兎団33 CAFE BIANCA 衣装note 2023/5/17-5/21 其の4
其の4始めます
このnoteに書いていくこと
こんばんは。
衣装note第四弾です。
今回は個別のお話を進めようと思ったのですが、先にプロト・ステージのお話をしようかなと思い立ちました。
プロト・ステージとは
初日と千秋楽以外の公演は、本編前に生演奏でお届けするひとり歌芝居なるものも上演されておりました。
この公演をイメージしたハーブティーなどドリンク片手に楽しんでいただける、本編とはまた違う、ゆっくりした時間の15分間(筆者感想)
今回のnoteはちょっと変態的になるかもしれません
何故そんなことを
なんて宣言するんだ、という感じですが、個人的にこのプロト・ステージに思い入れがありまして、珍しくちょっと自分の話もしようかなと思っているので先に注意書きを入れました。笑
創作のもとになるものって、やはり自分が通ってきた人生の中にあるんですよね。
私が小劇場に足を踏み入れたのは
芸能界の人たちが、○○さんに憧れてこの世界に入りました!
とか、オーディション受けました。
とか話している場面を聞いたことがある方が多いんじゃないかなと思うのですが(筆者はハロプロとジャニーズのヲタクでもあるのでよく耳にします)
私も実はそうで、20年前にプロト・ステージの完全版?「CAFE BIANCA」の原案「CAFE BIANCA」を当時住んでいた仙台で観劇し、現所属劇団の主宰斉藤可南子さんに憧れてお芝居を始めました。
(BIANCAの前にも数本、色々な形で作品は見ていたのですが決め手になったのはこの作品です)
ギャラリーのような、劇場空間とは違った雰囲気の場所で、
白いロングワンピース、歌と芝居で作り上げられる確か約40~50分くらいの作品だったように記憶しています。
今でもその時歌っていたナンバーとか、外は寒かったこととか、帰りに寄ったカフェで飲んだラテのこととか、結構はっきり思い出せるんです。
こう、何かを撃ち抜かれたような感覚だったこともはっきり覚えています。
本来「CAFEBIANCA」は2018年公演がfinalとして上演された作品で、
私は2019年の暮れに兎団へ入団したので作品には関われずに終わっていたはずでした。
それが2022年の再演、そして2023年…。
本当に心からこの作品に関われることを幸せに思いました。
自分が憧れた作品を一緒に創り手側でできることなんて、そうないと思うんです。
生きててよかったなぁと、大げさではなく、そう思っています。
身内をほめるのって、あまり歓迎されないのでしょうか?
私はいいものはいいと言い続けたいですし、劇団に所属しているのですから、ここに所属すると決めた理由があるわけですし、
私はこれからも、
「斉藤さんの創る世界のそばにいたい、あわよくばその世界に何らかの形で力になれたら嬉しいので兎団にいるよ」
と言い続けたいと思います。
本人か斉藤さんのファンの方に止められたら辞めます。笑
本題に戻ります
衣装noteです
というわけで、私にとってももちろん斉藤さんにとっても兎団にとっても大切な作品で、何度も再演を繰り返してきているものですから、
もう変えてはいけない作品のイメージがあるわけです。
ビアンカ…白、そして彼女もメイ、ですからやはり衣装のイメージを白から変えるつもりはなく、また、初演のころから衣装にされていたワンピースが白のロングだったので、それも変えるつもりはありませんでした。
2022年の際、衣装を新調したいと相談があったので、偶然私が衣装さんになったタイミングで変更となりました。
2023年
2022年
衣装の話
2022年に新調した衣装は、2023年も変わらず使用しております。
初演から使用されていた衣装は、斉藤さんに合わせて仕立てたものでしたので、本当は私も一着ちゃんと仕立てようかと思っていたのですが、
2022年の本編CAFEBIANCA、出演者総勢17人…
本編の衣装だけでも手一杯なので、無理して品質を落とすよりも、
イメージに合うものをと既製品を使用しました。
ただ、そのままでは少しシルエットが物足りなかったので、
袖口や襟元にレースを足しています。
斉藤さんは、襟のあるものを着るとそれだけで品よく見える方なので、ハイネックまではいかないフリルのスタンドネック、
スカートはたっぷりフレアで、アンシンメトリーなデザインで動いたときにスカートが風をはらんで膨らむシルエットが綺麗に見えそうなワンピースを選びました。
袖は、長袖まではいかないけれど半袖よりは長いほうがいいなぁ、とぼんやり考えていたのですがジャストなものが見つかって五分袖くらいのものに。
作品の中に「演奏会の帰り道」というセリフがありますので、
そんな印象が出るように、清潔感よそ行き感を取り入れて、
かつ、カフェに飾られている女性の絵としても説得力が出るといいな、と思いながらセレクトしました。
後はこれ、本編のメイが絵になるときの衣装とリンクさせています。
それぞれ似合うものが違うので全く同じものは来ていませんが、
なんとなくシルエットを寄せています。
2022年と2023年での衣装の違いは、2023年のほうが腰のラインを絞ったことでしょうか。
2022年は割とストレートにしていたのですが、2023年はウエストラインが出るようにリボンを結んでみました。
ヘア&メイクの話
そしてなんといっても一番の違いはヘア&メイク!
