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兎団33 CAFE BIANCA 衣装note 2023/5/17-5/21 其の2

前置き

このnoteに書いていくこと

こんばんは。
衣装note第二弾です。
今回からは作品の内容と登場人物?の詳細に触れていきたいと思います。
本題です。

プロローグ的な個人の衣装観みたいな其の1はこちら

CAFEBIANCAについて

兎団とCAFEBIANCA

さて、まずは【CAFEBIANCA】という作品について公式サイトより引用したいと思います。

2022年11月、無観客収録配信となった『CAFE BIANCA』
このままでは終われない、お客さまに会場で生で観ていただきたいという一心で、劇場再演が決定しました。
2006年初演の、兎団の原点と言える作品です。

"世界の果ての恋物語"
売れない風景画家アルトン・モームは、貧民街の娼館に居候しながら怠惰な日々を送っていたが、ある日ひとりの娼婦”メイ”と出会い、彼女を救い、ふたり幸せになった…はずだった。
メイを失ったモームは幽霊となり彷徨い続け、そんな彼のもとに世界中のお化け達が集まってくる。歩き続けるモームを見つめる、娼館の女主人とお供の黒猫。
1000年に一度のモンスターズナイトがやって来る。

※18日(木)、19日(金)、20日(土)の本編上演の前に『CAFE BIANCA』の原案となった、ひとり歌芝居を上演します。
プロト・ステージ
【上演時間】約15分間
【作/演出/出演】斉藤可南子
【シンセサイザー生演奏】高橋夜空

兎団公式HPより抜粋

この作品は何度も再演され、そのたびに脚本や演出、出演者や衣装などブラッシュアップ続けてきたものです。
劇団の代表作でもあり、たくさんの人が大切にしています。
これを書いている人佐藤は、原案となった作品(プロト・ステージの完全版)を仙台で観劇し小劇場演劇を志しています。
約20年前のお話です。

それだけの歴史を持った作品に、私が作り手側に参加したのが昨年11月、
無観客上演になってしまった「CAFEBIANCA」からです。
再演するにあたり、生半可なことはできないとかなり身構えました
どの作品も常にベストを尽くすことには変わりないのですが、
なんというか背負う歴史の重さ、みたいなものは一段と大きかったです。

過去作品の写真はHPで観られるものもありますので、よろしければ遊びに来てください。

では、そろそろ本題に。

CAFEBIANCA2022とCAFEBIANCA2023

昨年秋、劇場公演が行われていたら今年の5月VerのCAFEBIANCAは上演されなかったかもしれません。
リベンジマッチ、と銘打って始まった公演でしたが前述したように、以前の再演と変わらないさらに進化したCAFEBIANCAとなりました。

一部キャストは、昨年秋からの続投ですが同じ役を演じた人もいれば違う役になった人もいます。
予定が合わず参加できなかった人もいます。
脚本も書き直されて登場する役にも変化がありましたし、もちろん演出も変わっています。

それならばと衣装も一から考え直し、結果昨年秋と全く変えなかった役は一つもありませんでした。
せっかくなので、2022年版と2023年版両方の話をしていきたいと思います。

ではまずは全員集合写真を、2回分。

2022年版CAFEBIANCA全員集合写真。キャスト総勢17名!
撮影は小峯維斗さま。
2023年版CAFEBIANCA全員集合写真。キャスト総勢13名!
撮影はこちらも小峯維斗さま。

上演した会場はどちらも同じ【プロト・シアター】です。
こうして並べてみると、舞台美術の変化も感じていただけるでしょうか。
本当に全部変わっています。

どちらの作品も、大きくチーム分けすると3つに分類されます。

  • 娼館に棲みつくお化けたち

  • 現代人(美術品窃盗団&失恋した中学生)

  • 150年前の人・人間(現代では幽霊になっていたりいなかったりします)

衣装を考えるときは、まずこの3チームの印象が似たものにならないように気を配るところから始めます。
生きる世界が違うこと、物語で請け負う役割が違うこと等を視覚からお客さまに提示できることが大切かな、と考えているからです。

でも、作品としての統一感はもちろん必要です。
なので、衣装に使う素材やデザイン、既製品とリメイクや装飾の割合、柄物の取り入れ方、色のバランスを考えながら各チームに振っていき、
最終的には一人ひとり役と役者さんの個性に寄り添ってまとめ上げていくという順番でキャスト全員分のデザインを完成させます。
私は全員デザインをして、横並びに眺めて、最後のバランスをとるので
先に誰か一人が出来上がる、ということがデザインにおいても実際の衣装においても発生しないのですが、
それは良し悪しであり、今後の課題でもあるなと感じております…

横並びに完成させるのが、一番見栄え的なバランスはとれる方法だと思うのですが、時間との兼ね合いやビジュアル公開や衣装裁きの練習などに思いをはせれば、
第一弾!第二弾!とできたほうがいいかな…という別観点からの悩みもあり、まだまだこの辺りは落としどころを探していきたいと思っています。

さて、また長くなってきたのでチーム別の写真をのせていきます。

やっと本題に…

チームごとの写真と共に特徴を話す

絵画泥棒ダミアン&カミーユ

CAFEBIANCA2022 配信公演キャプチャ
CAFEBIANCA2023 配信アーカイブキャプチャ

どちらも役者は2022からの続投です。
ダミアン役:原田達也さん
カミーユ役:柳橋龍さん
失恋した人しか入れない娼館に、たまたま入り込んだ美術品窃盗組織「NEVER MORE」の二人。
2022年には「ビアンカダンディー」という造語を作り出したキャラのお二人でしたが、2023年は少しキャラが変わり、衣装とヘア&メイクも変化しました。(個別紹介ではもっとわかりやすい写真を)

