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兎団33 CAFE BIANCA 衣装note 2023/5/17-5/21 其の8

其の8始めます

このnoteに書いていくこと

こんばんは。
衣装note第八弾です。
今回も個別のお話を進めようと思います。
このノートで半分以上完成です!頑張ります。
あまり分かれると読みにくくなるので、2~3人ずつくらいで書いていくことにしました。
目次を付けているので、興味があるところだけ読んだり今日はここだけ読むよ、という目印にしていただけると嬉しいです。

前回までのリンク

プロローグ的な個人の衣装観みたいな其の1はこちら

チーム現代人の衣装についてとCAFEBIANCAについてを書いた其の2はこちら

チームお化けちゃんズとメインキャストの衣装についてを書いた其の3はこちら

プロト・ステージについて書いた其の4はこちら

個人別第一弾、メイとモームについてはこちら

個人別第二弾、女主人とイムについてはこちら

個人別第三弾、黒猫&人形&死神についてはこちら

このnoteに書いていくキャストたち

今回からはしばらくお化けちゃんズです!
最初は、フランケンシュタイン・狼女・マッチ売りの少女の3人を書いていこうと思います。
娼館に棲みつくお化けちゃんズの第二弾です。

早速衣装note個人編No4始めます

フランケンシュタイン:松尾武志

CAFEBIANCA2023

娼館に棲みつくお化け、今はお化け屋敷と呼ばれている娼館の機械仕掛け担当。重要なポジションです。

松尾さんも2022年から同じ役を続投された一人です。
衣装は基本路線は変えずにアップデート、その分メイクと頭回りの印象を一新しました。

松尾さん、あまり自身ではアピールしないのですが、非常に何を着ても似合うモデル体型の持ち主です。
手足が長くて、背も高い。そしてお仕事柄たくさん足を使われているので筋肉質で綺麗な形をしているんですよね。
なので、一見普通のデザインの服を着ても普通の人より見栄えがします
(手足が長い分、通常のサイズで選ぶと袖丈などが少し足りないことの方が多いと思います)

フランケンの衣装があまり飾りっ気がないのはそういった体系で勝負できるという面と、世間についたフランケンシュタインのイメージのバランス丁度あいまった部分が大きいです。
ジャケット、パンツ、ボーダーのシャツは松尾さんの私物を加工させていただきました。

2022年はジャケットに特に飾りなどつけていなかったのですが、2023年に機械仕掛け担当、という設定が新たに加わったため電気コードに見えるような紐をボタンホールに括り付けたり、スパナを付けてみたり、
兎団にあるリアルではもう使わないネジやフックを組み合わせたブローチなどを装飾に使用しました。
ブローチは衣装さんもお気に入りのアクセサリーです。

パンツは私がこれまたよく松尾さんからお借りしているもので、
裾の縫い目が開いた感じを変えることで、その役に合わせられる黒パンツ。
身長が高いのでなかなか裾を引きずるようなデザインを既製品で作るのは難しいのですが、このパンツはそれがかなう上にラインが綺麗なので衣装向きです。
今回は開いている部分にグレーの布をはさんでみました。
メッシュ素材のものです。
人間型お化けなので、見た目はかなり人間よりですがこういった裾の開きでお化け感を出しています。

一番のこだわり&チェンジポイントヘッドギアです。
2022年はフランケンシュタインの印象といえば、のボルトをマスク的なものにはさんでいましたが、今回は"お化けは頭に何かつける"をテーマにしていたので、ヘッドギアタイプにしてみました。
…とはいっても、本物のヘッドギアを作るほど時間がなかったので、帽子風ヘッドギアです。
管理のことも考えてボルトは着脱式です。
身長があり体つきもしっかりされているので、頭にポイントがあってもつぶれて見えずかつアクセントになって松尾さんだからかなえられたものだなと思います。

ちょっと種明かしをすると、銀色の番線のようなものはステンレスたわしです。分解して伸ばしたりすると伸縮性のあるばねみたいなものに見えておすすめです。
ボルトはグレーの発泡スチロールを削り出していますが、今回最終的なビジュアルを小松豊お兄さんに手伝っていただきました。
ありがとうございます、私まだ小道具職人にはなれないです…。
頭にも機械仕掛けの様なアイテムを仕込めたのは、ネジを回すシーンなどでカメラに効果的に映っていて、アップデートできてよかったなと思った部分でした。

