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金融リテラシー向上には数字に強くなる必要があります

ファイナンスを勉強するにあたって、数字に強くなる必要があります。

利率と利回りの違いを理解するのと同様に、銀行の利率や物価上昇率のパーセンテージなど、毎日の生活にパーセンテージは常について回ります。

詐欺が横行している今の時代に、身を守るためにも、金融リテラシーを正しく身に付け、そして実践できるように数字に強くなる必要性について考えてみます。



数字に強くなる必要性

特にパーセンテージをよく理解して読み解く必要性が重要と考えています。

パーセンテージ=分子/分母  × 100

分子とは何ですか?
分母とは何ですか?

新聞やネットニュースで、わずか10文字しかないのに、「5%上昇!」って見出しが飛び込んできたとします。これの分母は何で、分子は何なのかをわからないまま、数字に踊らされていませんか?

しっかりニュースの詳細を読むと、その5%は当たり前じゃん!って内容から、比較対象の軸が揃っておらず、その数字で論議してはいけないものまであります。

小数点以下の数値を分母にするな

気をつけなければいけないことの一つに、小さい数字を分母にしてはいけません。また、分母も分子も%同士を比較しては計算しないことです。

割り算は2つの項目を比較するのに適正な計算方法ですが、特に分子が小さすぎる時には、意味をなさなくなります。

しかし、数字に弱い消費者を、数字に強い金融機関営業パーソンが、なんとか自社の商品にお金を預けてもらいたい時に、意図的に、この割り算を使ってきます。


大手証券会社の手口

その手口を一つ紹介します。
仮に下記のような情報があるとします。


大手証券会社が〇〇ネクスト銀行という名のネット銀行を設立した時に、私にアプローチしていきた時の手口を紹介します。

大手証券マン:「まこさん、この度、〇〇ネクスト銀行ができました。ネットで操作いただけてとても便利です、いかがでしょうか?」

まこ:「もうたくさん銀行あるから、いらないよ」

大手証券マン:「いえいえ、なんと金利が100倍なんですよ! こんなすごい話に乗らない手はないですよ」

まこ:「あのね、100倍になっても、0.1%しかないでしょ。100万円で1,000円ってことですね。私の資産知ってるんでしょ? 新しい口座を開設する意味がないって言っているんですよ」

大手証券マン:「100倍ですよ、100倍! どうしてですか〜???」
大手証券マン:「なんと、定期預金なら150倍なんですよ」

証券マンは最後まで100倍、150倍しか言わず、実際の0.1%や0.3%の金利のことは口には出しません。そして私が金額に換算することを極力避けまくります。

これがマニュアルに書かれたセールストークなのでしょう。数字に弱い消費者や、高齢者はその口車に乗ることのでしょうね。

普通預金の100倍は
0.1%➗0.001%=100倍

定期預金150倍は
0.3%➗0.002%=150倍

2倍、3倍でも、あり得ない数値なのに、100倍、150倍となれば、分母と分子が何かに気を向けるべきです。パーセンテージの比較に割り算を使っちゃダメだよ。それに母数が小さすぎるんだから意味ないじゃん。

金融機関は高齢者を騙す手口をやめて顧客に寄り添って欲しい

この手口は詐欺ではありません。それに新しい銀行口座を作るだけのことなので、大した話でもありません。

しかし、大手証券会社は自社のことしか考えず、顧客のことは二の次であることは、この手口からはっきりとわかります。また金融機関を退職した複数の友人たちのコメントからも裏付けされています。

金融庁は金融機関のプロモーションコードを厳しくコントロールして欲しいものです。

ちなみに、私が勤めていた製薬業界の広告景品法やプロモーションコードはとても厳格で、すべてのメーカーが遵守しています。その視線から見ると、大手金融機関の宣伝の方法は、ほとんど詐欺に見えます。


詐欺ではありませんがルールが緩すぎて素人が騙せれる商品にファンドラップがあります。ファンドラップは絶対に買ってはいけない商品の筆頭です。しかし、朝日新聞に全面広告されて、これを疑う人は少ないことでしょう。

こんな宣伝は取り締まってほしい↓
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知識を持った人が無知な人を騙すのは簡単

知識を持った人が、素人を騙すのは簡単なのです。つまり意図的に金融機関の営業パーソンが、無知な消費者を騙しているように見えます。

医療に目を向けると、知識をもった医師、薬剤師、看護師などの医療従事者は、知識を持たない患者さんのことを常に考えて、寄り添って説明責任を果たします。

「どうせわからないから、適当に薬だけ飲んどけ!」 なんて態度で接する医療従事者はいません。

どうして、金融機関に勤めている人は、「どうせわからないから、適当に投資信託を買っておけ!」 って態度で、消費者を無視してアプローチをするのでしょうか?

結論はわかっています。

単純に、金融機関は自社の利益のためってことですね。医療は患者の健康を一番に考えるので、医療機関の利益は二の次になります。この違いだけでしょう。

ってことは、金融商品を購入する私たち消費者が、セールストークを読み解くスキルが必ず必要です。

もし、資産形成をしたいのならば、金融リテラシー向上は必須ですね。

実は無知な消費者が一番の問題

そんな手口を使う金融機関の気持ちがわからないでもありません。辛辣なことを書きましたが、今の時代、各金融機関のコンプライアンスが厳しく、しっかりと顧客に説明をしているはずです。窓口での面談は管理カメラで撮られていますからね。

ということは、内容を全く理解しようとしない消費者側にも大きな問題がありそうです。というか、それが全てだと思っています。

たぶん、金融機関は消費者を騙すつもりは全くないのですが、何を言っても理解してくれない顧客対応にウンザリしているのでしょう。

どんなに説明しても理解くれないのだから、上司に言われた商品を適当な口実で売りつけておこうっと考えるのも無理のない話です。

金融機関をフォローすると、営利企業なんだから致し方ないかなって同情します。だから、まったく理解しようとしない消費者、つまり、あなたが一番の問題なのです。

スーパーで野菜の値段を比較したり、産地を確認するスキルがあるのなら、投資信託の手数料くらいは確認しようね。



大手証券会社の手口集↓

2022年
💰 10/22  ”企業の利益>顧客の利益” 大手証券会社のダメな一例
💰 10/23  ①大手証券会社は、儲けたいだけなんだね  〜退職金の相談〜
💰 10/24  ②大手証券会社は、儲けたいだけなんだね  〜証券会社に行く理由〜
💰 10/24  ③大手証券会社は、儲けたいだけなんだね  〜FPとIFA〜
💰 10/25  製薬会社の顧客志向 〜金融と医療の顧客への説明姿勢の違い〜

2023年
💰 9/20 プロ運用にすべてお任せファンドラップ:高い手数料に気づいてますか?

フィリピン、セブ島のNPO法人DaredemoHeroへ寄付します。 私の人生に大きな転機となった団体で、里親支援を続けています。 子どもたちの大学卒業までの学費支援等、教育資金に活用させていただきます。 ホームページ→ https://daredemohero.com