ラグジュアリーブランドとデジタルマーケティングが好きになるノート

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ラグジュアリーブランドとデジタルマーケティングが好きになるノート

PRKYO | 某外資系企業マーケター | DIGITAL x LUXURY BRANDING | デジタルとラグジュアリーブランドを軸にしたマーケティング戦略・実務に関する情報を更新中 | 富裕層マーケティング / 金融×ブランディング

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セブンイレブンのDX敗戦から思う、「デジタルチームはコミュニケーションができない?」

先日、週刊ダイヤモンドの特集で「セブンDX敗戦」という記事を読み、その生々しい暴露とポリティクスに驚きつつ、僕もビジネスの現場で「どこかで見た景色」だと感じた。個人的にものすごーくよくわかるので、今日は久しぶりにちょっと熱くなり、考察してみた。 特集記事のポイントを簡単にまとめると、以下になる。 1.まず、そもそも本当にデジタル戦略が失敗したのか、客観的かつ、顧客視点での考察はない。(売上とかCSといった対外的な指標はないので戦略や事業そのものではなく、社内政治的な観点から

    • 富裕層マーケティング vs 中間層マーケティング?雑な概念にはブランディングの根本に立ち返るべし。

      最近、富裕層マーケットが活況である。日本は少子高齢化で市場規模の縮小が懸念されている中、富裕層人口は増加し続けている。(NRI富裕層アンケート調査によると、純資産1億円以上の富裕層は236万世帯、純資産5000万以上だと341万世帯に上る) 多くの日本企業、外資系企業が富裕層向けのビジネスを盛り上げようと画策しています。私の周囲でも大変盛り上がっており、もともと富裕層のターゲット含有率が高いラグジュアリーブランドは当然そうだが、今まで挑戦してこなかった企業や、金融関係の企業

      • 外資系企業のブランディングは本社7:ローカル3の黄金比率を徹底すべし

        「日本企業は欧米企業と比べてブランディングが弱い」、「無形資産の価値最大化が課題」、「富裕層マーケットの重要性の高まり・・・」と、デフレマインド脱却の過熱に伴い、ブランディングによってどうやって付加価値を上げられるかが日本国内の企業に問われている。 最近になって、ブランディングの本がよく売れているし、富裕層というワードも各媒体で見ることが多くなった気がする。 経営者がブランド戦略を理解し、実行すべし、といった流れは一時期盛り上がった感があるが、そもそも、なぜ経営トップにブ

        • リスキリングは横軸で考えよう。専門性は一途に、一方で、横移動の転職をおススメする!

          最近、リスキリングという言葉を聞くことが増えてきて、この過熱感に、個人的にやや違和感があったので考えてみた。 各社の記事などを読んでみるとざっと以下のようなことが書いてある。 上記を見て、企業経営視点とか国家視点のいわゆるマクロな視点で、リスキングが重要視されているということを理解した。 マクロ視点はその通りだと思うんだが、一方で、個人がリスキリングと向き合うことって何なんだろう。マクロで求められているデジタルやテクノロジーのスキルが大切なことは当たり前だと思うが、それ

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          フェラーリがブロックチェーン/NFTに投資する意味

          ブランド企業のNFT投資について、ここ最近はもはや、アート作品のコンペ状態になっていて、もはや退屈なものがとても多いのだが、自動車の中でフェラーリの動きはちょっと違うと思う。 まず、そもそもブランド企業のNFTやアートコンテンツにおいては、コラボレーションやパートナーシップという手法がよく見られる。 パートナーシップの基本的な狙いは、お互いのブランドにおける共通点(悪く言うと妥協点)を見つけ出し、それぞれが抱えているファンにリーチすること。普段はリーチしにくいターゲットオ

          フェラーリがブロックチェーン/NFTに投資する意味

          組織でデジタルをどう機能させるか?(自動車業界で「2年前」のネタがようやく古くなった気がする。)

          過去の資料を洗っていたら、2020年に、大手通信グループ系の社員および、その投資会社のマーケティング担当者向けに、僕が講演した資料が見つかった。それについて今見ると思うところがあったので、振り返ってみたいと思う。 約2年の前の話だが、とあることから先方の担当部署の責任者の方に、DXについて語ってほしいと言われ、講演の機会をいただいたことがある。 まったく他業種にはなるが、世の中のデジタルマーケティングの潮流と、自分が直面している組織課題は抽象化できると思い、人見知りの自分

          組織でデジタルをどう機能させるか?(自動車業界で「2年前」のネタがようやく古くなった気がする。)

          マーケティング部門の商流が変わった。WEB3のNewパートナー、Animoca Brandsとは?

          「WEB3.0を自社のビジネスにどう活かすか」。これは事業会社のマーケティングやデジタル等の新しいものを扱う宿命にある部署にとって共通の課題だと思う。 僕は15年くらい前の学生時代に「WEB進化論」を呼んでデジタルの世界に足を踏み入れることになったが、社会人になってから数年のWEB界隈の盛り上がりと、WEB3界隈のそれが非常に似ている感じがしている。 では、何が変わったのか、ということだが、それを説明する上でわかりやすい事例として、マーケティング現場の視点から、商流が変わ

          マーケティング部門の商流が変わった。WEB3のNewパートナー、Animoca Brandsとは?

          1台もクルマが売れなくなった社会で、自動車会社は何を売るか?

