桑原 真琴

落語ランナー。落語とランニングが趣味なので「落語ラン」というのを始めました。日々ルート…

桑原 真琴

落語ランナー。落語とランニングが趣味なので「落語ラン」というのを始めました。日々ルート開拓に励んでいます。 同じ趣味をお持ちの方がいらっしゃったら、是非ご一緒しましょう。

マガジン

  • 落語ラン

    古典落語に出てくる地名を辿ってランニングをします。

  • 東京六大学野球観戦記

    東京六大学野球(春季・秋季)の東大戦を観戦した場合のみ観戦記をアップします。 各シーズン、5~8試合程度かと。

最近の記事

落語ラン vol.36 「悋気の火の玉ラン」

早朝、NHKの落語番組を見ていたら古今亭菊之丞師匠が「悋気の火の玉」をお演りになっていたので、早速ランしてみました。普段も走っている界隈ですが、あるテーマを持って走ると見えてくる景色も少し変わってきますね。 あらすじ【花川戸】の鼻緒問屋、橘屋の主人は根が堅く遊びの経験がなかったが、ある寄合の後無理やり【吉原】に連れていかれる。楽しみを覚えてしまった橘屋だが、そこは商人。何とかお金が掛からない方法をと考え、【根岸】の里に妾宅を構えることに。最初は本宅に20日、妾宅に10日の塩

    • 東大57連敗も見えた光明

      基本データ・2021年東京六大学野球春季リーグ戦東大×早大1回戦 ・試合開始11:02 終了13:46 ・観衆6000名 試合のポイントリーグ戦56連敗中の東大は期待の先発井澤君が昨秋優勝の早大打線につかまり、5回終了時点で0-6。ところが後半発奮した打撃陣に機動力も絡めて加点、1点差まで詰め寄るも最後は交わされ5-6で敗戦。ただ、ノーエラー、安打数も早稲田を上回るなど、例年とは異なる戦いぶりで今後に期待を持たせた。 スタメン【先攻 東大】           【後攻

      • 落語ラン vol.35 「今戸の狐ラン」

        4月になり、新年度ですね。なかなか新型コロナとの戦いのトンネルを抜けられませんが、今戸神社周辺を中心に神社仏閣巡りをしました。 「今戸の狐」は実は寄席ではナマを聞いたことがありません。また、今では馴染みが薄い表現や習俗もあるため、やや説明を要する噺かも知れませんね。 あらすじ江戸の名人三笑亭可楽は【下谷神社】で初めて寄席を開いた人。その門下の若い二つ目良助。当然寄席の上りだけでは食えずに、生活は困窮している。また、師匠も内職を禁じており、見栄もあって更に生活は苦しくなるばか

        • 落語ラン vol.34 「恋の山手線ラン(後編)」

          1月に「恋の山手線」ランをやったのですが、時間不足で新宿で終わっていましたので、その続きです。 前半は、「Vol.13 恋の山手線ラン」をご参照下さい。 ランニングコース新宿→御徒町(山手線) 【恋の山手線(後編)】夜よぎ(代々木)なったら家を出て、腹じゅく(原宿)減ったと、渋や(渋谷)顔。 彼女に会えればエビス(恵比寿)顔。 親父が生きてて目黒い内(目黒)は私もいくらか豪胆だ(五反田)、 おお先(大崎)真っ暗恋の鳥。 彼女に贈るプレゼント、どんなしながわ(品川)良いのや

        落語ラン vol.36 「悋気の火の玉ラン」

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        記事

          落語ラン vol.33 「花見の仇討ちラン」

          銭湯で上野の花の噂かな(子規)。 上野のお山の中に「正岡子規記念球場」がありますが、実際に正岡子規は頻繁に上野で野球を楽しんでいたようですね。 江戸時代、花見の名所と言えば上野、浅草、飛鳥山といったところだと思いますが、上野は家光公が、飛鳥山は吉宗公が庶民のために桜を植えたと言われています。「花見の仇討ち」は上野バージョンと飛鳥山バージョンの両方がありますが、上野は江戸時代歌舞音曲が禁止されていたようなので、飛鳥山バージョンは江戸時代の頃のお話、上野バージョンは明治以降になっ

