本とカヌレ
半年程前、この状況下でなかなか会うに会えない友人が、1冊の本をそっと郵便受けに入れてくれた。
それは、今は亡きギャラリーワッツのオーナー川崎淳与さんのご著書「80代の今が最高と言える」である。
この素敵な先人の姿勢から、何か一つでも自分の日々の生活に取り入れたいと思い実践していることがある。
共感する中の一つ「仕事がある日もない日も、自宅でのんびりしている際も、お友達から誘われたら、そのまま出かけられるような装いをしている」という姿勢に賛同。
それまでのゆるっとしたヨレヨレした服は、殆ど手放した。
私の場合、ジュエリーを制作する時に火を扱うので、それさえ問題がなければ何を着ても良し。
料理中に汚れたりしないかしら?と案ずることもあるが、それは少し配慮すれば良いだけで、おかまなしにどんどん着る。
最近新しく加わったお気に入りのワンピースはまだ眺めて楽しんでいるが、決しておめかしと言う程ではなくとも、朝起きてその日の気分と空気を読んでの服選びはとても楽しい。
ちょっと失敗だったかな?と思う日もあるが、どうしたら良かったか?など考えるのもまた楽しい。
生活動線上に、時折この表紙の黄色が目に入ると、友人の心優しい気遣いを温かく思い返し、本と同封してくれた可愛いらしいカヌレの風味まで蘇る。
誰に会うでもなく、どこに行くでもないが、それ以来お陰様で気持ちの良い日々を過ごせている。
ファッションは自分の一部であり、一番外側の部分である。内面と共にその感性も磨き続けたい。
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