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#70 注意・指導は1対1で

【私の仕事術:❻部下の育成】
注意、指導する時は周囲に配慮する

前回の「#68 褒める時は全力で」では、部下の褒め方を紹介しました。

今日はその逆で「注意や指導の仕方」についてです。

部下を育てるには、時に厳しく指導する場面もあります。注意や指導するタイミングややり方も注意しないと、部下が育つどころか、やる気を無くしたり、萎縮して能力を発揮してくれないということにつながります

部下に指導や注意する場合は、どのようにするのがいいのでしょうか?

結論から言いますと、

「周囲に配慮し、極力1対1で行ってください」

なぜ1対1なのか?どのような点に注意しないといけないのか?を説明します。

❶みんなの前で叱責しない

上司だって人間ですから、ちゃんと仕事をしていない、何度注意しても改善されない等、これは流石に酷いだろうとカチンとくると、その場で「お前、いい加減にしろよ!何度同じことを言わせるんだ!」と怒りが爆発しそうになる時もあると思います。

そんな時、20年前ならみんなの前で呼びつけて、怒鳴るというのが当たり前だったと思います。ひどい時はものが飛んでくるなんて事もありましたね。

ただ、令和の時代、それはいけません。

そんな時こそ、上司は深呼吸をして、会議室などに部下を呼び、1対1で話せる状況にしてから注意と指導をしてほしいです。

理由は
・冷静になって話す方が、効果的な指導ができる
・部下のやる気やモチベーションを無駄に削がない

からです。

怒りの感情に任せてする注意や指導は、部下には「とにかく上司が怒ってる」という事が強くインプットされてしまいます。部下にしてみれば「次はとにかく上司に怒られないようにしよう」となり、それはそれで重要なスキルですが、本質的な解決にはならないです。

怒る上司も部下の事を思っての指導のはずなのに、自分の怒りをぶつけてるだけになってしまうのは、とてももったいないです。

そして何より配慮した方がいいのは、みんなの前で叱責すると、注意されている内容よりも、みんなの前で叱責されている事の方に大きなショックをうけてしまいます。場合によっては部下の自信を大きく無くしてしまい、それがきっかけで会社に来なくなるというのもありますから要注意です。


❷ダラダラ言わない

指摘する時は「ここがダメだ」というのを端的に言いましょう

変に取り繕うと、結局何が言いたいのかわからないとなります。また、指導したくなる部下はだいたい指導したいことがたくさんあるものです。

ここぞとばかりに、「お前はだいたい、あれもダメ、これもダメ、ダメダメなところばかりだ!」というのはただの悪口で逆効果です。

せめて2つまでにしてください。

そして指導した事が改善している、改善の兆しが見えたら「この間指摘した件、めちゃくちゃ良くなったね!」と褒めた上で、「今度さ、これを上手にやってくれたら、さらに良くなるんだよね」と次の指導をしてください。

✓ 何がダメだったのか?
✓ なぜダメだったのか?
✓ このままだとどうなるか?

この辺りを伝えれば、部下の心にも残ると思います。


❸次にどうしてほしいかを言う

人を「叱る」というのは、根底には愛情がある行為です。期待するからこそ言いたくなるもので、どうでもいい人には指導や注意するだけ無駄です。

ですから、期待に応えてほしいという願いを込めて、部下には「どうしてほしかったのか」を必ず言いましょう。

例えば、「事態を早期解決する為にも、もう少し早く報告が欲しかった。」とか「今後隠蔽するようなずるいやつになってほしくないから、隠さず話してほしかった。」のように、起きてしまった事への叱責とあわせて、どうしてほしかったのかを言いましょう。

その方が部下にも「悪い事をした」とか「自分の事を思っての指導なんだな」と感じてもらいやすいです。

❹期待している事を伝える

最後は、必ず部下に対して期待している事を伝えて指導や注意は終わりにしましょう。

「将来、このチームのリーダーを任せたいと考えている」とか「どの部署でも活躍する人材になってほしい」とか、また、一年後の理想像も共有していれば、それを目指す為の指導だと言えます。

私も、他部署の若手が上司から怒られて凹んで、自信を失いかけているのを見ると、必ず「そんなに落ち込まないで。怒られるのは嫌だろうけど、期待しているからこその叱責だから。期待していない人には叱っても無駄だと思うから、こんな風に叱ったりしないよ」とフォローをします。

ぜひ、最後は部下に期待している事を伝えてあげてください。

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いかがでしたでしょうか?

上司から注意されたり指導されるのは、部下にしてみれば嫌な事です。上司も嫌です。

ただ、どうでもいい人の事を注意するほど、暇ではないので、今、この時間はいい人材になる為に時間をかけているという気概が部下に伝わるといいですね。

ぜひ、お試しください。

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