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生死の境をさまよった話
※汚い話を含みます。苦手な方はご注意ください。
※食事中の方は読まないことをおすすめします。
かつて生死の境をさまよった事がある。
思い出すだけで身の毛もよだつ凄惨な出来事であるが、今回はそんな経験を書いていく。
2年ほど前の出来事だ。
場所は自宅。時間は昼頃。
便意を催した私は、トイレに駆け込んでいた。
その時の心情としては、安心があった。
と言うのもそれまで3日ほど便秘だったからだ。
ようやく大物が「来る」気配を感じたので、一安心していたというわけだ。
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便座に座り、力む私。
「フンッッッ!!」(糞だけに)
3日分の便がたまっているので、排出するのも一筋縄ではいかない。
お腹に力を込め、硬く大きくなったソレを必死の思いでひねり出す。
ボムッッッ!!!
ようやく便のお出ましだ。
ほっとひと息ついたのも束の間…
痛っ!
痛い。
痛い痛い痛い。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!
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あ痛えええええええええええええっっっっ!!!!
腹部から肛門にかけて、猛烈な痛みが走った。
何と、便が詰まってしまったのだ。肛門に。
「あがっ!おがぁ!ふんぬぬぬぬっ!おっぶぇ!ぐううっ!」
どれだけ力を込めようとも、カチカチになった巨大な塊はびくともしない。
尻穴からほんの数ミリ顔を出しているだけで、それ以上動かないのだ。
そして襲いくる激痛。
こればかりは実際に同様の経験をした人でないと理解は難しいだろう。
たかがうんちが肛門に引っかかってるだけでしょ?と思うかもしれない。
しかし、腸の中で長年成長を続けたそれは、もはやうんちのような生易しい代物ではない。
岩石だ。
巨大な岩石が肛門に詰まっている。
そう言えば少しは事の重大さが伝わるだろうか。
それは便と言うにはあまりにも大きすぎた
大きく ぶ厚く 重く そして大雑把すぎた
それは 正に岩石だった
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気を失いそうになるほどの痛み。
目は血走り、呼吸は荒く、冷や汗が止まらず、涙目になっていた。
これは…どうにかしなければ死ぬ。
まず私は冷静な頭で、文明の利器に頼ることにした。
つまりスマホだ。
同様の状況が起きた際の対処法がないか調べた。
行き着いた先はYahoo!知恵袋。
「至急回答ください!便がお尻に詰まって全く出てきません。とても苦しいです」
まさに今の私にぴったりの質問が見つかった!
一筋の光を見つけた私は、素早く回答欄に目をやる。
「便秘には食物繊維が有効です。普段からキャベツやイモ類を摂るようにしましょう。」
今まさに苦しんでるんだっての!
見当違いも甚だしいわそんなんだからヤフー知恵遅れとか言われるんじゃボケ!
その後も有効な回答は得られなかった。
糞詰まりなど経験したことがある人は少ないのだろう。
その間も常に容赦ない激痛が走っている。
…タイムリミットはおそらく数時間。
それまでに排便できなければ、命に関わる。
焦りと死の恐怖に怯えながら、以下のような対処をした。
①水責め
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ウォシュレットを最大出力にし、わずかに顔を出している便に噴射した。
水分によって便を柔らかくし、一気に放出するという魂胆だ。
しかし、びくともしない。
並みのうんちではないのだ。
カチカチになったそれは、もはや岩石。
焼け石に水ならぬ、焼けグソに水といったところだ。
30分ほどウォシュレットを浴びせ続けたが、ほとんど効果はなかった。
②八つ裂き
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一旦トイレから出た私は、肛門に爆弾を抱えながらあるものを探す。
綿棒だ。
目当てのものを取ると素早くトイレに戻る。
そして肛門から顔を出す巨糞の周囲に綿棒を突き刺す。
硬くなった糞便をボロボロと崩すことで、うんちの土砂崩れを試みたのだ。
しかし、やはりダメだ。
岩石に綿棒では力不足も良いところだ。
綿棒の先が少し茶色くなる程度の効果しかなかった。
③外科手術
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ビニール手袋をつけた私は、肛門に手を伸ばし、直接うんちの摘出を試みた。
しかしこれもダメだ。
ほんの数ミリしか顔を出していない便。
その全貌を摘出するのはとても無理で、せいぜい表面を少しこそぎ落とす程度しかできなかった。
それぞれの策を講じたが、悲しい事にどれも決定打に至らなかった。
徐々に体力も削られ、瀕死の状態になる。
このままでは、苦痛でショック死だ。
部屋に汚臭を撒き散らし、不審に思った近所の人からの通報で発見されるであろう私。
その遺体は死臭と汚物の臭いにまみれていることだろう。
何と情けない死に方か。
残された時間は少ないが、諦めない。
諦めてなるものか。
①〜③の対処法を繰り返し行い、時折渾身の力で力む。
少しずつ。
そのループを繰り返すうちに少しずつ。
前に進む。
私の魂もうんちも、少しずつだが前に進む。
そしてついに、その瞬間(とき)はやってきた。
「うああああああああああ!!!!」
バリバリバリ…
バゴン!!!!!!!!
ほんの少しずつ綻びが生じ、ついに決壊した糞便が勢い良く排出された。
ブチブチブチブチィィッッッ!!!
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切れた。
肛門が切れた音がした。
しかし、そんな痛みはもはやどうでもいい。
ついに成し遂げたのだ。
長い間私を苦しめ、生死の境をさまよわせた特大うんちがついに出た。
ティッシュでお尻を拭くと、やはり大量の血がついていた。
まぁ良い。
勝利の鮮血(?)だ。
トイレに入ってから2時間が経過していた。
長い長い死闘に打ち勝った私は…
心の底から安堵し、微笑みを浮かべた——。
いかがだっただろうか。
この後巨大すぎた便が流れず、トイレが詰まるなど一悶着あったのだが、長くなりすぎたので割愛する。
たかが便秘と侮るなかれ。
時として命に関わるのだ。
これを読んでいる人も、便秘にはくれぐれも注意されたし。
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