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真摯の紙一重




真摯の紙一重


音楽を奏でる指が
心の鼓動を越えていく

君の全ては
それをさらに駆け抜ける

永遠に覚えていたいから
鍵盤は血とアカで染まり
鼓膜は激しいリズムで揺れる

抱き締めさせて
全ての熱がうつるまで
汗で蒸れた服も全て

甘い香りと華奢なその身体
筋肉を歪めて
骨は軋む

寄せられて最後に食べさせて

はじまりも終わりも
溶け込む

爪の奥から神経を集中して
新たな血液が流れ込むように
喉を引き締める

天秤が崩れ落ちるくらい
君で全て満たされたい

天上にいけなくても
後悔しない

鎌で首を切られても
笑顔に変わりはない


誤解が解けるなら
舌を咬みちぎろう

血塗られた歯を砕いても構わない

心臓を悪魔に握られても
今度は君に食べられたい

声はもう出ないけど
君に全部差し出す

悪魔の手を振りほどいて
そっちにいくから

預言者が未来はないと告げても
僕の未来は君のもの

終わりなんて誰も決められない
君しかうつりこまない瞳で神様を騙して
君に捧げる

頭の天辺から足の先まで
海の底で見えることのない本音も心も
君に流れて
僕の全部は君のもの

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