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兎団33 CAFE BIANCA 衣装note 2023/5/17-5/21 其の5

其の5始めます

このnoteに書いていくこと

こんばんは。
衣装note第五弾です。
今回は個別のお話を進めようと思います。
さて、13人いる!頑張ります。
あまり分かれると読みにくくなるので、3~4人ずつくらいで書いていこうと思うので、少し長くなる可能性があります。
目次を付けているので、興味があるところだけ読んだり今日はここだけ読むよ、という目印にしていただけると嬉しいです。

前回までのリンク

プロローグ的な個人の衣装観みたいな其の1はこちら

チーム現代人の衣装についてとCAFEBIANCAについてを書いた其の2はこちら

チームお化けちゃんズとメインキャストの衣装についてを書いた其の3はこちら

プロト・ステージについて書いた其の4はこちら

このnoteに書いていくキャストたち

前回、プロト・ステージの話を書いたので、その流れを汲んで
モーム・メイの2人をはじめに書いていこうと思います。
この2人はほぼ2022年と同じ役者さんが同じ役をされているし衣装も大本は変えていないので、対比の部分でもわかりやすいかなと思い最初にしました。

早速衣装note個人編No1始めます

画家アルトン・モーム:斉藤可南子

CAFEBIANCA2022年
CAFEBIANCA 2023

売れない画家モーム。
過去回想のシーンでは人間、この物語における現代では150年間恋人のメイを返してもらうために娼館の中をさまよい歩いている幽霊。

2022年の段階で、もうすでに何度も再演されておりましたが、
イメージを一新してしまいました。
パンツと靴は似合っていたので昔から使用されていたものをそのまま採用しているのですが、
ブラウスは2022年春公演「S.A.M.P」でCAFEBIANCAのスピンオフ作品を上演した際に、2022年秋のビアンカ本公演を見据えて、濃いベージュのような色の、ブラウスに変えました。
そして、回を重ねるごとにどんどん絵の具で汚れていっています。
(メイクさんが手についた化粧品で日々汚していたとの噂も)

2018年のファイナルまでは白いシャツだったんですが、150年さまよっている時の流れとか150年前のリアルな海外の画家の方の服に寄せたかったというのが始まりで、そのあとモームのセリフに「この世の白は偽物だ…」というような言葉があることを知り、もうこれは白を使うのやめよう!と確信しました。
後、単純にこのブラウスが斉藤さんに似合いそうだったというところから変更の案が生まれました。

茶色いベルトとスカーフは、画家としてのセンスのワンポイントとして取り入れたくて新調しました。
ベルトは実はワンピースの襟です。
ベルトに見えますよね?笑

スカーフは、モームの一番記憶されるパーツになりかねなかったのでどうしても役と斉藤さんの両方のイメージに合うものを使用したくて捜し歩きました。
…各所で開催されている蚤の市を、ふらふらと。
少し、絵の具のような色彩のものにしています、後は…中間色のような、
モームが風景画家であることを表せるようなものにしようとこれに決めました。

2022年は、比較的ブラウスも綺麗に着てスカーフも綺麗にまいていますが、
2023年で私がもしよければ、もっと汚く…というかだらしなく着てほしいと追加オーダーしました。
斉藤さんは、背筋がしゃんとしている方です。
一本筋が通っていて誠実で品がある佇まいなので、いくら服を着崩してもメイクを作りこんでも、不快なだらしなさは絶対に出ないと感じていたからです。

過去のモームは、売れない画家で酒浸りで女主人に拾われて居候しているような人、そして現在は150年もの間さまよっている幽霊です。
どちらの意味でも、少しルーズで、でも人を引き付ける魅力のある、そして海外の画家に見える着こなしにしたかったのです。
そんな人なので、服は絵の具で汚れている方がいいし、でも芸術家というプライドでおしゃれなものを着ていそうだし…
かっこいいといわれているモームであってほしいなぁ、というスタイリングです。