後は道具を使う演出が色々松尾さんにはついていたので、
道具袋…ガチ袋のような存在を作りました。
これに使われている茶色のふさふさは、2022年のお化けマンドラゴラに使用したものの一部で今回出演できなかった方の衣装を一緒にステージにあげていただきました。
デザインとしては、機械を磨くための布のイメージで作っています。
水拭き用乾いた布…等用途によって違うものを使うような、そんな感じです。

さて、ヘア&メイクですがヘアメイクの方はヘッドギアがあるので特にたくさん指定はしていなくて、ヘッドギアから髪を抜き出してもらえるといいかな、というアドバイス位でした。

変えたのはメイクの方で、2022年は顔に傷跡を入れていただいたくらいだったのですが、今回は世間一般のフランケンシュタインのあの凹凸がはっきりして眉がつながって見える感じ、をメイクに取り入れてみようと思い立ちまして、アイデアのもとはそこにあります。

そこにタイミングよく、シュウウエムラの新作のモデルに横浜流星さんが着用されているのを見て”これだー!”となりました。
もちろん骨格が違うのでまるまる同じデザインにはしていませんが、目の周りをグレー系シャドウですべて覆うことによって目元にインパクトを置くような感じはインスピレーションをいただきました。
それに縫い目の様な傷跡をプラスすることで、2022年よりもお化け感の出るメイクになったと思います。
古川さんにアドバイス協力いただき、すごく上手にお化粧いただき汗をかいても終演まで化粧が残っており良かったです。
回数を重ねると上手くなっていくなぁと感じるので、次回以降も積極的にメイクお願いしようと思います。せっかくメイク映えするお顔立ちなので。

狼女:緋乃ほのか

CAFEBIANCA2023

娼館に棲みつくお化け(…狼女さんはおなかすくとどこかに出かけるので棲みついているわけではないとのこと。ご本人談)娼館のお掃除係です。

ほのさんは、2022年ではサンジェルマン伯爵役でしたので、狼女役は2023年版が初めてです(私が入団する前の2018年ビアンカでは狼女役をされていたので実質は2度目です)

ほのさんは普段殺陣とかもやられていて、身体の効く役者さんです。
足の形が綺麗。なので、なるべく自由に動けるような、かつせっかくなのでひざから下のラインが見えるようなデザインで作りたいなといつも考えています。役によってはかなわないこともありますが、今回はお化けですので存分に取り入れさせていただきました。

サンジェルマン伯爵の面影を少し残した衣装にしてみたいかなと思うところもあり(せっかく同じ作品続投なので)、ショート丈ジャケット&スタンドカラーのブラウスというデザインを横展開し色をグレー系のものに変えて、リメイクしています。
スカートはもともとロングだったものをドレープを寄せたりして前が短く後ろが長いデザインに変更、足元は紫色のダイタイ染めレギンスをさらに上から染めて色とりどりながら獣感のあるデザインに(染物は立夏さん!)
帽子は2022年の狼女と同じものですが、装飾を一旦全てばらしてほのさんに似合うように再構築しました。
ブラウスはほのさんの私物をお借りしています。

世界中から集まったお化けちゃんなので、狼女にはデザインのベースに中世ヨーロッパの貴婦人のドレス風なものを引いているので、
(狼女って私の中ではなんとなくかっこいいけれど女性的なラインのほうが映えるイメージがあるんですよね)ジャケットには海月の様な形のフリルをプラスしました。
生地は光沢のあるものを使い、光の加減で月明かりを取り入れているように見えるといいなと思いながら作成しました。
ところどころにちりばめたファーも2022年の狼女に使用したもので、一緒に舞台に上がっていただきました。

スカートにもファーをプラスしているのですが、普通の女性に見えるところから狼女へと変身する演出があり、早替え用にファーを隠すため+お掃除担当としてのメイド感をプラスするために黒いトリコットハーフの生地を一番上に追加しています。
そして前中央に白い短めの生地をつけて、その真ん中にリボンを通しドレープのあるなしを操作できるようにして、メイドモードの時はエプロン型お仕事していないときはドレープのスカート飾りとして見えるようなデザインのポイントを入れています。
ほのさん、今回早替え大忙し要員でしたね…。
結果ボリュームが足されて、シルエットがドレスのようになり良かったです。

