だい@品質管理/品質保証のDX

製造業で品質管理/品質保証の仕事をしている会社員です。 品質管理/品質保証は他の業務に…

だい@品質管理/品質保証のDX

製造業で品質管理/品質保証の仕事をしている会社員です。 品質管理/品質保証は他の業務に比べてDXの情報が少ないので、私の経験を含めてこの分野の情報を発信します。

マガジン

最近の記事

JIS Q 9001 8.運用 前編(8.1項~8.3項)

JIS Q 9001の8章の前編(8.1~8.3項)解説です。 8.運用8章はQMSのPDCAサイクルのD(Do:実行)の要求事項が記載されています。本項の要求事項が日々の業務で最も密接に関係します。その意味で、本章はQMS 8.1 運用の計画及び管理本章では製品・サービスに関する要求事項を満たし、「6. 計画」で作成した品質目標を実施するために必要なプロセスを下記の1~3を含めて計画することを要求しています。([]は関連の項目) 製品・サービスに関する要求事項の明確化

    • JIS Q 9001 7.支援

      JIS Q 9001の7章の解説です。 7.支援QMSを運用するためには、それを運用するための基盤の整備が必要である。 本章では、その必要不可欠な基盤について規定しています。 7.1 資源本項ではQMSの構築、運用、管理に必要な資源を規定しています。 7.1.1 一般 QMSの確立、実施、維持、継続的改善に必要な会社の内部、外部の資源を明確して、使えるようにしておくことを要求しています。 7.1.2 人々 本項ではQMSを効果的に実施するために必要な人々を明確にし

      • JIS Q 9001 6.計画

        JIS Q 9001の6章の解説です。 6.計画本章は、QMSの中核的な考え方であるPDCAのP(Plan:計画)についての要求が記載されています。 6.1 リスク及び機会への取り組みQMSに関して計画は、準備なしで作成すると会社の状況に合わない計画になってしまう可能性がある。これを防ぐためには4章で会社の状況を確認したうえで、計画を立てる必要があります。 6.1.1 本項では下記項目を達成するためのリスクと機会を決定する手順を説明している。 QMSが意図した結果を

        • JIS Q 9001 5.リーダーシップ

          JIS Q 9001の5章の解説です。 5.リーダーシップQMSでは、その要求を文書化しても効果的に運用されないという問題が度々発生します。5章では、QMSを形骸化させずに、効果的に運用するためにトップマネジメント(社長などの経営の責任者)が実施すべきことを要求しています。 5.1 リーダーシップおよびコミットメント5.1.1 一般 本項ではトップマネジメントがQMSに関してすべき事が列挙されています。 a)QMSの有効性に責任を負う。 b)QMSに関する品質方針、品

        マガジン

        • 業務改善
          0本
        • JIS Q 9001(ISO 9001)
          7本
        • 品質管理(QMS)
          4本

        記事

          JIS Q 9001 4.組織の状況

          JIS Q 9001の4章の解説です。 4.組織の状況4章では4.1~4.3項まで、QMSの適用範囲を決めるまでに必要な要求をしています。4.4項では適用範囲を決めた上で、プロセスとプロセス間の相互作用を含んだQMSの確率、実施、維持、継続的な改善を要求しています。 4.1 組織およびおその状況の理解この項では、あなたの会社の目標や方向性に関連する内部(社内)と外部(社外)の課題を明確にすることを要求しています。 そして、これらの課題を監視し、定期的(例えば、毎月)にレビ

          JIS Q 9001 0.序文

          JIS Q 9001はISO 9001の技術的な内容は構成を変更せずに作成された日本語の規格です。 序文ではJIS Q 9001の全体構成や意義を説明しています。 この記事ではJIS Q 9001のポイントをまとめています。 0.1 一般品質マネジメントシステム(以下、QMS)を取り入れることで、事業のパフォーマンスの改善と継続的な発展の基盤を手に入れることができるとの説明がある。 その理由は、QMSを実践することで下記が得られる可能性があるからです。 顧客および法令・

          品質管理するためのシステムとは?

          品質管理とDXJIS Q 9001などの品質管理システム(QMS)をDXで業務効率化するためには文書管理とワークフローの機能を持ったシステムを導入することをおすすめします。 文書管理機能 品質管理の中でも最も重要な項目の一つとして、文書管理があります。 品質管理では、ルールを文書化することが必要です。 この文書は定期的な見直し(改訂)を行うことになるので、現在有効な版(バージョン)の管理も必要となります。 版の管理ができていなければ、古いルールに従って仕事をしてしまう

          品質管理するためのシステムとは?

          品質管理業務をDX化するための考え方

          なぜ品質管理のソフトウェアはないのか品質管理システム(以下、QMS)を管理するためのソフトウェアは、一部の業務だけなら見つかりますが、QMSの業務を全て網羅するソフトウェアは見つかりません。 (検査やSPC(統計的工程管理)に特化すれば、いくつかありますが。) その理由は、品質管理は業種や企業毎にソフトウェアに求める仕様が大きく変わるため、どの企業でも使えるソフトウェアの開発が難しいからではないでしょうか? 例えば、会計のように、どの企業でもある程度同じことを管理する業

          品質管理業務をDX化するための考え方

          なぜ品質管理システム(QMS)は必要なのか?

          品質管理システム(QMS)がムダという誤解JIS Q 9001を始めとする品質管理システム(以下、QMS)は「意味がない」「ムダ」という言葉をよく聞きます。 それは誤解だと断言できます。 ムダなことなら、これほど世の中に広がるわけがありません。 ただし、QMSがうまく機能していない場合は、ムダな仕事となる可能性があります。 例えば、JIS Q 9001を維持する目的だけのために、マニュアルを作って各種の文書を作成するだけで、事業の改善に生かされなければムダになります。

          なぜ品質管理システム(QMS)は必要なのか?

          品質管理システム(JIS Q 9001)とはなにか?

          品質管理の業務に携わっていないと品質管理システムってなに? それって、必要なのと思う人も多いと思います。 今回は、品質管理システムとは何かについて簡単にお話したいと思います。 品質管理システムとは品質管理システムは、製品やサービスが一定の基準や要求を満たすようにするための方法や手順をまとめたものです。製品やサービスが、いつも同じ良い品質であることを保証するためのシステムです。 人が変わっても一定基準を満たす製品やサービスを提供し続けるために必要な考え方です。 例えば、凄

          品質管理システム(JIS Q 9001)とはなにか?

          なぜ、品質管理/品質保証の仕事は大変なのか?

          「製造業の品質管理/品質保証の仕事は大変なのか?」というテーマでお話します。 その理由を5つ紹介します。 人手不足まず、製造業の品質管理/品質保証は人手不足になりやすいことが挙げられます。 「2022年版ものづくり白書」によると製造業の労働人口は約20年間で157万人も減少しています。 品質管理/品質保証部門は、直接利益を生み出す部門でないため企業側が十分な人数を配置することは少ないと感じます。 ストレスな業務内容まず思い浮かぶのが、顧客からクレーム対応ではないでしょ

          なぜ、品質管理/品質保証の仕事は大変なのか?

          自己紹介

          はじめまして。 だいです。私は、某メーカーで品質管理/品質保証の仕事を約10年している会社員です。 noteでは、今までの経験を生かして品質管理/品質保証で苦労している人の役に立つ情報を発信していきます。 業務経験品質管理や品質保証にかかわる業務は一通りの経験はあると思います。今まで経験したことがある業務はこちらです。 社内対応 社内の品質マネジメントシステム(QMS)の維持/改善/管理 品質保証体制の維持/改善/管理 顧客の品質要求の社内への適用 内部監査の