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【イタリアで就活・就労】⑧失業手当の申請手続き


郊外にあるハローワークの事務所


はじめに

2024年5月の記事に加筆、改訂を加えてまとめました。
手続き自体は、2024年2月に行った内容です。

ただし本記事は個人の経験をまとめた事項なので、
最新の情報は各自でご確認下さい。





雇用契約と失業手当

前回記事 ▶⑦退職届手続き で少し話したように、
失業手当が申請出来るのは
有期限雇用契約(Contratto a tempo determinato)である。

無期限雇用契約(Contratto a tempo indeterminato)から
退職の場合は、
失業手当の申請が不可なので注意。


失業手当申請の流れ

今回の記事の大前提として、
有期限雇用契約(Contratto a tempo determinato)
終了から、話を始める。

失業手当の申請は、
大きく見て以下の流れとなる。


  1. 必要書類を準備する。

  2. INPS(全国社会保障機構)にオンラインで手続きをする。

  3. Centro per l'Impiego(ハローワーク)へ行く。

  4. 求職活動をする。



必要書類

  • 無職になる前、最後の職場での雇用契約書

  • 身分証明書

  • イタリアの口座番号(IBAN)

  • 外国人の場合、滞在許可証


筆者の場合、身分証明書はCIEを使用。

普段使いの銀行はドイツ企業のN26だが、
イタリアのIBANでなければいけないので
Postepayを登録した。

※イタリア発行のIBANは「IT」、ドイツ発行は「DE」。

参考:
①CIEの申請
①Postepay 口座開設


滞在許可証が
申請もしくは更新手続き中の場合、
その旨を伝えた上で
必ず更新手続き支払い半券(郵便局での領収書)も掲示する。

 

申請方法

CGIL(労働組合)で手続きを行った。


  1. 雇用契約終了後、速やかに申請手続きを始める。CGILでは8日以内だと無料、9日目以降では有料で手続きを代行してくれる。

  2. 必要書類をオンライン申請してもらい、その後、数日以内にCentro per l'Impiego(ハローワーク)へ面談登録に行く。ハロワへは予約無しで行ける。(シエナの場合)

  3. ハロワで申請済みという事情を説明し、登録してもらう。その際、必須面談を2回予約する。最初の面談は登録から1週間前後、2回目は約3ヶ月後である。(登録日、最初の面談、2回目の面談、と最低3回行く事が必要)

  4. 最初の面談では担当者が学歴・経歴を確認する為、履歴書を持参する事が望ましい。

  5. ハロワ登録時や最初の面談時などで、自分に合う企業や職業訓練講座などを提案してもらえるので、希望があれば行動に移す。

  6. 約3ヶ月後の面談は、どんな状況か確認される。


Busta paga(給与所得)という噂も聞くが、
オンライン申請には給与所得ではなく
最終雇用契約書、つまり
L'ultimo contratto di lavoroが必要なので注意。


履歴書は基本的にWordの自前だが、
内容の簡潔さやまとめ方がチェックされるので
絶対的に決まったフォーマットは特に無い。

ネット社会の現在は、
無料でお洒落な履歴書を作成出来るサイト(要登録)も多数あるので
それを利用するのも良し。
筆者個人は、Microsoft Office Wordが提供する
履歴書テンプレートから作成した。

参考:
②イタリアの履歴書

無料履歴書作成サイトの例:
     (全てイタリア語サイト)


職業訓練講座と面談

失業手当申請者がハロワで登録する職業訓練講座は
受講料無料だが、
1度登録するとキャンセル不可なので
開講場所やトータル授業時間など
熟考してから講座を選ぶ事を勧める。

2回目の面談予約が講座の授業日時と被った場合は、
講座を優先するよう指示される。

その際は
ハロワの担当者へメール、もしくは電話で連絡し、
講座終了次第、面談予約を取る。

万一、講座受講中に仕事が見つかったら
有料になるのか、講座退会になるのか、
全授業時間のうち何時間が過ぎたのかによって
対応が異なるらしいので、ハロワへ連絡する事。


失業手当の支給額

  • 直近4年間の平均月給から計算する

  • 最初の半年は、75%

  • 7か月目以降は、毎月3%ずつ減額

  • 最長2年間だが、受け取り可能期間は上記3点から個人によって異なる

新しい仕事が見つかり雇用契約を結べば、
失業手当の違法受給にならないよう
即日CGILへ停止手続きへ行く事。


失業手当の入金

個人の経験では
初月は申請後2週間毎に少額ずつ支払われ、
翌月からは
ほぼまとめて入金される。

一般的には、
前月(3月)分が
翌月(4月)10日頃に入金される。



役所の手続きなどは、日本で、日本語でも難しい。
CGILもハローワークも
職員は皆親切で丁寧だった。
CGILはイタリア人も頼る機関なので、本当に心強い。
外国人は是非利用する事をお勧めする。

参考:
CGIL 公式HP
トスカーナ州のCentro per l'Impiego
イタリア政府 労働省公式HP (全てイタリア語サイト)



イタリアでは
様々な規律が頻繁に変更されるので、
最新の情報は
必ず各自でお調べ頂きますようお願い致します。



在イタリア日本国大使館(ローマ)
在ミラノ日本国総領事館(ミラノ)
イタリア政府 公式サイト
イタリア警察 公式サイト
イタリア政府 保険証公式サイト
もしくはエージェント会社などに問い合わせる等、
最新の情報は必ずご自身でご確認下さい。

▶本記事の出典元ブログ記事
▶元ブログ「シエナの坂道。。」


【イタリア就活・就労・一般情報】目次

▷▷就活・就労
① イタリアの就労事情
② イタリアの履歴書
③ ネットで仕事を探すなら
④ 新規雇用許可枠
⑤ イタリアの失業率
⑥ ワーホリ協定発表
⑦ 退職届手続き
⑧ 失業手当の申請   ←今ここ。

▷▷生活一般情報
① CIE(電子身分証明書)の申請
② INPSの登録(CIE登録)
③ イタリアの保険証
④ 新型コロナウィルス ワクチン予約
⑤ 保険証の自宅郵送
⑥ 保険証の更新
⑦ 掛かりつけ医のオンライン登録
⑧ パスポートの申請方法
⑨ パスポートの受け取り

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