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EP.29 価値を評価⁉ 人が成長するオリジナル人事評価制度構築へ!

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いつもお読み頂きありがとうございます。

 9月、10月は当社の人事評価時期にあたります。各メンバー膝をつき合わせた面談により目標設定や評価が決まっていきます。この評価制度の構築にも背景があり、導入から既に10年目を迎えます。当社特有の価値(バリュー)という評価軸をもつ特殊な人事評価制度をなぜ構築したのか、今回はそんなお話です。


◆導入のきっかけは、若手メンバーの不安払拭

 以前、会社の未来を創るために新卒採用を始めた話(EP17)を書きました。そして実際に、会社の変革の為に多くの若手メンバーが参加してくれて、様々な取り組み導入にチャレンジ、社内が活性化されていくのを共に活動していく中で感じていました。

 そんな環境の変化・変革についてこられない古参メンバー、中途入職中堅メンバー達がポロポロと退職していきます。これは、企業の方針や戦略変更、改革を行うと発生するごく自然な現象だと思います。私自身も起こるであろう事象として想定していたため、そこまで大きな問題としては受け止めていませんでした。

 しかしながら、介護の現場スタッフである彼らは、中堅メンバーの退職で一気に現場業務が大変になっていったのです。企業ですので、売上や利益はしっかりと確保してビジネスしていかないといけません。会社の将来やビジョンの達成を除けば、日々の活動として現場を支えていたのはこの中堅メンバーであったのです。介護未経験、無資格で飛び込んできた彼らは思いややる気は高くても、圧倒的に現場業務のスキルが足りていなかったのです。

「社長や日下部さんの想いに応えるつもりでやっているけど、このままでは、どうなっていくんだろう・・・😟」

「ちゃんと自分たちのことを考えてくれているのだろうか・・・😢」

「頑張った先に、何が待っているのだろう・・・😧」

「本当に信じてついて行って大丈夫なのか?😖」

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 不安が、不満を呼び、些細なミスが不信感につながり、私たちとの直のコミュニケーションの薄いメンバーが一人、二人と退職し始めたのです。

 この事態に対して、彼らと会社の未来を創ると決めたのに、不安状態を解消できていないことに気が付き、きちんと公平な人事評価制度を導入することに決めました!

◆オリジナル人事評価制度構築へ

 それまで(2011年頃)の当社の評価は、従業員数も少なかったこともありほとんどが社長の一存で決まる中小企業あるある状態です。社長に対するアピールがうまいメンバーが優遇される状態が続いていました。
 私自身も直接社長と接点があるので、それでよしとしていたところがあることは否めません。

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 ただ、お恥ずかしい話ですが、現場で実績を出して社長とのコミュニケーションが良好な店長を、社員総会で表彰したあと、この店長の管轄メンバーから次々と退職意向が出てきたことがあります・・・。
 理由を聴くと「あんな人が表彰されて優遇される会社では働けません!!」この言葉はなかなかのインパクトでした。上司アピールは上手いものの現場のマネジメントは雑で、部下支持率が極めて低いことがあとで判明しました。

 これらの経験や私が現場で動いて感じていたことを全て解決する人事評価制度が必要、そう思い、いろいろと構想を練ることにしました。

 過去に何度か、人事評価制度の導入のトライアルをしたことがあったのですがしっくりこず、頓挫していました。他社で成功している人事評価制度をそのまま導入提案頂く機会が多かったのですが、介護スタッフの評価を行うにはマッチするイメージができなかった為です。
 形だけの評価制度になんの意味があるのか・・・、そしてこの人事制度導入をコンサル会社に依頼すると、数百万の見積もりが上がってきます。営業時の提案ではいろいろな効果や成果があることの説明を受けますが、果たして本当か信じ切れず、最終的に自分で設計することにしたのです。

◆私の想いを形にしてくれたサポート企業

 とは言え、流石にゼロイチをやるわけにもいかず私の構想や設計から一緒に構築支援をしてくれる人を探しました。そこで、ES向上を主軸に人事労務サポートに絶大なる実績と定評がある『有限会社人事・労務』さんにお願いすることにしました。

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 人事・労務の社会保険労務士 畑中先生とは、この人事評価制度構築がきっかけで当社の顧問もお願いして早10年。最新の人事労務情報から働き方、組織変革など毎月楽しいディスカッションをさせて頂いております。人の成長や価値を基軸に話ができる数少ないパートナーメンバーです。
 因みに、最近は人事・労務社では地域でお米や野菜をつくり、カフェをオープンさせて販売するなどビジネスだけでない様々な人との社会的つながりの場を実践されている注目の会社です。