帽子のデザインは、照明のあたり方でシルエットになった時に、
ファーをプラスした部分が耳のように見えるところは2022年を踏襲しているのですが、ファーを入れたのは耳の部分だけでそれ以外のところはグレーのレースを使用し、後ろに長くレースを落とすことで尻尾にも見えるようなシルエットを意識しています。
尻尾的な部分はほかにもエプロンを巻くための紐のレースを長くしており、こちらでもその効果を狙っています。
どちらが尻尾に見えてもいいな、と思いまして。

そして帽子、実はトーク帽の様な小さいものを当初予定していたのですが、
お化けの獣チーム(スフィンクス、狼女、黒猫)の中で跳ねるに特化した動きをほのさんが担ってくださったため、安定した被り物のほうがよさを発揮していただける気がして、作成途中でチェンジしました。
ほのさんは色々な形の帽子が似合うので、型変更しても特に何も支障なくです。

早替えですが、黒いトリコットとグレーのチュールスカートの間にサテンの生地をはさんでおりまして、そのサテンを持ち上げるとケープを着た女性に見えるようなデザインをあらかじめ仕込んであります。
変身後も布のハケを気にしなくていいように衣装と一体化、スカートから見えてもいいように、ケープの止める部分は茶色いレースで獣色を使用しており、装置転換でフードが落ちないように急遽小屋入りしてからお花のピン止めを使用して帽子に固定できるようにしました。
そのピン止めは早替え後、スカートの装飾品として活躍しています。

この早替えの難しさは、
狼女→普通の女性モード→狼女
という早替えが必要だったため、振り落としの原理(AKBのような)が使用できなかったことです。
仕込みなおす人手と、シーン進行の時間的余裕がなかったためこの早替えにも頭を使いました。

そしてヘア&メイクです。
今回の髪形は、外ハネでほのさんの役の躍動感を表現していただきました。
少し段差のあるショートでしたので、毛先の動きがでて可愛くもあり大人っぽくもありな感じを生かしていただきました。

そしてメイクですが、ほのさんは目元がとてもやさしいので、あえてそれを崩しに行くような切開ラインと目じりの跳ね上げを黒目終わりから作っていただくような形でデザインさせていただきました。
それにプラスグレー系のシャドウで、目力の強い吊り上がり目の狼女さんに。
元々お顔立ちが鼻筋通ってしっかりしているので、ノーズシャドウなどの効果と共に狼の持つすっとした感じが出せたような気がします。
ほのさんのメイク、座組内からも評判だったのでプランナーとしてはうれしかったです。
ロールモデルは、パリコレのちょっと強めのブランドのモデルさんです。

爪は、ファイナルで使用していた狼女デザインのチップがかわいかったので引き続き使用していただき獣の爪担当していただきました。
ネイルアート素敵でした。

マッチ売りの少女:伊藤蘭香


CAFEBIANCA2023(写真手前)

娼館に棲みつくお化け。マッチ売りの少女、本当は最初からお化けだったんだそうですよ…。
意外と重要なお仕事を担当しており、みんなが理性を失わないように屋敷の明かりを消えないようにマッチでつけてくれています。

2023年初参加の蘭香ちゃん。
座組最年少でそれはそれは愛されキャラ
マッチ売りの少女が甘えん坊として設定されていましたが、よく似合っていました。そして蘭香ちゃん本人も意外としっかり者で、筆者の小道具の転換を芝居中でめちゃめちゃ助けてもらってました。(1年ぶり2度目)
どうしたって筆者とも年齢が18歳近く離れているので、経験値も人生分違います、でもその良さを衣装、ヘア&メイクでも生かせればなと思いデザインしました。

マッチ売りの少女って、いつからか赤いスカーフを巻いている挿絵が有名になったのですが、もともとはぱっとしない色の服を着た寂しそうな子だったはずなんですよね…。
でも今回は甘えん坊の愛されキャラがたつように、赤い印象の方のイメージを採用。オレンジっぽいワンピースの色をポイントに色々なピンクカラーと赤を使っていきました。
立っているだけで目立ってかわいい子っていると思うのですが、お化けちゃんズの中でその立ち位置にいてほしいなという思いです。
暖色は温かい印象を与えてくれるので、なるべく寒色系の色を使わずに作り、そして3人娘と呼ばれる色とりどり担当のお化けちゃんがいるのですが(スフィンクス・人形・マッチ)お姉さん2人が寒色系を使っているので特に末っ子ちゃんが暖色という構図がしっくり来ていました。

