『二関節筋の協調制御理論』※凡人PTによるただの感想
「学ばない凡人は一生凡人である」 をしよ(1977~まだ元気)
と、いうわけで。
なーんにもない凡人PTである私が、できるだけいろんな本を読んで、その感想を書いてみようと思い立ったわけです。
私同様、なーんにもないけど、学んでみたいという意欲はあるよ、という方に向けて、本選びの参考にでもして頂けたらと思います。
では、最初の本は
一言で。
むーーーーーーーーーーーずっかしいいいいいいいいい!!!!!
いきなりシーラカンスに襲われます。
そしてナメクジウオ。
あれ?二関節筋の話じゃないの??
ご安心を。
無論、二関節筋の話です。
生物が水の中から陸に上がってくるとき。
水の中でどのような準備がなされ、陸上で重力に打ち勝てる力を身につけていったのか。
そのKEYが、二関節筋なんだ!という流れです。
いやあ、ビビりますね。
なんせ著者は京都大学名誉教授です。
凡人の想像もつかない世界を生きておられるものと思われます。
この本、始めからじっくり読んでいこうとすると、おそらく挫けます。
実は私は、現時点で序章から第1章は、さーっと眺めた程度でほとんど読んでいません。
(それで感想を書こうってのも、恥知らずなのかもしれませんが)
ただ、このあたりは前提や背景、経緯の話なので、臨床とは距離の遠いお話になっています。
ただ、第1章で必ずチェックして欲しいものがあります。
Kumaモデル
です。
はいー、わからないーーーー。
いや、いいんです、この言葉でわからなくても。
この本は時々QRコードがついていて、読み込むと動画が見られるようになっていて、Kumaモデルっていうのが実際に動くところを見せてくれるんですが。
いやぁ、驚きました。
詳しくは書きません(書けません)が、二関節筋があることによって(正確には拮抗二関節筋対、拮抗単関節筋対があることによって)、出力方向が絶妙に調整される、というのが目に見えてわかる動画なんです!
私はこの動画を見たことで、その先を読む意欲と勇気が湧きました。
著者は筋の働きについて、屍体解剖所見ではなく生体運動機能で考えるべきだ、ということを述べられており、それがこの本の根幹になっています。
そう、この本の中で熟読すべきは「P49~P56」!!!!
(※私見です!!!!!)
筋の働きを起始停止で挟んだ関節の運動のみで捉えないこと!
その筋の出力点がどこにあるかということを認識すること!
その出力点に対し、出力方向の調整にはどの筋群が働き、出力の量の確保にはどの筋群が働くのか!
そして、その方向調整は360°全方位へ可能であるということ!
いやー、熱い。
熱いっす。
筋に対する認識が変わります。
例えば、よく立ち上がりの時に、両下肢を前方に突っ張って、両手で何かを引っ張ったりして四苦八苦しながら立つ、という方、いらっしゃると思うんですが。
そこへの評価として、腹圧が、骨盤の前傾が、足底の感覚が、臀筋の働きが・・・・等々、いろいろな考えがあって。
でも正直、「それだ!」と思えた、納得のいく評価って、あまり無かったように思うんですよね。
今回のこの考えがそのまま当てはめられるのかというと、それはわからないのですが。
動作を見るときの一つの選択肢としては、有用なのではないかと感じます。
そして、この本は私が二関節筋に対して抱いていた1つの疑問にも、ヒントを与えてくれました。
私の抱いていた疑問は「Lombardパラドックス」というものだったようです。
ハムストリングスは股関節伸展するのに膝関節屈曲させるので、立位を邪魔する。
大腿直筋は膝関節伸展するのに股関節屈曲させるので、立位を邪魔する。
なに?このムダ?
が、私の疑問でした。
今は、わかったような気がしています。
最後の第5章は飛ばし読みでしたが、オススメしたいところが一箇所。
P154からの
「2.義務教育・一般教養社会常識レベルの問題点」
ここ、「今の教育ダメだよ~、こうした方がいいよ~」っていう著者の考えと提案が書いてあるところなんですが。
ここの二関節筋に関する、小学校や中学校を想定した説明が、まあわかりやすい!
なんならこれを全面に押し出してくれれば、もっと読みやすかったのに!
きっと、もっと落伍者は少なかったと思う!
という内容なんです。
もしかしたら、最初に読んでおくと理解が進みやすいかもしれません。
おわりに
正直、買って読むには覚悟のいる本です。
高いですし(税込7480円)。
ただ、概念が変わります。
そして、そういう世界があることが知れます。
私はおそらく半分も理解していませんが、それでも変化を頂くことはできたように思います。
買うなら、熱量が高いうちに買わないと、買えない本だと思います。
私は、おすすめします。
では。
おまけ
ちなみに今回は
「二関節筋」「姿勢」「協調」「制御」
の4つをキーワードに、読む章の優先順位を決めています。
効率よく本を読むため、いろいろ工夫しながら読もうという試みです。
全ては理解できませんが、要素を抽出するにはいいかもな、と思っています。
やり方はまだまだ手探りです。
脱・遅読!
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