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【あらすじ‐#1】Dr.タカバタケと『彼女』の惑星移民【創作大賞2024参加作品】

【創作大賞2024参加作品】

#恋愛小説部門

Dr.タカバタケと『彼女』の惑星移民

2部構成。全13章、全52話(1話2000文字前後)、12万文字。
連載期間 開始:5月23日  完結:7月13日を予定。
【本編連載】では
 ・web小説にあわせ、段落や改行を多くとっています
 ・ビジュアルあり
  ※【まとめ読み記事】は一般小説に合わせています。内容は一緒ですが  
    段落や改行は通常小説通り
    ビジュアルなし(小説内楽曲動画で一部ビジュアルが出ます)

【あらすじ】300文字

3200年代、太陽膨張による人類滅亡へのカウントダウンは始まっていた。

3220年春。AC.TOKYOの研究室に集った5人。
彼らは、『星の予言』を進めるべく使命を受けた【使徒】スーパーAI『S.H.E.』により、意図的に集められた運命の子らであった。

研究室の目的は太陽膨張による人類滅亡回避『惑星移民』。
そのためのワープ装置『時空短縮装置』の発明から開発、運用まで。
天才ノボー・タカバタケにより『時空短縮法』が発見され、人類は新星『エリンセ』への惑星移民を成功させた。
しかし、その中心となったノボーとS.H.Eは引き裂かれる運命にあった……

『人々が恋を無くした3200年代』に起こった、1人と1体の恋の物語。
美しさと喜びと笑顔に満ちたSFエンターテイメント。


【本編連載】#1

Dr.タカバタケと『彼女』の惑星移民作 / 作:PJ


(※)…記事下記にて【語句解説】有

【序章 始まりのシグナル】

《人々が終(つい)ぞ星を捨てる時代の話。
『彼』と『彼女』の出会いは、人々には新しい始まりであり、
『彼』と『彼女』にとっては終焉の始まりだった。

始まりにはその合図がくる。

何の始まりなのか。
人の歴史の新しい始まり、『惑星移民』の始まりだ。

因果というものはどこまでも遡ることはできるが、その直接の始まりは『彼』と『彼女』の出会いであったと言えるだろう。

合図とは?

それは『彼』と『彼女』の出会いの時に改めて語ろう。
それは奇妙であり、ある意味では凡庸でもあり。
しかし、それは人類の運命を変える出来事だった。

星はこんな歌を歌った。
「始まりと終わりには合図の鐘(シグナル)が鳴る。その日は突然やってくる」と。

『若き天才たち』『優しき大人たち』『AIたち』、そして『惑星』が織りなす、美しき命の物語を、ここに記す》



【前文】

 3200年代。太陽膨張による地球滅亡のカウントダウンは、すでに始まっており、地球上で人類が生き延びることができるのは100年が限界と言われていた。

 そんな中、ネオジャパン(※)出身の若き天才科学者Dr.ノボー・タカバタケと、その仲間たちは、3223年に、遠方への惑星移動を可能にする『時空短縮法(※)』を発見した。

※『ネオジャパン』
2024年現在の日本とほぼ同じ領土である。
国境間にパスポートが不要になったので、
様々な国の人が行き来している。首都はTOKYO。

※『時空短縮法』
ノボー・タカバタケが発見したワープ理論

 他方、世界終末のムードが漂う中、『惑星移民』に向けて世界は1つの大きな政府、『新星統一政府』樹立に向けて動きだす。

 新政府樹立に向けて、様々なトラブルがある中、AIに関する衝撃的な法律が生まれた。

・AI新法
「ボディ(人間的肉体構造)を持った、あるいそれに関与するAIすべての地球破棄(停止状態)」
 当時は人口を超えるAIが存在したが、その多くが停止・破棄の対象となった。

『新星統一政府』の設立が進むと同時に、Dr.ノボー・タカバタケたちを中心に『時空短縮装置』の開発、宇宙船の制作は順調に進み、『惑星移民』の一大プロジェクトは、3229年に完了した。

 無事、人類は新星『エリンセ』にて、新しい希望の未来を紡ぎ始めた。

《どうだろう?
人類が新しい星にたどりついたとき、天才たちの物語は終わったのだろうか?

否。どうやら幕は下りておらず、今まさに彼らの物語が、彼ら自身によって語られようとしている。

その物語、願わくば最後まで聞いてくれ。

語り手は複数。
物語は人々がすでに星を渡ったところから始まる》

[第一部]

【1章 僕が語る僕の話】

SIDE(視点):ノボー・タカバタケ)
西暦3230年(新星1年) 惑星「エリンセ」

視点:ノボー・タカバタケ 30歳

『西暦3230年(新星1年) 惑星「エリンセ」』にて

 クロックカレンダー(※)は新星1年12月1日の白日(西暦3230年11月1日)、10:30を示している。

※『クロックカレンダー』
脳内に入れられたチップにより、日にち・時間が把握できる。
また、アラーム機能など様々な機能がついている。
国家観を超える連絡の時に、時差の把握にも便利。

