連載小説 星のクラフト 5章 #9
それから数日以内に、中央司令部から段ボール二つ分の資料や旅に必要な物資が届き、その日のうちに車も届けられた。届けてくれた運転手は無言のままで仰々しく敬礼し、後から着いて来たらしいバイクの後ろに乗ってすぐさま帰って行った。
「派手な車ね」
ローモンドは目を丸くしていた。
「そうね。これでは、いちいち目立ち過ぎるのではないかしら」
車体の色は輝くシルバーだが、光の当たり具合によっては玉虫色に光る。天井は低く、セダンに見えるクーペ。ヘッドライトは細長く狐目のように吊り上がって