2022年は無観客配信上演となったことにより、プロト・ステージの後に本編の上演がなかったことです、重要です。
(収録は別の日に行いました)
何せプロト・ステージの上演終了15分後には、本編が開演。
斉藤さんはわずか10分強の時間の間に、
売れない風景画家アルトン・モーム(男性・酒浸り)へと早替えです。
ファーストシーンはモームからスタートですから、上演中に何とかすることもできません☆
この話は2023年度版でゆっくりと…
ということで、2022年Verは突然上演形態が変わったので、それならと当初の予定からヘア&メイクを変えております。
早替えする必要がないので、女性メイクで作りこみました。
コーラル系のアイシャドウを何色か使用し、目元はグラデーション&細かいラメで光を取り入れる形に。
アクセントに、ボルドーとレッドブラウンの中間色のシャドウを使用しています。二重ラインの陰と目尻のあたりに使用しました。
涙袋はラメ多めで薄めかつピンクよりのコーラルで仕上げました。
チークとリップもコーラル系。
チークは頬の一番高いところから眉のお尻めがけて斜め入れし、かつ、
ほてりメイクっぽく鼻を通ってワンライン入れています。
後はハイライトで光と色の濃さを調整。
リップは確か、少しピンク強めの濃い色を下に引いてその上から薄いコーラルを重ねた記憶があります。
マスカラとラインは黒です。
このメイクは、斉藤さんのお顔立ちがもともと綺麗なので、
元を生かして、そこに彩りだけを入れようかなと思いデザインしました。
そのためハイライトは使用していますが、シェーディング的なことは一切していません。
影を付けるよりも、光を入れることに終始したメイクです。
印象も、柔らかくはかなげな雰囲気になるように、全体的に丸みを意識してメイクしました。
美人を美人にするだけの簡単なお仕事です。
ヘアメイクは、斉藤さんのきれいなくせ毛を生かして、
ハーフアップ+ギブソンタック風にしています。
おくれ毛を少し出したり、自然に落ちた髪の部分のカールを少し強く出して
軽さを出しました。
頭のお花は造花です。
片側だけに、三日月形になるように作りました!
人工物ではなくて自然のもので飾りを作りたくて…
それは斉藤さんの持つ、自然な美しさとか少女っぽさみたいなところから沸いたものだと思います。
(後は私の趣味です、すみません。なんかカスミソウみたいな花が似合いそうだなと…)
さて、お待たせいたしました(?)2023年版です。
こちらは前述した通り、本編でモームになることを想定してメイにしなければなりません。
モームの完成写真も載せておきますね。
メイからモームまでの変身時間は、着替え込みでわずか10分強。
早替えに携わることのできた人数は、諸般の事情により斉藤さん本人と筆者佐藤の2人のみ。そして私も本編出演者…。
みなさん、やればできます!
