4点 人によっては内容が気持ち悪いと思うかもしれないが、そんなことは置いておいて広瀬す

          『流浪の月』

          続『犬王』

          先日、犬王の感想を投稿した。 だが実は自分でもあの記事にはそこまで納得がいっていないところがあり、ここ数日色々と考えていた。 そして犬王のサウンドトラックを聞いたとき、なんとなく頭の靄が晴れた感じがしたので、続という形で書かせてもらう。 僕が本当に引っかかったところは以下の2点。 ①音楽の長さ ②音量のバランス これが僕が犬王に対して没頭しきれなかった真の原因だった。 ①音楽の長さ 僕の集中が一番切れたのは中盤、「犬王 壱」から「鯨」までの間だ。 まず曲それぞれの長さ

          続『犬王』

          『犬王』

          『犬王』を観てきた。 ので今回はその感想である。 今回はせっかくなので画像を張り付けてみた。 公式サイトはこちら。 あの湯浅政明監督作品というだけあって結構いろいろなところでやっているが、そろそろ公開からひと月経ちそうなので見たい方はお早めに。 総合評価 ネタバレの前にまずは簡単な総合点から。 ・ストーリー:2点 ・演出:4点 ・キャラクター:3点 ・総合:3点 まあ、正直そこまで面白くはない。 「いいところはめちゃくちゃいいが、全体的には微妙」というのが僕の感想だ

          『ハケンアニメ』

          『ハケンアニメ』を観てきた。 ので今回はその感想である。 公式サイトはこちら。 ちなみになぜかこの映画、それなりに話題になっていたくせにシネコンでほぼ上映していないので見たい方はお早めに。 総合評価 ネタバレの前にまずは簡単な総合点から。 ・ストーリー:3.5点 ・演出:3.5点 ・キャラクター:4点 ・総合:3.4点 若干この前の『死刑に至る病』に劣るが、この映画に特に悪い点は無い。 全体として非常に優等生な作品だったといえる。 逆に言えば優等生で突き抜けた点がな

          『ハケンアニメ』

          2RKO

          現代日本に生きていることに感謝を。 そういいたくなるほど僕らはある意味で最高の時代に生きている。 例えば野球の大谷翔平。例えば将棋の藤井聡太。 そしてボクシングバンタム級世界王者の井上尚弥。 今日は彼のための夜だった。 珍しく気取った文章を書いてしまったが許してほしい。 それほどまでに今日のWBAスーパー・WBC・IBF世界バンタム級王座統一戦:井上尚弥VSノニト・ドネアは凄まじかったのだ。 僕はスポーツに明るい方ではない。 オリンピックやワールドカップなどでしかテレビ

          ダークマターはかっこいい

          ダークマターはかっこいい。 これは宇宙の真理である。 なぜこんなバカみたいなことを書いたのか。 それは講談社ブルーバックスの『なぜ宇宙は存在するのか はじめての現代宇宙論』(著:野村泰紀)を読んだからである。 今回はこの本に関する話だ。 まず謝罪させてほしいのだが、本書は「ダークマターってかっこいいよね」などとは一言も書かれていない。 それどころか、最先端の宇宙論をあえて"難しいまま"読みやすく紹介しているインタレスティングな本だ。 うん。普通に難しい。 大体において書

          ダークマターはかっこいい

          短い言い訳

          やっちゃったZE☆ このネタは今どれだけの人に通じるのだろうか。 いやーしかしやってしまった。 昨日4日目にして早々に毎日更新が途切れてしまった。 我ながらこいつはいただけない。特にタイミングが。 だがしかし、言い訳をさせてほしい。 別にめんどくさかったとか他のことに気を取られてとかそういうわけでは断じてない。 ただちょっと早寝をしすぎてしまったのだ。 僕は結構こういうことをやらかす。 大体週に1,2回。 そういう時はまず夕飯を食べて20時には眠くなる。 この眠気とい

          短い言い訳

          雑誌の読み方がわからない

          先月だか先々月だかにdマガジンを使い始めた。 現状ただ毎月小銭がどこかへ流れ出ていくだけなのだが、契約した意味はあったのだろうか……。 そもそも僕は普段雑誌を読まない。 漫画雑誌ですら購読したことがないレベル。 そんな僕がなぜ雑誌を読んでみようという気になったのかといえば、「アンテナを張れる人間」に憧れているからだ。 あなたたちの周りにも一人くらい思い当たる人物がいるだろう。 なんかよくわからないけどいつも最新の情報をどこからか入手してきて、それっぽく知識を披露するような

          雑誌の読み方がわからない

          『死刑に至る病』

          『死刑に至る病』という映画が今月上旬に公開された。 阿部サダヲと岡田健史が主役のミステリーだ。 この前見てきたのだが、かなり面白かったので忘れないうちに感想を書いておこうと思う。 公式サイトのURLを貼っておくのでとりあえずこれを見てほしい。 総合評価 以下に感想を書き殴ったのだが、ネタバレ前に点数を見せておいた方が親切かと思ったので先に簡単な総合評価から。 点数をつけるとこんな感じ。 ・ストーリー:4点 ・演出:5点 ・キャラクター:4点 ・総合:4.3点 若干引

          『死刑に至る病』