頭の頭巾は2022年に過去回想にお花役が出ていたのですが、そのお花さんが今回人間がやらなくなったため、マッチちゃんと一緒に出ていただきました。花びらをばらして、ピンク色の頭巾に変身しています。
染物はもちろん立夏さん。
クリーム色のタートルは袖が透ける素材でレースっぽいものを採用し、素材のお化け感を出しました。お袖には頭巾とおそろいのフリルを付けています。お化けちゃんはお袖ふりふりの人が多いですね、私の好みです。

人間型お化けなので肌色はあえて見せており、スカート丈もひざ位で中にショートドロワーズを仕込む&ウエストを絞ることによってスカートのボリュームを出しています。
思い残しメイちゃんを含めても、実はひざ丈のスカートの子が蘭香ちゃん以外に今回いないのです。かわいらしさの視覚化です。

足元にはお姉さん2人の衣装の色と同じ色緑系のレッグウォーマーを付けています。
最初はクリーム色にしていたんですが、デザインが思ったように出なかったのとちょっと3人娘の統一色が入ってもかわいいなと思ってパステル系グリーンに変更しました。

実はデザインのロールモデルに北欧系の民族衣装を引いているので、
エプロンと赤いリボンをつけています。
世界から集まってきたお化けちゃんズです。
エプロンの布部分は彼女が初めて兎団本公演に出演した作品で、暖簾として使われていた布(SDGs劇団です)を使用し、リボン部分は2022年お化けのメデゥーサちゃんのものを使用しています。
みんなの思いも一緒に、蘭香ちゃんを支えていました。

ストールはマッチ売りの少女の原作のイメージをお客さんと共有するアイテムの一つとして作りました。
実はこれワンピースに形作って止めておくことで、動いても崩れない仕様になっています。
お化けちゃんズはめっちゃ動くので、着崩れの部分はできるだけ仕組みで解決するように考えています。

ヘア&メイクでもかわいらしさは大切にしています。
蘭香ちゃん顔立ちは実は大人っぽく整っているので、下まつげを直接顔に書くことで本人よりたれ目になるようなデザインでオーダーしました。
シャドウもピンク系のラメや、ラインの色もブラウン系でちょっと優しい色合いを大事にしました。
チークもほてりメイクの様な、鼻筋も染めてしまう様な形にして幼さをプラスしています。
最初は苦労したようですが、お姉さんたちがアドバイスをくれて自分でできるようになったと喜んでいました(本人談)
以前共演した際は、私がメイクしていたので舞台の毎に経験値が上がっていくのはとてもいいことだなとほほえましい気持ちになりました。
いつも忠実にデザインを再現してくれようとするので、その気持ちもありがたいなと思っています。

髪形は、もう座組のお姉さんたちはできる人とできない人がいるシンプルなみつあみにリボンスタイルです。
イメージとして、子供や学生時代によくやる髪形というのが強いからでしょうか。とてもよく似合っていました。
裏話ですが、蘭香ちゃんが無邪気にプロトステージ仕込み中の可南子さんに髪形おそろいー!と言っているのが本当にマッチ売りの少女そのままで大変かわいかったです、というメイクさんしか見られないエピソードをお届けします。

フランケンシュタイン&狼女&マッチ売りの少女編でした

終わりに

この3人は娼館のお仕事を持っていて、物語のキーを担っているチームとして紹介させていただきました。
この3人は私が脚本と役者さんと演出をイメージして自由に創作している部分が最も多い3人です。

詳しいお話は其の3にも記載してありますので、よろしければ併せてご覧下さい。

ありがとうございました。
次回もよろしければ覗きに来てください。
個別紹介、
…連載の最後はイケメンにしめてもらいましょう。
配信期間に間に合わせる公約破ってすみませんでした…
…筆者の役はおまけ程度に書きます…

配信視聴チケットも販売を終了しました。
皆様本当にありがとうございました。
あー投稿ぎりぎり間に合わなかったー!本当にすみませんー!


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