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兎団33 CAFE BIANCA 衣装note 2023/5/17-5/21 其の1

前置き的な

ご挨拶

お久しぶりです。
兎団劇団員佐藤が送る、気まぐれ衣装noteシリーズ第2弾!
(第1弾は2021/9ですって。さぼりすぎですね。
(否ね忙殺されてたんですよ、ペースつかみきれなくて。
というわけで前回書いた衣装noteは15周年記念公演「アテルイノシン」

きっとこの約2年くらいの間に私と知り合ってくれた方もたくさんいるでしょう、ありがとうございます。
この記事で初めてお会いする方もいるでしょう、はじめまして。
東京の片隅で、兎団という劇団に所属し役者として舞台に立ちながら、
衣装/ヘア&メイクを担当させていただいております、佐藤天衣と申します。
(サムネの写真ですと緑色の人です)
(この全集みんな顔がすごい…)

このNoteに書きたいこと

今回は、昨年の11月流行病によって無観客配信公演を余儀なくされた
「CAFE BIANCA2022」と、先週行われた「CAFE BIANCA2023」の衣装の話をしていこうかなと思います。

否、リベンジマッチのつもりだったのですが、結果再演というよりは本当に新しい作品として皆様にお届けする形になりました今作。
せっかくなら、2022年版の時の話も交えながら対比とか再演ならではの変更などをお楽しみいただけたらと思います。

さて、何からお話ししましょうか…
前回アテルイノシンの衣装noteにも書いたのですが、私の衣装デザインをするときの基本の話からまたしてみましょうか。
2年たったので、私自身も変化してきていますし、さぼりすぎて当時のnoteを読んだことがない人もたくさんいらっしゃると思いますので、お付き合いください。

そうはいっても文章ばかりは飽きるのでCAFEBIANCA 2023の全員集合写真を。
今回のビジュアルです!人間とお化けと幽霊がいます。
集合写真はとゲネ写真は小峯維斗さんに撮影いただきました!

衣装を作るときに考えていることの話

一番最初にやること

  • まず脚本を読んでお話の内容と起承転結を理解する

  • キーワードや大切なモチーフをとりあえず自分の考えでみつける

  • 登場人物のざっとしたチーム分けや役割を把握する

  • なんとなく出演シーンごとの人数とか、よく一緒にいそうなチームまたは個人を把握しておく

  • 一人多役になりそうかの見通しを立てておく

私は役者もやるわけですが、
役者として脚本を読むのと衣装などスタッフワークをやるときに脚本を読むのは実は使う頭が違います。

役者としての脚本の読み方は私以外の方のほうがきっとちゃんと説明できると思うので割愛させていただき…

衣装をデザインし作成するということは、作品のビジュアル面の責任をかなり大部分で請け負うことになると自覚しています。
ヘア&メイクもプランニングしているので、その範囲はかなり広くなります。

脚本を読む時点で

  • 世界観を演出と同じ目線でとらえられているか

  • 役が存在する意味を理解できているか

ということは、私自身がとても大切にしていることです。
イメージやデザインが独りよがりなものであってはいけません。

作品の世界観を広げる役割を果たすこと

を意識しています。
そしてそこに、私がやるからこその味をいれていく
ということを常に挑戦しています。
だって、だれがやっても同じ結果になることをしたら私がやる意味なくなってしまうのですから。

そして、上演する場所・会場の雰囲気も大切にしています
どんな色の会場か?質感は?広さは?天井の高さは?

狭い場所、お客さまと近い場所で生かせる良さと、
ある程度の大きさの会場で生かせる良さは全然違います。
デザインそのものから、素材やドレープの寄せ方など全部に影響します。

お客さまとの距離感もそうですが、舞台の質感、照明のあたる感じ、陰影の出方、舞台上にいる役者間の距離等で最適なデザインは変わると思っています。
最近は照明スタッフで入ってくださる方が誰なのかで、素材や色やデザインなどを考えるようにもなりました。
せっかく組んでくださった照明プランを壊したくないですし、
できることなら最大限生かして、相乗効果でよりよく輝いたらいいなと、生意気ながら思っているところです。

そんなこんなしていると配役が決まる

配役が決定する前に、大まかな方針や方向性は決めますが、
細かくデザインに落としていくのは、やはり配役が決まり、何度か稽古場で立ち稽古を見てからです。

背格好や声色、その役者さんの個性を生かしたものにしたいからです。
誰がやっても同じプランになるようなことは、したくないなと思っています。
ただ私、今はやりのブルべ夏とか骨格ストレートとかそういうことはあまりきにしていないです…考えれば判別できなくはないのですが、
そこは自分の感覚を信じています。
そして、組み合わせを考えれば似合わない色や服の形なんてなくて
固定観念で可能性をつぶしたくないのであまり考えないようにしています。

配役が決まった後は、詳細なデザインを思いつく限り洗い出して書き出して、全キャストのバランスを取りながら一番いいものを採用していきます。
大体1役に2~3パターンくらいは用意するようにしていて、
実際に稽古場で動いているのをみたり、声をきいたりしていると最終的に案が固まるという感じです。

後は、演出で決まっていることがあればそれを加味していきます。
この人は動きが多いとか複雑だとか、丈が長いと芝居に影響しそうだなとか、本来の芝居の部分に制限をかけないよう注意しています。
もちろん、デザインが決定しても、決定した演出プランに合わせて変えていくことはあります)

デザイン画が仕上がったら演出とすり合わせていく

大体の場合下記のようにすすめます

  • 先にメイン配役の衣装プランを全員分作成してすり合わせを行う

  • 衣装プランがOKになったら、ヘア&メイクプランを作成~すり合わせ

  • サブ配役やシーンで衣装変更した方がよい役などのプランを作成

幸い、私は所属劇団の主宰演出と意見が食い違うことはあまりないので、大きな差戻が起こったことは今のところありません。
これ、私にとってはすごく重要で、この時点で
ああちゃんと脚本を読めていて世界を同じ視点から見られていたなぁととても安心します。

すり合わせが終わったら実作業開始!

使えそうなものをリストアップして創作したり、足りないものは買い出しに行ったり実作業に移ります。

湯水のようにお金が使えるわけでもなく、作成するメンバーが何人もいるわけでもなく、時間がたくさんあるわけではないことが多いので、
私はデザイナーもパタンナーも縫子さんもスタイリストも全部やります。
(主宰からはスタイリング能力が評判です)

すでに持ち合わせている既製品を使って、どれだけうまくプランを実現できるかが時短への近道であり、低コストに抑える秘訣でもあります。
兎団と佐藤個人の衣装手持ちがたくさんあるので、その点ではとても恵まれています。

…Oh…超大作になってしまった…
実はほかにも私の秘策があるのですが、手の内明かしすぎるとまだ丸腰よわよわになってしまうのでそこは企業秘密秘伝のたれにさせてください…
わたしと同じ座組に数回いる方は、気が付かれている人もいるかもです。

というわけで次回からは、ビアンカ2023を基本に各個別衣装についてお話していこうかなと思います。
長いNoteにお付き合いいただきありがとうございました。
次回もお楽しみいただけましたら幸いです!

CAFEBIANCA2023
配信アーカイブチケット発売中!
6/9 23:59まで購入可能
6/11 23:59まで視聴可能
価格:2,000円(配信限定特典映像付き!)
https://en-3-plaze.stores.jp/items/642c44575804470029a7a1b4

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