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努力はみをむすばない|ブランディングと商売

Voicy No.0305 2023年4月26日放送 
本文を音声で聴きたい方はこちらから!


子どもの頃に身につけた価値観は、どのようにビジネスや人間関係に影響を与えるでしょうか。


どんな価値観で生きてきた


今日は「努力は実をむすばない」という話です。

前提を先に抑えてから、言いたいことに入らせてください。

俺たちの持っている価値観とか物事の解釈は、幼少期に親から言われたこと、小学校・中学校あたりの成長期・思春期で感じる世の中の見方が元になっています。

自分で世界中旅行したり都会に出られるたり、恋をしたりは、中学校途中ぐらいまでは、できません。

恋愛はしていても「かわいいな」ぐらいで、お互いの個性を発揮し合って人生を彩ったり人生の選択を一緒にするわけじゃない。一緒に帰ったり、部活が終わってからマクドナルドで一緒にハンバーガーを食べるぐらいですよね。

なので、自分たちが持つ物事の価値基準・世界観は、親の影響と集団生活を強制的にさせられている学校の影響が、ものすごく大きいんだよね。

俺は、世の中の教育が間違っているというテーマで話したいのではなくて。

着々と積み上げていく漢字の書き取り、単語を繰り返し書いて頭にたたき込むとかやってきているし、しかも人と違ったらダメ。
髪型検査もするし、みんな仲良くということです。

商売の価値観は真逆の要素が必要で、全員が長髪にしてトレッドにして、自分のスタイルを打ち出すことで「これが好き」というファンをつくることじゃないですか。

他人を出し抜く。
他と違うことをやる。
他の人とタイミングを合わせない。

先行者優位をとるか、後発で残った市場をかっさらうか。
みんなでやるタイミングで一斉にやったらダメなのです。

学校の合唱コンクールでは、みんなが歌い出したら歌い出さなければいけない。

けれども商売にたとえるなら、ステージに上がって一人で勝手に伴奏が始まる前に歌い出すことでファンを得るか、全員が終わって表彰式が始まるときに、おもむろにステージに上がって一人で歌わなければいけない。

「おまえ何をやっているんだ」とか「あいつ余計なことをやってるな」とか「タイミング合ってない」と言われても、商売の場合はそれがいいわけです。


「売る側の努力を認めてくれ」は違う


YouTube、Twitter、Facebook、TikTok、インスタとかで流れてきて、本も売っているビジネスでは常識的だと言われている商売観とかビジネスに関する話は、めちゃくちゃ自分ドラマが中心なんだよね。

売る側に特性ややりたいことがあって、それを「丁寧にやって、努力していることが先にあるのが大事」と言っているものが結構多いのです。

でも、そんなことで商売が成立するかしないかは、どうでもいい。

商売って、対象となる消費者やファン候補の人の何かを満たすから財布が空いくわけで、お金が出てくる瞬間をどうつくるかにかかっているわけです。

対象となるお客様やファンが興味や高揚感を持ってくれたときに、欲求を満たすからと財布を開いてお金を出していただく瞬間に向けて、提供できるものを用意できるかどうかです。

努力に基づいたものか、思いつきに基づいたもの、生き様がかかっているかどうかは、消費者には正直あまり関係ない。

なので「着目する点」を間違ったらいけません。

努力したとしても、対象となる自分のビジネス、ブランドの顧客になっていただきたい方、ファンになっていただきたい方が欲することをやろうとするのであれば意味があります。

でも、そうじゃない努力をしたって実をむすばないのに、真面目なんですよね。

もちろん真面目に取り組むことによって、消費者やファンになっていただきたい方が認めてくれるのではないかと思うのは、いいことです。

ただ、真面目に取り組んでいることに執着して「なんでわかってくれないんだ」と思うことが、ちょっとズレているんです。

「努力を認めてくれ」というのはアマチュアですよね。


需要に向かっているか


ファンの方が、本当に関係を持ち続けたくなることは何か。
ファンの方が、ずっと愛着や誇りを持っていただけるように、わがブランドが商売をするにはどうしたいいか。

それを考えた結果、それをやるために努力が必要ならする。

努力したからいいというものではありません。
努力しなくても、満たせるなら満たしたらいいということです。

でも、日本人はどうしても地道にとか何々道が好き。
何々道の「道」の先が、消費者やファンの方の欲求や需要に向かっていればいいのです。

FacebookとかTwitter、インスタでは、売る側が自分ドラマを需要に関係なく押し出して苦しんでいます。

つまり「売れない」ということです。

消費者が求めていること


最初は事業を成り立たせるために、全く思い入れがなくても、これをやってお客様に買っていただいて、そこで元となるお金をつくって、自分の本当にやろうと思っていることをお客様に提供していくという順番でいいと思っているのね。

それか、出だしから自分のやりたいことに執着するほうが、いい的なこともある。
売れてないなら、ここにこだわらなければいいのです。

子どもの頃に教育された「努力して努力して、地道に丁寧にやっていけば、お天道様は見ているからいつか……」みたいな感じでビジネスで取り組んで、全然売れなくてきつい思いをする人が、結構いるんじゃないでしょうか。

でも、見るべきところはそこじゃなくて。

自分が努力している、していない、努力の実をむすぶことではなくて、お財布を開く瞬間は100:0で、消費者とファン対象となる方にしか、意思決定の比率がないのです。

結局、お客さんが喜んでお金を払っていただけることを準備したほうがいい。
そこに苦労や努力があったかは二の次です。

売手に満たされて、消費者やファンの方が買ってくれた後、どうやってつくったのかな?と初めて興味を持ってもらえるのです。

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Profile・・・久々野智 小哲津(くくのち こてつ)
ブランドプロデューサー/事業家
ブランドや企業の魅力を高め世の中に届ける仕事。海外企業日本進出、IT事業、エンタメなど合計7社を経営。それ以外にも、国内の人・物・企業・番組・タレント・テレビCM・広告•ブランドのクリエイティブなど130のプロジェクトを担当。現在も、多種多用な業界の15社前後の上場企業や業界トップ企業のブランド顧問・アドバイザー・プロデューサーなどを務める。

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上の文章はVoicy放送をさかのぼり文章化したものです。
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