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JIS Q 9001 4.組織の状況

JIS Q 9001の4章の解説です。


4.組織の状況

4章では4.1~4.3項まで、QMSの適用範囲を決めるまでに必要な要求をしています。4.4項では適用範囲を決めた上で、プロセスとプロセス間の相互作用を含んだQMSの確率、実施、維持、継続的な改善を要求しています。

4.1 組織およびおその状況の理解

この項では、あなたの会社の目標や方向性に関連する内部(社内)と外部(社外)の課題を明確にすることを要求しています。
そして、これらの課題を監視し、定期的(例えば、毎月)にレビューすることで、常に状況を把握することができるようになります。

会社の目標は、会社の社是、ビジョンがそれに当たる。目標をより具体的するため中期経営計画、年次計画などを作成して、これに対する内部と外部の課題を明確にするとよい。
例えば、内部の課題は人材育成、組織体制、技術力など、外部の課題は市場環境、関連法令の制定・変更、同業他社の動向などがある。これらを課題としてリストし定期的なレビューを行う必要がある。

4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解

この項では、QMSに密接に関連する利害関係者を明確にします。さらに明確にした利害関係者の要求事項も明確にします。
そして、これらの要求事項も定期的にレビューすることが要求されています。

例えば、利害関係者は、顧客、規制当局、供給元、従業員、株主、周辺住民などが含まれます。
これらの利害関係者の要求事項、例えば顧客から要求される品質要求やQMS、各種法法規制、雇用契約、公害対策などがあります。

要求事項の定期的なレビューは、例えば、顧客からのフィードバック(顧客満足度の定期的なヒアリングなど)がある。

4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定

この項では、
・4.1項で規定した外部と内部の課題
・4.2項で規定した利害関係者の要求事項
・あなたの会社の製品およびサービス
この3つからあなたの会社に必要なQMS(JIS Q 9001で適用する項目)を決定し、文書化することになります。
適用範囲は、適用が必要な項目は全て適用する必要があります。恣意的に適用範囲から除外することはできません。

4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス

4.4.1

4.1~4.3項でQMS(JIS Q 9001)の適用範囲を決定しました。
適用範囲の要求事項のプロセスと、プロセス間の相互作用を含んだQMSの確立、実施、維持、継続的改善を要求しており、次の項目を実施することになります。
これらは、5章以降の要求とも密接に関係しています。([]内が関連する項)

a)プロセスのインプットとアウトプットの明確化
b)プロセスの順序と相互作用の明確化
c)プロセスの運用及び管理をするための判断基準と方法の決定と適用。
d)プロセスに必要な資源の明確化と運用 [7項、8項]
e)プロセスの責任と権限(部門、担当)の割当 [5項]
f)リスクと機会への取組み[6項]
g)プロセスの評価と変更[8,9項]
h)プロセス及びQMSの改善[10項]

4.4.2

この項では下記の2点が要求されています。
①プロセスを運用するために必要な程度の文書化
②プロセスが実施されたことを示す文書化された情報の保持

まとめ

4章の組織の状況では、QMSの適用範囲を決定し、QMSを構築することを要求しています。具体的な進め方に関する要求は5章以降で要求されます。

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