          落語ラン vol.33 「花見の仇討ちラン」

          落語ラン vol.32 「小言幸兵衛ラン」

          当代の桂三木助師匠の昇進披露パーティーの際に、お土産をたくさん頂いたのですが、その中に先代の三木助師匠(当代の伯父様)のCD(セット)が入っていました。 その中に「小言幸兵衛」が収録されていて、これが面白い!そもそも小言幸兵衛という噺は、そのまま演じると今の価値観からは少し外れてしまった表現や行いが出てきますので、寄席などで掛けづらいのかも知れませんが、私は大好きな噺です。 先代の三木助師匠がお亡くなりになられて今年で20年(志ん朝師匠も)、その前の三木助師匠(3代目、当代の

          落語ラン vol.32 「小言幸兵衛ラン」

          落語ラン vol.31 「大工調べラン」

          神田を舞台にした落語というのはいくつもありますが、職人気質がしっかり出ていて、分かりやすい噺としては「大工調べ」が一番かも知れません。 三菱総研時代は、神田で良く飲んでいたこともあり、竪大工町周辺も非常に馴染みがあります。この辺を政五郎さんや八っつぁん、熊さんがウロウロしていたかと思うと、楽しくなってきますね。 あらすじ大工の腕は良い与太郎がしばらく仕事に出てこない。【番町】のお屋敷の仕事が入ったので、【神田竪大工町】の棟梁の政五郎は長屋に行ってみる。すると、与太郎は家賃を

          落語ラン vol.31 「大工調べラン」

          落語ラン vol.30 「居残り佐平次ラン」

          品川はなかなか馴染みがありません。さー、今日は品川に買い物に行こうか、ってことにもなりませんし、美味しいものでも食べに行こうかとか飲みに行こうかってことにもなりません。 ただ、もちろん東海道最初の宿場町ですし、落語の世界では面白い噺の舞台でもあります。浅草の観音様の裏手の里である吉原を北里、北と呼ぶのに対し、品川宿の遊郭は南国、南と呼ばれこちらもたいそう栄えたようです。 「上は来ず、中は昼来て昼帰り、下は夜来て朝帰り、そのまた下は居続けをし、そのまた下は居残りをする」と志ん朝

          落語ラン vol.30 「居残り佐平次ラン」

          落語ラン vol.29 「紀州ラン」

          組織のトップが何らかの理由で交代せざるを得ない場合、後継者をどうするかというのは大きな問題ですね。江戸時代も七代将軍の家継公はご病弱であったため、早逝され、ご存じのように吉宗公に白羽の矢が立ちます。 スムーズにいけば、尾州公徳川継友の目が大きかったはずのところ、吉宗公が選ばれたのは諸説ありますが、落語の世界でもこの顛末をとりあげています。お休みだったので、御三家の上屋敷界隈を走ってみました。 あらすじ徳川七代将軍の家継公は幼くして病死あそばし、跡目相続の話が持ち上がる。【水

          落語ラン vol.29 「紀州ラン」

          落語ラン vol.28 「しじみ売りラン」

          都内の街ランをやっていると、道の形状や街の様子が明らかに不自然だったり、昔はどうなっていたんだろう?と思ったりするところがありますね。特に、湾岸地域やお濠沿いがそうです。 今回は「しじみ売り」ランで銀座・汐留周辺に行きましたが、あの辺りの道路の形状も古地図と照らすと経緯が良く分かります。 あらすじ茅場町の魚屋和泉屋の次郎吉。ただ、裏ではご存じネズミ小僧。ある日、博打で大負けのあと、【新橋汐留】の船宿伊豆屋に船で送ってもらおうと立ち寄った。雪見酒で一杯やっていると、十歳くらい

