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あなたの英語はネイティブ何歳レベル? vol.16<イギリス小学校のアセンブリ>

辞書を引いてみても

assembly 集会, 会合, 会議, (小学校などの)朝礼

ってありますし、私もずっとそうだと思っていたのですが、イギリスに来て現地の学校に子供を通わせるようになると、なんだかときどきこの「アセンブリ」とかいうものが定期的にあることに気づきました。

Year 5 class assembly

などと、クラスの前に学年名が入ったものが各学年分、年に数回あり

Parents are invited

と、毎回書かれています。いまでこそ「あぁ、アレね。またなんか発表するのか」と推測できますが、初めて案内を見たときは議題もいっさい書かれていませんし、「集会・・あの、校長先生とかが長々演説とかするやつだよね?それともなんかの話し合い?テーマはなに?!」と戦々恐々としていたのですが、行ってみると子供たちによるなんらかの発表会でした。

幼稚園や低学年ほど歌を交えたお遊戯っぽいですが、扱うテーマは「勤勉さ」などなかなかシリアスな内容で、単に子供たちが「小さくてほほ笑ましい」、だけではありません。

アセンブリってどんなことするの?

わが子が小4(Year 5)時には、2月4日にそのクラス・アセンブリがありましたが、その日はそう、ローザ・パークスの日(関連記事)。

当日見に行ってみると、この年は演劇ではなくクイズ形式の発表で、テーマは「黒人の著名人」。パークスさんのことだけでなくほかの歴代有名人についても、小4生徒たちがナゾナゾのようにヒントを出し、観客としているほかの学年の全校生徒たちから回答を募る、というこれまでにない形式でした。

質問の仕方も壇上からではなく、観客席側から突如スクッと立ち上がって登場するなど、想定外の演出でした。なにか台詞を言うときも、ただ一律に全員が前に並んでするのではなく、あるときは単独で左側から、次は右手から別の生徒が歩きながら、さらにはスライド写真のスクリーンをバックに、BGMを流しながら特大カードを掲げて現れるなど、ワンパターンにならないよう先生の采配が奮っていました。

題材となった著名人たちには、マーチン・ルーサー・キング牧師、歌手のマイケル・ジャクソン、ボクサーのモハメッド・アリなどがいました。普段は子供たちだけがこういったクイズに参加するものですが、難易度が高い質問もあり、「これは・・子供たち、わかるのかな?」と心配しましたが、この日は先生(全学年の先生たちも、毎回観客としている)たちも解答で参加、さらには親まで回答するなど、観客巻き込み方の新パターンでした。

ローザ・パークスについては、この時期に習ったばかりだと思われる、小3の生徒たちからの挙手が案の定多かったです。ちなみにわが子は、“サッカーの神様”ことブラジルのペレ選手についてクイズを披露する担当でした。

2月は詩の朗読会シーズン

ということで、アセンブリとはこのように発表会のような意味合いもあるわけですが、ほかに似たような場面での使い方としては、やはり学年ごとにある詩の朗読会があります。

高尚度(質、レベル)の違いなのか“Infant”というくくりの、幼稚園から小1(Reception+ Year 1 and 2)までがする朗読会のことは

poetry assembly

というのですが、それ以降の学年の“Junior”世代には

verse speaking competition

という言い方が使われます。辞書によりますと、

verse (特定の格調をもった)詩の 1 行,詩句

とあるので、やはりこの格調という部分がキーなんでしょうかね。よりハイレベルであることを示しているのではないでしょうか。このジュニア世代についてはさらに細分化されており、低学年の小2、小3(Year 3&4)のことは

early junior

というくくりになります。小4になってようやく“ただのジュニア(Junior)”になりますが、当然その分課される詩の行数も増えます。朗読時の感情表現なども評価対象になり、各学年選抜方式で行われ、最後には夜から始まる決勝戦まであります。

セリフ覚えが大変!ほかの演劇とダブルパンチ

盛り上げ役のサクラとして?一般の朗読会で選出されなかった生徒たちも行かなければならないので、毎年その日は下校後家で宿題(こんな日でも容赦なく出る・・)をさせ、夕飯も食べさせてからまた学校に送り届け、親もそのまま鑑賞して20時過ぎにようやく帰宅と・・

決勝進出していない生徒とその親にとっては、なかなかに・・大変・・?!

しかも決勝者を決めるための、子供たち全員が朗読する会にも親が見に行かなければなりません。こうして毎年、年度末にまずは詩を選ぶところから始まり(×2人分、親が探す・・)、年をまたいで家で練習させ(×2人分)るのですが、同時期に別の演劇発表会まであるんです😵‍💫

例えば去年は下の子の学年が『ピーターパン』で、やれ歌を覚えるための音源をネットで探してあげたり、「新しい試みです!」という案内が来たと思ったら、今年から役を決めるためにオーディションを設けるので、それ用の台詞を練習せよとお達しがあり、さらなる(親の⁈)負担が・・。

こうして詩の朗読決勝大会まで延々と続く親がらみの行事、はじめは私も必死でまともに取り組んでいましたが、子供たちも語学的にだいぶ慣れてきたのもあり、覚える速度が早くなってきたのでそこは助かっています。

毎回「あぁ、またこの季節か・・」と若干憂鬱になりますが、「さすがは文学の国、すばらしい教育課程だわ✨」と自分に言い聞かせながら・・今年も乗り切ることにします。


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