後は2023年のほうが”斉藤さんがモームを演じる意味”みたいなところにフォーカスしようとしました。
どうしたって女性の方が骨格的に男性よりも細いので、手首や首回りで性別が出てしまうものです。
でも、それってそこまで気にすることかな、とふと思ったんです。
今まで何度もモームを演じてこられている説得力…といえばいいのでしょうか、その事実と実績がありますし、モームは男性斉藤さんは女性、というところをあえてはっきり気にしなくてもいいかなと。
そこを提示しなくても世界は成り立つのではないかと考え、
気になりますか?とだけ聞いて、心理的に問題ないとの回答をいただいたので、袖もまくってブラウスのボタンも締め切らないような形にしました。

このままヘア&メイクの話に流れますが、
前述した通り2023年はあまり性別における見た目などを強く意識しないつくりにしたため、あえて髪は長いままでお願いしました。
崩れたハーフアップに、緑色の紐を巻いています。

其の4に書いた通りプロト・ステージでは、白いワンピースを着た可憐な女性。
そこからのモームでございます。
髪は、プロト・ステージの髪形で少し癖をつけたものをばらして、
整えていない髪に見えるようスタイリングしました。
ハーフアップからは軽くルーズに毛束を引き出したり、わざと束のおくれ毛を作ってみたり…実は色々しています
前髪も、落ちてこない程度に固めてできるだけ分かれないような作りにしています。
過去も今もイケメンは前髪が長いほうがいいと思っています(あくまで筆者のイメージです)

2022年は、もう少し衣装と同じで綺麗に見えると思います。
ハーフアップは変わりないですが、短めの髪で整っている印象です。
メイクも2022年は、顔を少し汚したくらいであとは基本の男性に見えるようなメイクだけお願いしていたので、ほとんど人間シフトです。

2023年はメイクも一新、かなり作りこみました。
顔の汚しは、茶色系のみいろんな濃さのシャドウやチークやシェーディングでチークを入れつつ汚しを入れつつ陰影をつけるという挑戦を。
目元も茶色やボルドー系を混ぜ合わせながら、
疲れてくぼんだ様な隈の様なこの世ならぬものの様なシャドウを入れました。
斉藤さんのお顔立ちは、涙袋をちゃんと作ると魅力的な色気が出ます。
それを、今回女主人も一目ぼれしたモームらしさにしています。
唇は、赤茶のマットリップを口角の部分まで塗ることで少し普段と違う顔の印象にしています。

また、眉の色をプロト・ステージの時はオリーブ、モームの時はレッドブラウンにして顔全体の印象を変えました。

このメイク、過去回想で照明がセピアになることや最後の白い照明が当たることを考えてデザインしました。
セピアになると酒浸りで神経痛で背中が痛い不健康そうな顔に見えること、
現代や白い照明のシーンでは、この世ならぬものに見えること、を考えて色を作りながらメイクしました。

プロト・ステージから15分で別人に変えることも含めて、
個人的には上手くいったような気がしています…がいかがでしょうか…

モームの恋人メイ:琴音

CAFEBIANCA2022
CAFEBIANCA2023娼館時代
CAFEBIANCA2023モームの恋人になって

親に売られて娼館で働いているメイ。のちにモームと結ばれるが、幸せな時は短くはかなく、流行病…忘れ病によって命を落としてしまう。
メイは唯一、過去の人の中で幽霊にはなりません。
メイは人間です。

メイは2022年の時に、かなり正解がでたな…という感覚が私の中にあったので、2023年は2着とも一切変更なしで行きました。

1着目は娼館で働いている時代の服なので、素材は比較的軽くて透けるようなものを選び、ネグリジェの様なランジェリーの様なその間を狙っています。唯一人間で特殊生地やレースを使っています。
今の日本を思うと丈の短いものを選んでしまいそうになりますが、
150年前の海外の娼館であることを思うと個人的にはロングかなと思いそうしています。
そして、お客さんの前にいない時やお出迎えの時は、一枚羽織っているだろうな…ということで薄手のロングカーディガンの様なものを重ねています。

メイは後半で着替えるとしても、1着目から白いものを着せる選択肢は私にはありませんでした。
色の印象ってかなり強いですし、この世の白は偽物…というモームが白い服を着た女の子に思いを寄せる…なんてちょっとロマンがありませんか?
モームは本質をみているんだな、いつも。
という印象もつけたくて、メイはずっと白、です。

