連載小説 星のクラフト 6
建物は光る星屑の間を進み続けた。ひとつの星が近づいて見えたとしても、決して接触することはない。
「近くに見えたとしても錯覚だ。星屑と太陽の光で靄のようになった空間に屈折が生じている」
ランは中央司令部から聞いた説明をそのまま口にした。
「空気は、どうなるのでしょう。私達、生きていられるのでしょうか」
パーツ製作員に一人が心配そうにガラスにへばりついている。
「心配することはない。空気や水など、私達地球人にとって必要なものは潤沢に搭載している」
「搭載? なんだか怖い」