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ストーリーに魅了される私たち①

まるで魔法にかかったよう。

穏やかな日常にほんの少しのスパイスを入れることで、世界が広がる。

今までほったらかしていた、おざなりにしていたものが浮かび上がる。

この世にはもしかしたら目に見えない魔法のようなものが、"本当に"存在しているのかもしれない。

人間はストーリーに心を動かされる。

人それぞれ人生という名のストーリーがあり、それは時に誰かを魅了する。

日常に誰かのストーリーという武器を入れることにより、初めての視点が入ったりする。

例えばこんな話。

過去にいじめ、親からの精神的虐待、家庭内暴力、機能不全家庭、うつ病、統合失調症を経験したある一人の女性がいた。

家族のことは口外してはいけない。誰にも頼ってはいけないと教え込まれ、長らくひとりでさまざまな問題を抱える。

子どもの頃、ジグソーパズルやゲームなど、欲しいものは買い与えてくれた母親。その一方で、よく私のことをバカにし、罪悪感を埋め込まれる。生きているのが恥ずかしいくらい、こんな親の元で生まれてきたのが本当に嫌だったそう。

そんな母親も祖父に暴力でねじ伏せられる場面が幾度となくあった。その女性は当時一緒に住んでいたいとこに泣きついた。いとこはずっと背中をさすってくれていた。

でもそんないとこは女性が中2になるときにいなくなる。どこへ行ったのかもわからず、もう15年ほど会っていない。

いとこに会いたいと思う一方で、いつも勉強も運動も音楽もできるいとこと比べられて生きてきたことで、ものすごく強い劣等感が彼女を襲っていた。

学力も模試の順位のみで親に判定され、がんばっていることを褒めてくれることはなかった。親に認められたい。その一心で勉強も音楽もがんばっていたのに、裏切られた気持ちになった。

彼女は環境に左右されやすく、初対面が多い高校生活に入るとどんどん体調を崩していった。そしてある病気がきっかけでうつ病になった。

うつ病のときは病院に行くのも親が行きたくないからと中断され、薬ももらえず、あるとき自らこの世から消えようとした。それも2度。包丁を握るところまでいった。でも勇気がなかった。消えるのも怖かったんだ。

学年が上がり、担任の先生が変わった。その先生は保健室の先生に「うちの子お願いします」と言って、頭を下げてくれた。彼女はうれしくもあり、素直な先生の姿勢に心を打たれた。

「この人には迷惑をかけてはいけない」と思った彼女は、内に秘められた行動力を使い、どんどん未来を変えていった。
保健室登校をしていたのに、授業にも全部出られるようにがんばった。部活でも演奏会の準備に明け暮れ、気付けばうつ病は寛解していた。

部活も終わり、大学受験が近づいてきた。ここでも親からのしんどい関わりが彼女をいじめる。

自分の部屋がなかった彼女は、母親がいつも近くにいるところで勉強をするしかなかった。母親は楽しそうにテレビを大音量で見て、30分に1回は声をかけてきた。勉強に集中したいと何度言ってもおさまらない声掛け。プレッシャーとともに怒りで爆発しそうだった。

このときにも救世主がいたのです。

母親に「毎日先生に勉強を教えてもらうなんて迷惑や」と言われた彼女は泣きまくった。そして、本当に迷惑だと思っているのか直接先生に確かめようと高校に電話した。

結局3時間くらい話を聞いてくれたおかげで回復した。今でも先生には感謝をしているそう。

これが2次試験後期日程の2日前のことだった。

受験は楽しく問題が解け、無事合格。

ここからまた新しいワクワクした生活が始まる。

ここから学べることは、自分を助けてくれる人を見逃さないこと。
相手は何気なく関わってくれているかもしれないけれど、彼女にとっては救いの手を差し伸べてくれた感じがして、その手を取ったのが正解となった。

計り知れないプレッシャーを感じながらも、前に進もうとする姿勢にものすごく強いエネルギーを感じたこと。実は内側に隠し持ってるものがたくさんある。

大学生以降はまた次の機会に。

人生が最高だった大学時代。
苦しい葛藤が待っていた社会人時代。

こうご期待。

しらす

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