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なぜ、品質管理/品質保証の仕事は大変なのか?


「製造業の品質管理/品質保証の仕事は大変なのか?」というテーマでお話します。
その理由を5つ紹介します。

人手不足

まず、製造業の品質管理/品質保証は人手不足になりやすいことが挙げられます。
2022年版ものづくり白書」によると製造業の労働人口は約20年間で157万人も減少しています。

品質管理/品質保証部門は、直接利益を生み出す部門でないため企業側が十分な人数を配置することは少ないと感じます。

ストレスな業務内容

まず思い浮かぶのが、顧客からクレーム対応ではないでしょうか?精神的なストレスが大きな業務の一つです。顧客の要望を現場に伝えて実施してもらうと、現場から苦情が上がったりして、顧客と現場の板挟みとなることも多いです。

さらに、サプライヤーの管理などの調整業務もあり業務があり、品質管理/品質保証するために多くの書類の処理・管理など業務内容は大変です。

大量の業務

単純に業務量が多いです。
例えば、一般的な品質管理システムである「JIS Q 9001」に適合させるための業務でも大量にあります。初品管理、不適合品管理、変更管理、検査、モニタリングなど多く事柄を管理しなければなりません。
それに加え、自動車産業向けでは、品質管理システムの標準は「IATF 16949」の追加要求があります。
それに加え、顧客によってはオリジナルの品質管理の要求してきます。
これらを、維持、管理するだけでも大変な労力が必要となります。

DX化の遅れ

例えば、経費精算、会計管理、勤怠管理、生産管理など、どの会社でも決まった手順の業務は、それに対応するパッケージソフトやサービスも多く存在しており、比較的安価で容易に導入することができます。
しかし、製造業の品質管理・品質保証は、顧客毎に要求が違うため、市販のパッケージソフトやサービスでは使いにくい。
また、顧客の要求も頻繁に要求が変更されるため、フルスクラッチ(ゼロからシステムを作る)でも、頻繁に仕様変更が必要となり費用対効果が小さくなりがちである。

これらの理由から、品質管理・品質保証の業務はDXや業務効率化ができていない会社が多いと思います。

品質管理要求の増加

近年、日本の製造業で不正やデータ改ざんがニュースで報道され騒ぎになることがあります。
例えば、自動車メーカーの燃費の改ざん、製鋼メーカーの成績書の改ざんなどがあります。

大きな品質に関する事件が起こるたびに、顧客からの品質管理要求が厳しくなり、管理することが増え、業務がどんどん増えていきます。


まとめ

品質管理/品質保証の業務が大変な理由を説明しました。
これらの業務を少しでも楽にするためには、正しい品質管理/品質保証体制を構築するしかありません。その上でDXによる効率化を実施することで、ムダな業務を削減することが可能となります。

次回以降、品質管理/品質保証およびそのDX化について解説していきます。

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