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賽を振るは、神か人か -6-

「マスター、前方の曲がり角より進行中の熱源を検知しました」
「了解!」

 それぞれ武器を構えた俺達の前へ、コンクリート打ちっぱなしの通路を曲がり三角コーンの本体に脚を付けたような四脚ドローン二体が足音重く姿をあらわす。

 威圧的質量の四脚ドローンはゆっくりこちらに向き直ると、三角コーン内からカメラを露出させてこちらを視認、カメラに併設レーザーポインターを向ける。

 射撃武器の搭載はないタイプなのか、そのまま巨体を活かして大型犬めいて駆け寄ってくる、しかしてサイの様なサイズの歩行ドローンを真っ向から迎え撃つ。

 縦列に駆け寄ってくるうち、前の歩行ドローンのカメラ部に向かって迷わず銃弾を撃ち込む。外れる事無くカメラレンズに吸い込まれた弾丸はあっさりとドローンの視覚を破壊。情報源の一つを失った歩行ドローンは戸惑う様に立ち止まった。

 しかして後列のもう一体はじゃれつくネコの様に、身をかがめてからのジャンプでもって前列を跳び越し俺達へと襲い掛かる。だが、6・Dの迎撃射撃の方が早かった。正確なアサルトライフル掃射銃撃によって弾痕を刻みながら空中でバランスを崩し横転、落下する。

「キューピュィー」

 内部機構の動作音を響かせながら再度こちらに向かってくるドローン二体、その四本の脚のうち二本をすり抜け様に切断。重量物が地に落ちる振動と共に歩行ドローンはバランスを崩し転倒。

 シャカシャカと床を掻いてもがくドローンを前に残心をきめたままに歩み寄る。やはり武装の類はマウントされていないのか、この期に及んでも他の抵抗を見せる様子はない。

「クリス、この子らからデータハック」
「了解しました」

 6・Dの指示を受けたクリスはふわりふわりと三角コーンドローンに近づくと、無線アクセスによってデータリンクからの内部データ収集行動を開始する。瞬くアクセスLED。

「ハック、成功しました」
「この辺の地図とか、使えそうなデータ適当に吸いだしてくれ」
「進めています」

 この歩行ドローン達は長年この地下施設に据え置かれていた為か、あっさりとハッキングが成功した。クリスとの性能差は歴然ではあるが、あるいはダイスも合わせて振ればもっと良い展開もあり得たかもしれない。

 そんな俺の疑問に対し、6・Dの返答はあっさりした物だった。

「あー、その場合リスク負うの俺達じゃなくてクリス、じゃん?振らなくても必要なデータは取れてるし、大体何でもかんでもダイス振らないって」
「フムン、確かにその通りだ」

 すんなり上手くいくのが目に見えているシチュエーションかつ、リスクを引き出した場合致命打になるこの様な状況下ではあえて実力で押しとおった方が適切だろう。

 ハッキングと同時に停止させたのか、歩行ドローンの動きが止まりクリスがホロ装飾翼を瞬かせ6・Dの側に戻ってきた。

「地図データの取得に成功しました。しかしセキュリティ対策のためこのドローンからはこの階の情報、その一部しか得られませんでした」
「上出来だ、エレベーターがあるってことは非常階段があるよな?」
「残念ながら、取得データ上には記載を確認できていません」
「そっか、いーぜいーぜドローンハックしていけば解決するだろーし」

 ドローンの亡骸を後に、俺達はクリスの先導にしたがって探索を再開した。

【賽を振るは、神か人か -6-:終わり:-7-へ続く

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