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JIS Q 9001 0.序文

JIS Q 9001はISO 9001の技術的な内容は構成を変更せずに作成された日本語の規格です。

序文ではJIS Q 9001の全体構成や意義を説明しています。
この記事ではJIS Q 9001のポイントをまとめています。


0.1 一般

品質マネジメントシステム(以下、QMS)を取り入れることで、事業のパフォーマンスの改善と継続的な発展の基盤を手に入れることができるとの説明がある。
その理由は、QMSを実践することで下記が得られる可能性があるからです。

  • 顧客および法令・規制の要求を満たした製品、サービスを継続的な提供

  • 顧客満足度の向上

  • 組織(会社など)の状況や目標に関するリスクと機会への取り組み

  • QMSへの適合の実証

なぜ、QMSを実践すると上記が得られるのか。
JIS Q 9001はPlan-Do-Check-Act(PDCA)サイクルに基づく考え方を組み込んだプロセスアプローチだからです。

日々変化する事業環境に対応するためにPDCAサイクルによって、リスクと機会に取り組み、事業の継続的な発展が可能となります。

0.2 品質マネジメントの原則

品質マネジメントの原則は、次の項目です。

  • 顧客重視

  • リーダーシップ

  • 人々の積極的参加

  • プロセスアプローチ

  • 改善

  • 客観的事実に基づく意思決定

  • 関係性管理

JIS Q 9001の本文でこれらを満たすための具体的要求がされています。

0.3 プロセスアプローチ

0.3.1 一般

プロセスアプローチとは、組織(会社)が目標を達成するために体系化したプロセスを実施していくことです。PDCAサイクルを用いることでプロセスアプローチを実施することができます。

1つのプロセスは、前工程からの「インプット」、自工程の「プロセス」、後工程への「アウトプット」という形となります。これが連続的に続くことで、全体のプロセスとなります。

0.3.2 PDCAサイクル

PDCAサイクルは個別のプロセスに適用することも、QMS全体に適用することもできる。
下図はJIS Q 9001の4~10章の要求とPDCAサイクルの関係を示したものです。

JIS Q 9001の要求のPDCAサイクル

JIS Q 9001の全体像を把握する上では重要な図です。各章の要求がどのように関係しているかの理解の助けになりますので、この図は何度も確認することをおすすめします。

0.3.3 リスクに基づく考え方

リスクとは、構築したプロセスやQMSから、計画した結果と違う結果を引き起こす要因のことです。例えば、「顧客でクレームが発生する」、「納期通りに製品が生産できない」などです。
リスクへの取り組みを計画して実施することで、好ましくない状況を防止することができます。
機会は、よい結果を得られることです。例えば、「顧客の信頼を得て注文が増える」、「ムダを削減して生産性向上により利益が増える」などです。

0.4 他のマネジメントシステム規格との関係

JIS Q 9001は2つの関連規格がある。

JIS Q 9000 品質マネジメントシステムー基本及び用語
JIS Q 9001を理解するための予備知識が記載されている。用語の意味もこちらの規格で確認できます。

JIS Q 9004 組織の継続的成功のための運営管理-品質マネージメントアプローチ
JIS Q 9001をより深く理解するための内容が含まれています。


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