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それが気になるなら自分の独創性はもう始まっている

2024年2月24日。私はセドナ観光とモニュメントバレーの宿をあとにして、グランドキャニオン国立公園に着いた。

グランドキャニオンは1908年に国定記念物に指定され、1919年に国立公園になり、1979年にはユネスコの世界遺産にも登録されている。アメリカ合衆国の中で最古の国立公園のひとつであり、長きにわたり保護され、知名度も高い。多種多様な人たちに長く愛され守られ人気の場所であることは、観光客の多さだけでなく、ギフトショップに並んでいる商品からも感じとることができた。

お土産の気合いの入り方がこれまで見てきたほかの国立公園と違う

おそらく、長きにわたりこの国立公園には予算が回されてきて、
売り物にデザイナーの手を加える余力があるのだろう
商品の色も形もデザインも質も、発するオーラも何もかもハイレベルだった。
ポストカード、ピンバッジ、写真集、地図、衣類、文房具、置き物、安価なものから高価なものまで、売られているものすべてがアーティスト作品なのだ!!!
要するに、私は今回アメリカに来て初めてここのお土産屋さんでテンション爆上がり!もう全部欲しくなってしまった。

壮大な景色が描かれたそのデザインたるや美しい。
この谷の奥にこんな景色があるんだね。なぜここの影がこの色なの?あなたの眼にはここの景色がこんなに鮮やかに映るの?コンドルはこんなふうに空を渡るの?夜はこんなに星たちが光り競い合う美しい星空なの?

気がつくと私は商品ひとつひとつと対話していました。どれを日本の自分の部屋に飾ろう。もうすべてにうっとり。

ここで、何度もここに来ていて今回同行してくれた方(車の運転も担当)が
「ここから車で1時間走ったところに大きなショップがあって同じようなものが売られているから、そこでお土産まとめて買えばいいですよ」
と教えてくれました。

そんな素敵なお店があるのですね!
それなら先に絶景を見て、その後その大きなお店へ行きましょう!
ということで、商品との対話をやめて、先に公園内を歩き回り、写真を撮って、車で1時間かけて(国立公園は広大で車で数時間かけて移動するもの)
大きなお店へ・・・着いたのですが、そこは

公園内のふつーのスーパーマーケットっっ!!!!Σ(・□・;)

並んでいるポストカード、ピンバッジ、写真集、地図、衣類、文房具、置き物は、すべて量販店レベルであり。「グランドキャニオン」「アリゾナ」とは書いてあるものの、まるで、死んだ魚と佃煮の瓶詰めしか売られていない魚屋のようでした。
いや、魚屋ではなく量販店なのですが。

さっきのお店には珍しくて美味しそうな魚がピチピチ飛び跳ねていたのに、ここの魚は全部目が腐ってる!ありえない!許せない!こんなもので私が満足すると思ってんのかまさか!みたいな感覚。になりました。わかりますか?

愕然とした私は、「さっきのギフトショップに戻ってください・・・」とドライバーにお願いしました。

ドライバー「えっ、なぜここで買わないんですか?戻ってもいいですけど・・・往復2時間のロスになるしこの後の行程もあるので、夕食はレストランではなく車内で菓子パンになりますけどいいですか」

私「構いません」

ということで、戻って、素敵なお土産を購入し、ラズベリージャムが挟まった甘すぎる巨大なパンをかじりながら、ラスベガスへ車をぶっ飛ばしました。

この世にはあのお土産の違いがわかる人とわからない人がいる、ということ

話は長くなりましたが、これが今回の旅で得た、大切な学びです。
あの質の違いを感じない人がいる。
その人に対して、私は違いを説明しようとは思いませんでした。苛立ちや憤り、哀れみも感じませんでした。全然違うでしょ?なんでわからないの?って相手に価値観を押し付ける気にもなりませんでした。

違いに気づいても気づかなくってもいいんです。

ただ、私は、
ふと通り過ぎるものをキャッチできるひとなんだな。
デザイン、感覚、色、空気の価値を感じることができるんだ。
そこは譲らないで、もっとこだわっていいんだ。
自信を持って強くそう思いました。

何となく気になることはありませんか?

今回私がアリゾナ旅行に行ったのは、SNSでたまたまモニュメントバレーの写真を見た時に、私もここに行きたい!と突然、強烈に感じたことがきっかけです。
同じ写真を見ても、何も目に留まらない人もいるんです。

気になった時点で、もうそこへの扉は自分へ向かって開いています。
自分のオリジナルな視座を通して感じた、自分だから気になること。
今の自分だから感じることなのだから。
気になることがあるなら、それはもっとこだわって自分に問い続け、それを許してあげることが全ての始まりだと思うのです。

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