プロト・ステージの時点でシャドウの範囲やラインの形などは、モーム向けにデザインしてあります。
なので2023年のほうが少し印象が横に長く、シャープなメイにしています。
メインの色はコーラル系で変えていませんが、ラメの量を少なくしてマットな印象になっています。
ハイライトも控えめで、全体的に2022年よりも素朴な感じになったと思います。
アイラインはダークブラウンに変更、マスカラは緑にしています。
そして、2023年は眉の色を変えました。
少しカーキ色の眉マスカラを使用し薄い色味に。
眉の印象が変わると一番人相が変わって見えるので、時短でイメージを変えようと思い、今回取り入れました。
ヘアメイクは、まずモームのハーフアップの原型を作り余った部分を軽くみつあみにてクロスして止め、ギブソンタックを装ってみました。
ハーフアップの部分は、軽めのお団子にして毛先をカールして飛ばしています。
このお団子やみつあみものちにモームに変化する際に、
整っていない崩れた印象のヘアスタイルに変えやすくするためここで仕込んでいます。
スタイリングしてから30分くらいの時間経過が早替えまであるので、
その間に癖がついてくれるのを利用しています。
今回のお花飾りは、ドライフラワーで花冠を作りました。
着脱が花冠は安定させやすいうえに楽にできるので、綺麗にかつ早替えを考えたデザインです。
花冠のエンドはワンピースとおそろいのレースでリボンにしました。
今回お花以外も色々考えたのですが、やはり斉藤さんにはお花が一番似合うなと落ち着きました。
余談ですがドライフラワーは、カスミソウとラベンダーとふわふわ(すみません、名前が…)を使用したのですが、ラベンダーがいつまでも香りが抜けなくてびっくり。尚モームのヘア&メイクの詳細については、この後更新する本編個別noteにご期待ください。
ちなみに、一応10分強での早替えは無事に成功いたしました(全5回共)
ただ楽屋はお見せできないような光景が広がっていたことは言うまでもありません。でも、できました。
このnoteをご覧の皆さん、モームとメイ印象変わっていますか?いかがでしょうか。
そして、プロト・ステージには欠かせないシンセサイザーの生演奏!
奏者の高橋夜空さん。
本当に生演奏って素敵で、毎回聞きほれていました。
2022年2023年ともメイとおそろいの白でご用意していただきました。
今年は足元の白い靴もご用意していただき、お二人とも真っ白。
2022年、夜空さんに私が何もご用意できなかったことが本当に悔やまれたので、今年は花冠と同じドライフラワーを使用したブローチ、小さいものを2つ作り、その日の気分で演奏に差し障らないところに着けていただきました。
より二人が近く見えるようになったのではないかなと、思っています。
最後に、本当にこの作品の衣装・ヘア&メイクプラン、そして当日実際のメイク・ヘアメイクも担当させていただき、
個人的には約20年の時を経て、夢を一つかなえたような気持ちです。
もちろんまだまだ先をみて走っていきますが、当時高校生で何にもできなかった私が、こうしてビジュアルを任せていただけるところまでやってこれたんだな…という思いです。
当時の私に、あきらめなければ夢のような体験ができるよと伝えてあげたいです。
2022年のゲネの時ですが、すべてが完成して音楽が流れてきたときに、
20年前の記憶が一気によみがえり、周りが引くほど泣いたことはここだけの秘密にしてください。笑
私は音楽も好きで、記憶が音に紐づきやすいため曲を聴くと自動再生のごとく泣きます。
17歳の私にとって本当に大切な思い出で、それが今の原動力です。
お付き合いいただきありがとうございました
さて、プロト・ステージ編いかがでしたでしょうか?
2023年度版プロト・ステージは会場観覧限定、配信には載っていませんが、2022年度版のプロトステージも収録されているDVDが販売されております!(もちろん2022年本編収録)
夜空さんの生演奏もこちらでしか聞くことができません!
もしこちらのnoteをみて、気になるなーと思っていただけた方は下記から「兎団ストア」をご覧になっていただけると嬉しいです。
脚本なども販売しています。
結びが今はやりのまとめ記事みたいになりやや不服ですが、
かなり長くなってしまったのでこの辺で失礼いたします。
ありがとうございました。
次回もよろしければ覗きに来てください…!
宣言通り、本編個別紹介になります。
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