          落語ラン vol.28 「しじみ売りラン」

          落語ラン vol.27 「王子の狐ラン」

          落語に出てくる飲食店がまだ残っている場合があります。例えば長命寺桜餅(おせつ徳三郎)、明神下神田川(素人鰻)などでしょうか。もちろん、百川(百川)、おかめ団子(黄金餅)など、今はもう無くなってしまったお店も多いのですが、落語に出てくるお店がまだあるとなると、是非行ってみたいと思うのが人情でしょう。そして真っ先に思い浮かぶのが王子の「扇屋」で、お調子者の男が、狐が化けたオツなお姉さんと立ち寄るのがこのお店です。 そして、王子と言えば次の大河ドラマの主人公である渋沢栄一公が抄紙会

          落語ラン vol.27 「王子の狐ラン」

          落語ラン vol.1 「らくだラン」

          レースが減り、仕事の忙しさも相まってランの距離が激減。ようやく落ち着いて来たので、街ランでも再開しようと思うのですが、レースは相変わらず少なくモチベーションが上がりません。 仕方がないので、日々の街ランに付加価値を付けることにして、普段から聞いている落語の舞台を巡るランを考えて実践することにしました。 落語の中には「道中づけ」といって移動中の地名を順番にテンポ良く言い立てる手法の噺がいくつかあります。例えば、以前三木助師匠やお仲間と道中を歩いた「黄金餅(下谷山崎町~麻布絶口釜

          落語ラン vol.1 「らくだラン」

          落語ラン vol.2 「牡丹灯籠ラン」

          暑い八月の最終日曜日でありました。なので、落語ランとは言いつつも今回はほとんど5キロくらいしか走っていません…。 白山から団子坂(D坂)を真っすぐ行き、東京芸大の上野桜木方面に向かう坂を「三崎坂」といいます。三崎というのは、駒込、田端、谷中といった高台が三つあることに由来しているようで、いわゆる「谷根千エリア」にある訳です。根津の辺りというのは大権現のおひざ元ですが、遊郭(いわゆる岡場所)があったこともあり(その後天保の改革で新吉原に吸収もアンダーグラウンド営業は継続)、落語

          落語ラン vol.2 「牡丹灯籠ラン」

          落語ラン vol.3 「柳田格之進ラン」

          私は何とか志ん朝師匠に間に合った口でして、火焔太鼓、柳田格之進あたりはナマで聞けていますが、ナマ文七元結は叶いませんでした。 柳田格之進は、講談から出たいわゆる大ネタですが、決定的な矛盾を抱えた噺です(聞いてみたら分かります)。それでも多くの大師匠、名人が演じるのはそれだけ全体としては良い噺だからでしょう。私は志ん朝師匠の音源だけでも百回以上聞いていますので、出だしのところは門前の小僧よろしく覚えてしまっています。 あらすじ江州彦根の城主井伊掃部頭(かもんのかみ)の家来で柳

          落語ラン vol.3 「柳田格之進ラン」

          落語ラン vol.4 「文違いラン」

          雨模様。あまり長い距離は走れませんので、ジムで運動した後にほんの少し走りました。 「文違い」は、あまり後味の良い噺でもありませんが、新宿が出てくる噺もあまりありませんので、無理やりと言えば無理やりなランです。内藤新宿周辺のみで、地域を移動する訳ではありません。 あらすじ【内藤新宿】の飯盛女・お杉は馴染み客の半七に父親のためと二十両を無心する。半七も間夫きどりなので、何とかしてやりたいがそんな金はない。なかばあきらめたお杉は、仕方なく隣室の田舎者角蔵に母親の病気治療のため高価

          落語ラン vol.4 「文違いラン」

          落語ラン vol.5 「堀之内ラン」

          粗忽者が出てくる噺は落語に結構ありますね。「堀之内」も原型がどんなものか分かりづらいくらい、おっちょこちょいなエピソードをオムニバスに集めたような噺です。何しろ主人公は汽車の線路を帯と間違えて拾おうとします。 「あれ?こんなところに帯が…。欲しかったんだよな、前から…。重たいね…、随分…。」「うわーー!汽車のレールじゃねぇか!轢かれるところだった…。」 これって粗忽??と思わないこともないですが、まぁそんな事もあるかも知れないな!とか、そーそー、俺もこの前思わずメトロの線路を

          落語ラン vol.5 「堀之内ラン」