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賽を振るは、神か人か -9-

質量を増したメカサソリドローンはその元三角コーンドローンで出来た尾を振りかぶると正確に俺のいた場所を刺し貫いた。レンガ造りの路面を白い槍が穴あきチーズそれその物へと作り替えていく。

「数が多い、数が!」

こっちがホップ、ステップ、ジャンプで種々様々な包囲ドローンを足場に回避しながらサソリ尾を誤爆誘導している一方で6・Dはにじり寄ってくるドローンの群れを水平射撃でもって迎撃する。

「ドローンは疲れない怯えない痛みを感じないのないない三点セットだからな。射撃武装が無くても充分厄介だ」
「そういうR・Vはヤケに余裕そうじゃんかチクセウ!」
「この程度ならいくらでも避け続けられる。親父の居合に比べたら小学生のごっこ遊びだ」
「マジかよ……」

テンポよく足場にしたドローンに飛び移るほどにサソリドローンの執拗な尾撃が取り巻きドローン群を粉砕していく。一発当たれば充分死ぬ範囲の威力なのは事実だ。

突き出された右のはさみを避ければ足場になっていた長方形歩行ドローンがバツンと両断され、続いて振りまわされた左のはさみを縄跳びめいて飛び越えると群がっていたドローン達がプラスチック模型の様に軽々と粉砕される。

だが、残骸を越えて新たなドローン達が追加で駆けつけてくる。暗がりで完全には判別できないが、群れなすという表現が似つかわしい程度には数が多い。

「6・D!こいつらのセキュリティは脆い!クリスにハックさせて連鎖ダウンさせられないか!?」
「それだ!もっと早く言ってほしかったぜ!」

物理撃破には限界があると判断した俺は、腰だめに構えたアサルトライフルとサブマシンガンを駆使して迫りくるドローンを続けざまに破壊した6・Dに提案。彼は即座にその提案に乗るとクリスへと指示を投げる。

「クリス!一台を踏み台にする形でまとめてハック頼む!」
「実行中です」

淡々と返される返事に、数秒後6・Dへ前足を振り上げたドローンが痙攣した後停止。止まったドローンを起点に次々とドローン達が停止していったかと思えば、俺の目の前で深く床に突き刺さった針を抜こうと奮戦していたサソリドローンもまた停止。合体が維持できずに分解しばらばらと崩れ落ちていった。

「ふぃー……型落ち品で助かったぜ」
「アップデートは大事ってことだな」

残骸の飛び散った道路を踏み越え、ドローンの亡骸から距離を取る。灰の街に白い骨のむくろが堆積しているにも似てなんとも感傷的な光景だ。

「さて、行こうか。こうして全力で排除しにかかってきたなら、ここには何かさらなる手がかりがある」
「おうよ」

 銃にマガジンを込めなおした6・D、停止ドローンから一通りデータを抜き取ったクリスと円陣を組む。地下と言ってもこの街は広い、当てずっぽうに歩き回っていたらミイラになってしまうというものだ。

「クリス、こいつらから何かアテとか回収できなかったか?」
「中央の建築物が、防衛対象として設定されていました。建築も既に完了していることから、統治施設として優先的に建設された可能性があります」
「素晴らしい、仕事が早くて何よりだ」

彼女が居なかったらこの仕事はもっと難儀な物になっていただろう。俺もAIのパートナーを持っても良いかもしれない。そんなふうに考えながらクリスがポインターで示した中央のビルを見上げた。

【賽を振るは、神か人か -9-:終わり:-10-へ続く

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