そして琴音さんは白が似合います。
ご本人もすごく白いのですが、なんというかまっすぐな素直さやまなざし、
お人柄が夏の青空に浮かぶ雲の様な白さがあります。
白い光にも私には見えているのですが、その性質からも白が映える役者さんだなと思います。

2着目の衣装は、モームと結ばれてからのワンピースです。
こちらは、もう娼館で働いていないごく普通の女の子としての印象を大切にしたかったことと、戦時下の中に時代が移り行くことから、
綿素材のシンプルなロングワンピースにしました。

琴音さんは、ボリュームのある服を着こなせる方です。
ラグランで、かつパフスリーブでロング丈のワンピースをとても綺麗に着こなしてくれました。
袖と裾が透かしレースになっているところがポイントです。
私の中のデザインイメージではモームが買ってあげそうなワンピース、がテーマです。
といっても、そんなシーンは存在しないですし、モームが買ってあげそうな、はモームと並んだ時のバランスでイメージして決めました。
隣に咲く一輪の花に見えるような、並んでいたら対に見えるような…。
モームがあのブラウスを着る人なら、このワンピースかな、と直感です。

そして、このワンピースでラストのシーンを迎えるので、
観ていただいた方はご存じかと思うのですが、メイの長台詞があります。
あのセリフの光景に溶け込むようなデザインを意識して選びました。
長袖を採用しなかったのは、絵になった時と人間であることのバランスだろうなと思います。
すごい意識したわけではないのですが、人間であることを見せたかったのだろうなと、後付けで思います。
途中で思い残しがある人間が幽霊になる、というようなセリフがあるので、
メイは幽霊になっていないんだよ、というような思いでしょうか。

そして、このメイのワンピースが決まり、プロト・ステージの絵のメイの衣装を、シルエットが似たもので選び、リンクしたものを出したいなと思い立ちました。
似合うものが全然違うので、全く同じものをという思いは0%でしたので、ロングでスカートにボリュームがある、袖の短すぎないワンピース。
という統一感を持たせました。
絵から始まり、絵で終わることをひとつながりにしたいという気持ちがありました。

靴が両方とも素材や形の違うバレエシューズタイプなのは、
衣装さんの好みです。
お仕事の時は少しでも楽な履物で普段はいるだろうな、ということ。
モームと暮らしてからは、なんとなくですがヒールというよりもフラットな靴を履いている方が安心感とか飾らなくていられる心持みたいなものが見えるんじゃないかなと思って綺麗目なバレエシューズへと履き替えていただきました。

メイで唯一変えたのは、メイクです。
髪形は琴音さん自身の金髪がそのままイメージどおりでしたので、長さなどはご本人にお任せして生かしていただきました。
少し長めの2022年も、2023年の耳にかけたボブもどちらもとてもその時のメイによく似合っていたと思います。
2022年は筆者が思い過ごしメイちゃんの、もう少し違った解釈の役をやっていたこともあり長さがありますね、私が長かったんです。

メイクの違いは、2022年は1役だけだったので最初から最後まで同じメイク、コーラルピンク系でナチュラル寄りにしていただいていました。
2023年は思い過ごしの中学生メイからモームの恋人メイへのチェンジがあったので、間で少し濃い目にメイクチェンジをお願いしました。

これには、別人に見せたいという意図もありましたが、
モームのメイクを大胆に変えたのでメイも娼館の時の顔がもう少し強く出ていいかなと思いそうしました。
後は、モームとのバランスを取りたいという意味合いも少し含んでいます。
そして最後は絵、です。
メイクがはっきりしたまま絵になるのがいいなと…絵を描いているシーンの余白にもなったらいいな…なんて思いもほんの少しありました。
余白なので明言はしません。

CAFEBIANCA2023

メイ&モーム編でした

終わりに

やはりお話の主人公はこの二人です。
私はやはりメインの方には作品の中心にいてほしいという思いがあるので、
他の役と全く違うアプローチになるように、衣装やヘア&メイクをデザインやスタイリングしています。

それは女主人とイム君にも考慮している部分ですかね。

詳しいお話は其の2にも記載してありますので、よろしければ併せてご覧下さい。

ありがとうございました。
次回もよろしければ覗きに来てください。
個別紹介、女主人とイム君編になる予定です。

CAFEBIANCA2023
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