 目標の日まであと少し……。

 政府から提供されている部屋は広かったが、その部屋の中にはほとんど何もなかった。
 なんでも好きなものを要望してくれと言われていたけど、この星で欲しいものなんて何もない。

 クロックカレンダーを見つめたままテーブルに肘をつき、僕は政府との約束を思い出していた。

 新星統一政府の誕生、すなわち人類の惑星移民開始から、地球暦換算で既に1年10ヶ月が経過していた。残り55日。それが、僕がお願いした政府との約束の期限だった。


 惑星エリンセ(Elimssehs)
 命名は僕がした。

 ここは地球から約1290光年。
 これまでの人類の考え方であれば、まず到達することはできなかった。もっと言うならば移民の検討・調査も不可能だった。

 7年前、僕たちの研究室が『時空短縮法』を発見した。
 その後、装置の開発・運用までおこなったことにより、人類は危機的状況を脱し、この新天地に来ることができた。

 誰もが知る通り、遠くない未来に太陽は膨張を始め、生物は死に絶えるはずだった。それはずいぶんと昔からわかっていた事だった。
 こと『時空短縮法』に関しては僕が『彼女』と一緒に作り上げた理論だ。そんな功績を考えると、命名権程度は僕にとっては特権でもないだろう。

 そして、僕は『新星統一政府』に1つだけお願いをした。
 そのお願いとは『地球に1人で帰る』ということだった。

 政府内部では反対の声が多かった。地球を救った科学者が狂ったと言われていたようだ。
 反対の裏側には恐怖があったんだろう。確かに世界屈指の頭脳と呼ばれる人間を、1人地球に野放しにするのは危険だと言われてもしょうがない。

 政府は僕に条件を出した。
『従順の証』受けること。
『従順の証』とは元来罪人に課せられる脳内施術であり、もともとはAI・ロボットが人間に反逆をしないために作られた観念である。

 僕は政府に従属する形で、脳内にその“証”を受け、出発の日まで惑星開拓に従事することを条件に、片道分の時空短縮装置付きのロケットと地球への移住を許可された。同時に、勲章は剥奪され、正式な歴史から名前が消えると言われた。

 『従順の証』も勲章の剥奪も、そんなことは僕にとってはどうでもいいことだった。
 世界中の人々が新しい始まりを求めたように、僕は僕なりの終わりを求めて地球に行く。どちらにしろ、いつか人間には終わりが来るのだから、自分の人生の最後ぐらい自分で決めさせて欲しかった。

 美しい地球と『彼女』。僕にとってそれが美しいフィナーレになる。
 僕たちは皆、それぞれの役割を担って、踊り続けている。僕は僕でうまく踊ったつもりだ。人類を救った。

 もう十分だろう?

 まぁそんな感じで、少しだけ僕のこと、それから僕が置かれている状況を語ろうと思う。

#2 👇 5月24日17:00公開

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【登場人物】

【語句解説】

(別途記事にしていますが、初回登場語句は本文に注釈してあります)

『地球』
Dr.タカバタケの世界は、2024年現在の私たちの時代の延長線上にある。
ヒトの身体的な進化などはなく、現在と同じ生体。
一部障害を持った人が、その機能を補うために身体の機械化をおこなっているが、全世界の共通認識とまた世界条約として人体の機械化はタブー・禁止されている。クローン・人体錬成なども同様に、大きなタブーであり重い罪とされている。
変わったところがあるとしたら、平均身長が5~10センチほど小さくなった程度。

『惑星エリンセ (Elimssehs(#2にて本文説明有)
3229年に全ての人類が、惑星移民をした移民先。
この星の1日は48時間。サイズは地球の2.5倍。
恒星は1つ、衛星は4つ。
奇跡的に星の質量や惑星・衛星の影響等で重力はほぼ地球と同等になっていた。
 環境は地球に酷似。ただ、地軸にほぼズレがないので四季はなく、エリアによって生態系が分布している。 
 気候は(エリアによるが)住居するには穏やかこの上なく、そのうえで知的生物は存在していない。
  新星1年は西暦3229年と3230年を指す。公転が2倍なので、地球の2年分。
最大の衛星:青月(あおつき)-ブルースターと恒星:望日(ぼうび)-ホープスターが24時間で入れ替わる(日照時間は12時間)。
青月は大変明るいので、人は24時間の生活サイクルを崩すことなくおくることができる。
青月の日を『青日(せいじつ)』、望日の日を『白日(はくじつ)』と呼ぶ。

『時空短縮法』
 ノボー・タカバタケが発見したワープ理論。

『時空短縮装置』
惑星間移動を可能にした装置

『クロックカレンダー』
脳内に入れられたチップにより、日にち・時間が把握できる。また、アラーム機能など様々な機能がついている。国家観を超える連絡の時に、時差の把握にも便利。

『従順の証』
元来罪人に課せられる脳内施術であり、もともとはAI・ロボットが人間に反逆をしないために作られた観念である。


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