『魔女トレ 足元にある、動きの「素」』※凡人PTによるただの感想
もう、タイトルのインパクト!ですよね。
「魔女トレ」
「魔女」
正直、タイトル的には自分で選んで買う本ではないですねぇ・・・・
表紙も自分が持ち歩くにはなかなか勇気がいる見た目で、職場で持ち歩くときはコソコソしていました。
とはいえ、中身はかなり意欲的に書かれたのだろうな、と感じさせるものでした。
さっそく、感想を書いていきたいと思います。
ー本との出会いー
改めて、今回の本はこちら↓
そもそも、自分では選ばない本を、なぜ読んだのか。
それは、友人から「読んでみてほしい」と言われたからです。
その友人は消防士さんで、サッカーをやっていて、体を動かすのが好きなタイプの人です。
子どももサッカーをやっていて、おそらくトレーニングに取り入れてみようかな、という気持ちで手を伸ばした本だったのだろうと思います。
そこにPTの私とたまたま久しぶりに会う機会があったので、ちょっと意見でも聞いてやろう、ということだったのでしょう。
そのおかげで、出会えた本です。
こうやって自分が選ばないであろう本を読む、というのは、思いの外楽しいもんだなぁ、と思いました。
ーんで、なんなの?魔女トレって??ー
著者の西園さんは小さい頃からバレエをされていたそうです。
そのバレエが追求する「美しい動き」は「体にとって理にかなった動き」である、という考えを基盤として考案したトレーニング、ということになります。
度々有名アスリートの方に対して行い、多くの変化が得られたということが序盤で語られています。
このあたりは「まあ、そう言うよねぇ」と、自分はちょっと斜に構えた気分でかなり読み飛ばしてしまいました。
そして、魔女トレの理論について触れていきます。
正直、このあたりは自分としてはかなりモヤモヤする表現が多かったです。
美しい
正しい
つながる
丹田
体の中身の密度
感覚が伸びる
整える
リハビリを仕事にしているセラピストの中には、こういった言葉に抵抗を感じる人は結構いると思います。
科学的ではない表現、ですよね。
私も感じます。
それって、つまり、なに?
と。
「つながる」
なんていうのは、その最たる言葉ですよね。
当然ながら、これらの言葉を明快に説明はされていません。
解剖学的な言葉を使った説明を加えたり、できるだけ科学的な要素を取り入れようという姿勢は感じ取れます。
しかし、かなり曖昧です。
とはいえ、これはこの本の性質上、やむを得ないのだろうと思います。
これは専門書ではなく、一般向けに書かれたものです。
ある程度「いい感じの雰囲気」で書いておくことで、読みやすさは随分向上しているものと思われます。
専門職の方は変に目くじらを立てず、その辺を弁えた上で読み進めるのが良いのではないかと思いました。
そんな中、この本では足の裏が重要だ、ということが繰り返し書かれています。
特に、母趾球・小趾球・踵 の3点。
そして、そこから構成される3つのアーチ。
これは少なくともPTにとっては非常に馴染みのある話ですね。
立位や歩行では、唯一の支持面は足底です。
なんて、いろんな本で、あちこちの研修会で、日々言われているものです。
つまり。
正直、理論的な部分では、さほど目新しさはありません。
多少厳しい言い方ですが、バレエという切り口の新しさはありますが、それ以外は概ねどこかで聞いたことのあるような話が多いです。
しかし、逆に言えば、王道の理論である、という考え方もできます。
そして、自分にとって、この本の価値はこれ以降にありました。
ー自分にとって価値を見出した部分ー
それは実技です。
後半部分のほとんどは、実技で構成されています。
しかも、QRコードでの動画付き!
これは、本当にすごく良い!!!!
写真を見て、文字を読んで、動画で説明を聞きつつ、見ながら動いて確認する。
自分のスマホで、巻き戻して、ストップして。
いやー、これはありがたい!
そして、動き方のオリジナリティ。
人の体は本当にいろんな動き方ができるのに、自分の頭で考えているだけだとどうしても枠にはまっていってしまう。
そんな枠からはみ出させてくれるヒント、そこかしこにありました!
難易度は高めなので、実際に臨床で患者様とやるときには、ひと工夫は必要になると思います。
でも、それでいい。
How toを得たいわけではないですからね。
自分では生み出せないエッセンスが、自分にとってはすごーく大事なのです。
ちなみに、足部だけでなく股関節を含めた骨盤帯、全身を使ったもの等、種類も豊富です。
人の手を借りて、2人で行うものもありました。
うまく手を加えれば自主トレにできそうなものもありました。
この部分だけでも、自分にとっては価値があったなー、と、すごく思いましたねぇ。
ーおわりにー
自分は師匠の先生の影響で、重力と支持面というものをすごく重要視しています。
そこをベースにすると、この著者の先生の仰ることは非常に納得のいく部分も多くありました。
確かに理論的な部分ではもうちょっと深掘りしたいな、という部分が多くありましたが、それよりも実技の充実度がこの本の真骨頂であろうと思います。
自分はまだこのエクササイズは1回通してみただけですが、自分の体を通した発見がありました。
もうしばらく続けてみようと思います。
もし購入して読まれた方。
ご自身でやってみたらどんな感想だったか、教えていただけると嬉しいです。
では、また!
↓購入はこちら
この記事が参加している募集
少しでも臨床のヒントになる投稿をしていきたいと思っています。 サポートして頂けると非常に励みになります!