 余談ですが、そんなご縁もあり、矢萩代表がMCをされている地域ラジオ出演させて頂きました。

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【しまうまラジオの由来】「ゼブラ(しまうま)企業」はご存知でしょうか。時価総額10億円ドル以上の未上場企業と定義されるユニコーン企業に対して、「サステナビリティ」を重視し、「共存性」や「社会貢献」に価値を置く企業のことです。「企業利益」と「社会貢献」という相反する2つを両立することからしまうまと言われています。ただの奉仕でもなく、利益追求だけでもなく、働くことや会社そのもの、また組織において働くとは何か、そのようなことを楽しく深く考えていく時間に・・・。観て聴いていただいた方が少しでも、「明日からもまたお仕事頑張ろう!」「自分の地域が好きになった!もっと知ってみたくなった!」「こんな働きかたがあるんだ。面白そう!」と思ってもらえるような時間になれば幸いです。


◆ポイントは価値的活動の評価

 さて、本題に戻ります。介護や福祉に関わる多くの方は、目の前の困っている人の助けになりたくてこの仕事を選びます。私も介護未経験で現場から始めたのでそのやりがいの高さは十分理解しています。そして、各サービス事業を立ち上げて人材採用、教育、マネジメントの中でも強く実感したところです。
 しかし、一般的な人事評価制度には「業績」という売上や利益の結果を評価する軸、「能力」という個人の保有能力としての発揮スキルを評価する軸の2つで構成されているのです。この軸だけで介護従事者を評価すると、

「利用者をたくさん集めろ、たくさん集めた人を評価する!」

 と言うメッセージになります。企業における人事評価とは、企業そのものが大事にしているものが反映されますので考え方や方針が如実に表れます。先に記述した「あんな人が表彰されて優遇される会社では働けません!!」となるのです・・・。

 ここにミスマッチが発生します。もちろん企業経営を考えるに「業績」はとても重要な指標です。これを蔑ろにできないのは言うまでもありません。しかし、目の前の困っている人を助けたい、この人に今は多くの時間を割きたい、この想いが本来《経営理念》の実現行動だと考えています。

 そこで、「業績」「能力(行動)」に加え「価値(バリュー)」と言う第3の軸を評価に加えることにしました。それも、評価点数は「業績」と同じ配分点数で!価値は、業績とおなじくらい大事だと言うメッセージです。業績だけ一生懸命で、価値を蔑ろにする人は、半分の評価しかつきません。

●お客様の自立支援に向けて
●お客様の想いを叶える取組
●みんなの手本となる現場改善
●新しいサービスの導入 
●企業価値が高まる取組 等など

 経営理念に実現につながる活動をプロセス評価としたのです。ですので、結果は二の次。取組が周囲のメンバーに見える形で一生懸命行うと、高得点がとれる内容になっています。

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 この話をし、何度も打合せを重ねた畑中先生からは「チャレンジな制度にしますね~、他社では見たことないです。」と今後の展開に期待を頂きました。

 このバリュー評価については、半期ごとの活動を社内コンテストとして審査して優秀な取り組みを表彰し、事例として情報を共有する仕組みとして整備しました。

 毎年、普段は名前を聞かないメンバーが、目立ちみんなのお手本になるような取組をしていることが、テーブルに上がってくるので本当に面白いし、嬉しく感じています。

 この人事評価制度では、誰が何をどのように行うと、どんな評価結果になるのかが一目瞭然わかる形となり、自身の次のキャリアステップや、強み、弱み、超えるべき課題などが明らかになっていきます。また、半期評価の間に中間面談を設けているので、3カ月毎に上司、部下でじっくり課題に向き合う時間が取れる為、結果に対して納得感があるものになっています。

 気づけは、過去最高長文になってしました。お付き合い頂いた方に御礼申し上げます。導入よりも運用が難しいことなど、まだまだ書ききれないので、また別の機会に掲載したいと思います。

 弊社の人事評価制度に興味がある方は、お問い合わせください。構築、導入、定着支援などいろいろできることがあります!!ご希望の方は、noteを読んだことを問い合わせ欄に記載頂くと話がスムーズに進みます。
  お問い合わせは こちら からお願いします。

さて、今回のエピソードからどんなことに気が付きましたでしょうか?
その気づきを今から行動に移すことができれば、明日は変わります!!


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