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リアル生イギリス英語vol. 8<世界本の日『赤ずきんちゃん』は何と言う?>

今日、3月5日はイギリスの

World Book Day ワールド・ブック・デー

でした。

ワールド・ブック・デーとは

これは1995年に国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が制定した、本に関する記念日です。正式名称は

World Book and Copyright Day

で、日本では『世界図書・著作権デー』『世界本の日』などと呼ばれています。その定義も「読書・出版・著作権(知的財産権)保護の促進」「書籍とその作者たちに敬意を表する記念日」といった、やけに堅苦しい解釈を多く目にします。ですが、当のユネスコのホームページを見てみますと、ワールド・ブック・デーとは

a celebration to promote the enjoyment of books and reading.

「本と読書の喜びを広めるお祝い」という、シンプルな定義を真先に挙げています。(出展:UNESCO)

イギリスでは異なる開催日

ユネスコが制定した日にちは4月23日。これは劇作家のシェイクスピアや『ドンキホーテ』で有名なミゲル・セルバンテスといった、歴史上の文筆家が亡くなった日に因んで選ばれたものです。

制定以来、世界各地で祝われるようになったワールド・ブック・デーですが、イギリスとアイルランドでは復活祭(イースター)の関係から毎年3月の第一木曜日に行われます。

各地での祝い方

日本でもこの日は2001年より「子ども読書の日」に定められ、全国の図書館で子どもを対象とした読書イベントなどが開催されているそうです。それでも、日本には秋の「読書週間」が既にあったので、その知名度はイマイチなのではないでしょうか。

その点、イギリスやその他欧米諸国ですと、この日は主に「作中の好きなキャラクターに仮装して楽しむ日」として大々的に祝われています。その他にどんな事をするかというのは各地異なりますが、例えば我が子が通うイギリスの現地校ですと、まずは半月前に当日の案内と準備する内容が書かれたお便りが配られます。学年によってテーマになる本が発表され、息子の学年は

A Sudden Puff of Glittering Smoke by Anne Fine

という、「アラジンの魔法のランプ」の指輪バージョンのようなお話でした。仮装はこの本に出てくる登場人物に限られていないので、男の子ではハリーポッターが圧倒的に人気でした。

また、この頃は各地の書店で使える1ポンドの割引券が配られ、学校でもブックフェアが開かれたり、宿題まで「ワールド・ブック・デーの成り立ち」に関する問題だったりと、本番に向けて着々と気分を盛り上げていきます。

当日は生徒だけでなく先生も本格的な装いで、外部から招いた劇団による寸劇のワークショップ、自分のお気に入りの本を持ち寄り紹介、親による読み聞かせなど、全校生徒や一部保護者まで一丸となって終日祝います。ベストドレッサー賞なんて表彰式まであります。

日本人にはピンとこない洋書のタイトル

イギリスの学校ではワールド・ブック・デーだけでなく、普段から毎日課題図書を出すほど読書の習慣化に力を入れていますが、日本人の私には馴染みのない話や、たとえ有名な世界文学でも英名のタイトルと和訳が一致しない事がしばしばあります。特に日本で言えば『桃太郎』や『かぐや姫』など、欧米の昔話に当たる童話にその傾向が強く、子供が持ち帰った本の表紙だけを見て、「知らないなぁ・・」と思って読み進めていくと

「あー、なんだ、この話か!」

と、ようやく気付くこともあります。The Three Little Pigs(三匹のこぶた)やJack and the Beanstalk(ジャックと豆の木)といったものは和訳とある程度マッチしているかと思うのですが、Snow White and the Seven Dwarfs(白雪姫)やThe Very Hungry Caterpillar (はらぺこあおむし)など、和訳では勿論知っているのですが一瞬何のことかわからず、認識するのに時間がかかりました。そんな中、最も和名と英名が一致せず戸惑ったのがこちらの有名なお話。

Little Red Riding Hood

フード?ロビンフッドみたいな?Riding?小さくて赤いもんが何かに乗ってる?

と、絵柄も私が日本で馴染んできたものと違いましたし、全く想像が追いつきませんでした。正解はタイトル画像にも出している『赤ずきんちゃん』ですが、フードは日本語でも「パーカーのフード」として使われているのでこれが「頭巾」に当たるのはわかります。その他も理解できたのですが、やはりRidingだけはよく分かりませんね。狼のいる森への冒険、といった意味合いでしょうか・・。

と、まだまだ勉強不足の母親ですが、世界の子供たちがワールド・ブック・デーを楽しんでくれることを願っています。

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