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連載小説 星のクラフト コラム4

 私の名前は滝田ロダン。
 鳥や虫、花や草、樹木から聞いた話を書き留めるのが仕事。

 今日(2023年11月16日)はすぐに物語の骨子制作の続きに入る予定だったが、昨日書いたコラム3の続きがあったので書いておきたい。かなり重要なことが起きた。

 昨日(2023年11月15日)は、朝、ヒヨドリから小さな羽根がもたらされ、三井記念美術館に行き、アートギャラリー《アートモール》で絵とオブジェを購入したことを書いた。絵とオブジェは『星のクラフト』に登場する建物に似ていると思ったからだ。

 さて、今朝(2023年11月16日)、ベランダの掃除をしていると、小さな羽根はもう一本授けられていたことに気付いた。
 ――あぶなかった。見落とすところだった。
 そう思って摘まみ上げ、大切に保管した。

 そして、その羽根をよく見ていると、なんとなく絵の中にその羽根らしきものがある気がした。見比べてみて、
 ――ああ、ここか。
 と思い、撮影し、✖ポストした。


 《どうして小さな羽根なのかわかったわ。「ミニチュア」を表している。》
 とも、✖ポストした。意識は流れ去るのでメモの代わり。

 それから、家の仕事をした後、ランブルの珈琲豆が無くなりそうであることに気付いて、外に出た。書いている今思い出したのだが、階段の傍にピータが居て、エウリディチェの変奏曲を囀っていた。私が口笛を吹いて近付くと、わかりやすく波打ち森の方へと飛んで行った。
 ――森に来い、ってことか。
 それで、私は森を通ってから電車に乗る事にした。森の入り口では昔飼っていたドラと似た色の猫が居て(稲荷寿司色)、私を振り返りながら尻尾をゆらゆらとさせながら歩道の端を歩いた。私はヒヨドリに口笛で合図をしながら、猫を怯えさせないようにそっと近付いた。猫は振り返って私を見て、また歩き、草むらを覗いた。これはたぶん、トムとジェリーのスウェットの柄についてなにか言いたいに違いないと思った。それは推測で、こじ付け的ではあるけれど、とにかく、猫はなにか言いたげだった。もちろん、ちょうどその時、ネズミをしとめようとしていたのだろう。その姿が尻尾をこちらに向けているジェリーに似ていたのだ。今写真を見ると、アストロキャットにも似ている。


 それから、ヒヨドリたちの囀りに合わせて口笛を吹きつつも、あまり時間がないので早めに森を抜けた。途中でランドセルを背負った小学生の男の子ふたりが居て、
「あ、ムラカミだ」
 と私に言った。

 カフェ・ド・ランブルでは「いつも通りで」とお願いした。するとブルーナイルを出してくれた。「いつも通り」とは、本日よさそうなものを淹れてくださいの意味であることが通じているのだ。
 長居したかったが、とにかく様々な用事もあり、持ち帰り用の豆が用意されると、私は足早に店を出た。夕飯の材料を買い、帰宅。

 帰宅後、なんとなくまた絵をぼんやりと眺めていて、アッと気付いた。
 ――コッチが羽根とぴったりじゃないか!


 なんとまあ、絵に描いてある不思議な黒い線が、その羽根と、サイズ的にも酷似していたのだ。
 唖然。
 昨日と今日、何が起きているのか。
 五次元?
 我ながらサイババっぽいな、などと脱力した。
 
 ひょっとしたら、鳥や動物たちは彼らの共通言語を使ってコミュニケーションをとっているのかもしれない。そして、彼らから見ると、私はその言語が使える人類として驚かれているのかもしれない。などと思う。
 ちょうど、日本におけるデーブ・スペクターさんのような感じ。



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