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外国人店員は心の師匠


仕事を楽しむ。

僕の住んでいる地域には、
海外移住者が多く住んでいる。

コンビニでアルバイトをしていたり、
自分で店を営んでいたり、
違った場所や形式で各々仕事をしている。

ただ彼らに共通して言えることは、
楽しそうに堂々と仕事をしている。

みんなが笑顔で大きな声で働いている。
仕事がまるで遊びの延長かのように、
ウキウキとした姿勢で。

一方少し離れたビル群は日本人ばかりで、
誰も彼もみんな一様に疲れた表情だ。

僕ももちろん例外ではなく、
頓服をポケットに潜ませ、
大きなため息ばかりつく。

自国のはずなのに異国のように、
人見知りで挙動不審、
しきりにオドオドとしている。

先般、転職に失敗した。

失敗とは言ってみたものの、
あまり気にも留めていない。

むしろ光明がさした気さえしている。

と言うのも転職出来なかったことで、
将来のプランを組み立てやすくなったから。

転職をしたらまた1から始まる気がする。
当初は1から始めることに希望を抱いていたが、
将来を踏まえると遠回りだと思えるし、
同じようなプロセスはかえってストレス。

だから良かった。

そして将来のプランを立てる際に、
海外移住者からヒントを得た。

「仕事を楽しむ」

今までの僕は仕事に忙殺されて、
周りが見えずにいた。

ただ必死に、ただ食らいついて、
日々をもがき苦しんで足掻いて、
そして感情を失ってしまった。

この状況を打破したくて、
転職しようと試みただけ。

稚拙な動機。

自分を変えるためには、
居場所を変える他ないと考えていた。

だから転職先の良いところばかりを見つけては、
「この場所だったら自分が変われる」と、
偽りの正解を、或いは現実逃避をしていた。

転職に失敗して行き着いた一縷の光。

「自分が変わる他ない」

転職したら一転する。

その通りだとも思うし、
そうでないとも言える。

結局は場所を変えても、
職業を変えても、
自分が変わらなければ、
同じことの繰り返しになる。

自分を変えるために転職をする。

それも一つの正解だとは思う。

でも、僕は転職にすがらない選択をした。

より良いビジョンのために、
今考えられる最短のルート。

今考えられる最良だから、
もちろん可変する可能性はある。

でも僕は居場所を変えるより、
自分を変える努力を選択した。

「仕事を楽しむ」

最近意識するようになって、
前よりも遥かに気持ちが楽になった。

一日の疲労度がまるで違う。

とは言え、突然疲れる時もある。

そんな時は海外移住者の心地良い接客を、
心の師匠と捉えてコンビニへ行く。

メガッパ

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