外国人店員は心の師匠
仕事を楽しむ。
*
僕の住んでいる地域には、
海外移住者が多く住んでいる。
コンビニでアルバイトをしていたり、
自分で店を営んでいたり、
違った場所や形式で各々仕事をしている。
ただ彼らに共通して言えることは、
楽しそうに堂々と仕事をしている。
みんなが笑顔で大きな声で働いている。
仕事がまるで遊びの延長かのように、
ウキウキとした姿勢で。
一方少し離れたビル群は日本人ばかりで、
誰も彼もみんな一様に疲れた表情だ。
僕ももちろん例外ではなく、
頓服をポケットに潜ませ、
大きなため息ばかりつく。
自国のはずなのに異国のように、
人見知りで挙動不審、
しきりにオドオドとしている。
*
先般、転職に失敗した。
失敗とは言ってみたものの、
あまり気にも留めていない。
むしろ光明がさした気さえしている。
と言うのも転職出来なかったことで、
将来のプランを組み立てやすくなったから。
転職をしたらまた1から始まる気がする。
当初は1から始めることに希望を抱いていたが、
将来を踏まえると遠回りだと思えるし、
同じようなプロセスはかえってストレス。
だから良かった。
そして将来のプランを立てる際に、
海外移住者からヒントを得た。
「仕事を楽しむ」
*
今までの僕は仕事に忙殺されて、
周りが見えずにいた。
ただ必死に、ただ食らいついて、
日々をもがき苦しんで足掻いて、
そして感情を失ってしまった。
この状況を打破したくて、
転職しようと試みただけ。
稚拙な動機。
自分を変えるためには、
居場所を変える他ないと考えていた。
だから転職先の良いところばかりを見つけては、
「この場所だったら自分が変われる」と、
偽りの正解を、或いは現実逃避をしていた。
転職に失敗して行き着いた一縷の光。
「自分が変わる他ない」
*
転職したら一転する。
その通りだとも思うし、
そうでないとも言える。
結局は場所を変えても、
職業を変えても、
自分が変わらなければ、
同じことの繰り返しになる。
自分を変えるために転職をする。
それも一つの正解だとは思う。
でも、僕は転職にすがらない選択をした。
より良いビジョンのために、
今考えられる最短のルート。
今考えられる最良だから、
もちろん可変する可能性はある。
でも僕は居場所を変えるより、
自分を変える努力を選択した。
「仕事を楽しむ」
最近意識するようになって、
前よりも遥かに気持ちが楽になった。
一日の疲労度がまるで違う。
とは言え、突然疲れる時もある。
そんな時は海外移住者の心地良い接客を、
心の師匠と捉えてコンビニへ行く。
メガッパ
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