2人はこの物語の現代を生きる人間です。
"人間"であることが分かるように、極力衣装は日常で身に着けるような素材を選び、いかにも作りました!みたいな物を排除した既製品感を大切に
かつ映画に出てくるスマートな窃盗団や怪盗をイメージしたものにしています。
後はせっかく同じ組織の男二人なので、ペア感を大切にしました。
二人に似合うデザインは何だろう、それでいてお互いの個性が出るものは?
というところに一番意識を置いたかもしれません。

2022年版は背中にポイントがなく少し寂しかったという反省が自分の中に残ったので、2023年度版は背中にポイントを付けました。
デザインは、2人がチョコレートをかけてポーカーをするシーンがあることから少しトランプを彷彿とさせるダイア柄を採用して、
素材は現代風のレザー系やお化けと被らない異素材を使用したものになりました。
(ここは色々大変で、デザインも素材も仮縫いしてはほどくを繰り返しました。演出とも1番話したかもしれません)

後はジレのセンターにスリットをいれて、動きが出やすい形にしました。
ジレの色はボルドーとネイビーで実は違います。

中を黒一色にしたのは、やはり泥棒だからですかね。
闇に溶ける感じをイメージしています。

後は個人のところで色々お話しできればと思います。
(ヘア&メイクの原案は東宝ミュージカル、ナイツ・テイルの井上堂本ペアからインスピレーションをうけたとかうけていないとか…)

中学生男子イム・中学生女子メイ

CAFEBIANCA2022 配信公演キャプチャ
CAFEBIANCA2023 配信アーカイブキャプチャ

こちらは役者は2人とも変わっており、かつ物語上の設定も少し変わっています。
2022年版
中学生男子イム:海月悠羽奈さん
中学生女子メイ:佐藤天衣(筆者です)
2023年版
中学生男子イム:古川ゆかりさん
中学生女子メイ:琴音さん(モームの恋人メイと兼役)

イム君とメイちゃんは幼馴染。
イム君は優等生メイちゃんは両親の仲が悪くなるにつれ口が悪くなりウソをつくようになり狼少女とあたりから呼ばれるようになってしまった不良少女。2人は娼館…今ではお化け屋敷と呼ばれているその場所を探検する約束をしていたのです。

2022年版はまさに、お化け屋敷探検に行く夜、イムがメイに告白し、酷い振られ方をして失恋します(実はメイも振ってはいるものの失恋しています)

2023年版は一か月前に振られ、失恋したことを自室で思い出していると、突然メイが目の前に現れ、イムをお化け屋敷探検に誘います。
現れたメイは、メイの思いがイムと過ごすためにやってきた”思い過ごし”のメイ、実体は本当はありません。

というわけで、
設定も役者も違うので、衣装はほぼ全替えしました。

イム君のパンツだけ同じものですが、優等生という役どころに、このパンツ、とても衣装としてね見え方も好きで2人とも似合っていたので続投させました。
後は…実はほかのキャストでもいるのですが、2022年版で出演できなかったキャストの衣装を誰かしらに身に着けてほしかったというような裏テーマもありで、イム君はパンツでバトンを渡したような形になっています。

上のカーディガンは形は似ているものの、個人に合った色や柄に変えていますし、中に着るものは告白しに来た2022年と部屋にいた2023年で状況が違うため、かっちりめYシャツスタイルと部屋着のようなパーカースタイルになりました。

メイちゃんも、上着はどちらもレザーをきており海外の不良少女感を出していてかつ、ちょっとイム君のテイストに寄せています。
2022年版メイちゃんはパンクチック(アヴィリルがロールモデルだとか)
ですが、ちょっとスクールテイストできっとイムの私服に寄せてきたんでしょうね。
衣装さんがその役やっているのでちょっと境界線があいまいですみません、でも本当はイム君のこと好きなのでちょっと寄せました。

2023年度版メイちゃんも、ペア感があるといいのと全く嫌いで振ったわけではないと感じる場面があったので、白いパーカーはイムとおそろい
スカートは中学生らしさとイム君のカーディガンに雰囲気を寄せた柄、
そして”思い”であることから、
イムの目には実体として見えるけれど本当はいない、
という事を視覚で表現したく、少しお化けの衣装に使用しているような、異素材やビーズの入ったものを選びました。
後は後半のメイちゃんと同じ役者さんがやるので、印象を変えるためと中学生感をだすキャップを。

やっぱり、ペア感は欲しいなという思いがあり、
2人のテイストを寄せているのと、ダミアンカミーユと同じく現代の人間であることから日常で身に着けるような素材を選び、いかにも作りました!みたいな物を排除した既製品感を大切にしています。
なのでメイちゃんだけ意図的にすこーしだけ異素材を+しているんですね。
これは言わないと気が付かない細かい部分ですが、衣装さんのこだわりです。

今回の結び

というわけで、今回はこの辺で…
次回はお化けちゃんズと、物語の中心モームメイ女主人を紹介します。
ひぃ超大作の予感がしますね…
最後までお付き合いいただけたら幸せです。

CAFEBIANCA2023
配信アーカイブチケット発売中!
6/9 23:59まで購入可能
6/11 23:59まで視聴可能
価格:2,000円(配信限定特典映像付き!)
https://en-3-plaze.stores.jp/items/642c44575804470029a7a1b4

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