          最近、WEB3.0、ブロックチェーン、NFTといった新しいワードをよく耳にするになった。1年前から、この言葉自体を知ってはいたものの「取りに行かなかった」。WEB2.0で落ち着いてしまっていた自分は、新しい社会に飛び込む心の余裕というかチャレンジャースピリットが弱かった、と反省している。  しかし最近、ひょんなことから、積極的にこのコンセプトに触れ、新しい人達に会うようにしていたら、学生の就活時代~新卒の時の熱狂に近いものを感じることができた。僕は15年前の学生時代に、梅田

          1台もクルマが売れなくなった社会で、自動車会社は何を売るか?

          新しいブランドポジショニングを見つけた、BMWのサステナブルコミュニケーション。

          BMWが、サステナブルな社会を目指して「BMW Lab.」をローンチ。 まず、このBMWのコミュニケーションに関しての率直な感想は、いいテーマ設定だと思った。最近は、安全性のベンツ、都会的なアウディ、孤高なスポーツカーメーカーとしてストイックなポルシェというキャラ立ちしている競合ブランドに対して、BMWのキャラクターが弱いな、と思っていたところ、ブランディングにおけるいい感じのポジショニングを見つけたな、と思った。コントっぽい表現は一旦置いておいて、素晴らしい活動だと思う。

          新しいブランドポジショニングを見つけた、BMWのサステナブルコミュニケーション。

          デジタル接客は間口を広げるために使うべきなのか?高級車ブランドのデジタルセールス対応について思うこと。

          最近はコロナ禍において、多くの自動車メーカー(および販売店)がデジタルのコミュニケーションを強化しています。 僕は、これはカスタマーにとって良い傾向だと思っているものの、その一方で、危惧していることもあります。それは、デジタル空間でも今までの同様のCXを担保する覚悟をもってやってくれているのか、ということです。主に外資系((輸入車)の販売店においては、エクスクルーシブな体験を構築できているか、という点。基本的に、デジタルを活用して新しいお客様や、今までリーチできなかった層に体

          デジタル接客は間口を広げるために使うべきなのか?高級車ブランドのデジタルセールス対応について思うこと。

          マーケッターが広告代理店を選定(ピッチ)するときにやること。そして、そのテクニック。

          企業のマーケティング部やデジタル、広報等の部署に配属になると、社外に非常に重要なパートナーが存在します。それは広告(or PR)代理店やクリエイティブエージェンシーと言われる人たちですね。 彼ら彼女らに活躍してもらうことがあなたの事業の成否だったり、個人的な会社での評価に関与することになるので、マーケッターのスキルの一つとして代理店との付き合い方および、マネジメント手法はとても重要です。 本ノートでは、そのエージェンシーを選定する際のノウハウについて書きたいと思います。

          マーケッターが広告代理店を選定(ピッチ)するときにやること。そして、そのテクニック。

          ポルシェ流、新しいターゲットオーディエンスへのアプローチ論。

          「若者のクルマ離れ」。最近の記事でまたこの言葉を見かけたので、思ったことを書いてみた。思えば、「若者のクルマ離れ」という言葉は、私が新卒の頃から言われ続けているので、もう10数年以上使われている言葉です。 私は、この言葉は、「戦(いくさ)を負け戦にする」言葉、つまり負のフレーミングだと思うのです。 残念ながら、この言葉は、自動車業界でも自虐的に使われているし、これに対してどう立ち向かうか、という課題設定をメーカーのマーケティング部が持っていたりする。 でも、クルマ離れとい

          ポルシェ流、新しいターゲットオーディエンスへのアプローチ論。

          コロナ禍のデジタル化によって自動車セールスに、真の競合が現れる。

          現在、各自動車会社のデジタルを介したコミュニケーションが活性化してきている。 各社とも、Push系の広告・プロモーション活動がやりづらい中で、ソーシャルメディアを介したプロモーションに注力しているようだ。現時点で販売店への来店や購買が遠のいている状況において、将来(e.g. 緊急事態宣言終了後)の販売を考慮した、文字通り、エンゲージメント施策を強化していることがわかる。 私としては、デジタルトランスフォーメーション(DX)の本丸である、オンライン商談やオンライン販売が進んで

          コロナ禍のデジタル化によって自動車セールスに、真の競合が現れる。

          ポルシェの23年ぶりのスーパーボウルCMに思う、高級自動車ブランドの新展開。

          今年のスーパボウルのCMでは、多くの自動車メーカーの広告を見ることができたが、僕が特に印象に残ったのは、何よりもポルシェである。あと、ある種アウディも。 なぜ、プレミアムブランドである高級車ポルシェがスーパーボウルというゴリゴリのマスメディアに広告を投下する必要があったのか考えてみたい。 基本的に、1500万円以上する高級車のポルシェのターゲットはマスではない。一般的に考えると、限られた一部の富裕層がターゲットであり、その場合、最も費用対効果の悪いスーパーボウルにTVCM

          ポルシェの23年ぶりのスーパーボウルCMに思う、高級自動車ブランドの新展開。

          自社リスティング広告をクリックさせる、ということ

          先日、広告代理店からの提案があった際、先方のPCのスクリーンから、僕の会社のとあるキャンペーンサイトが残っていた。最初はちゃんとキャンペーンサイトを見てくれているのだな、と少し関心したが、その直後に私の印象は180度変化した。そのブラウザのURLに広告のパラメータがついていたからだ。 どうやら、この人は、このキャンペーンをGoogleで検索し、「リスティング広告」をクリックして、キャンペーンページを訪問したようだ。当然、これは広告なので1クリックにつき数十円の広告費を我々(

          自社リスティング広告をクリックさせる、ということ

          「BMW × 天才バカボン」のコラボレーションに見る、高級ブランドが「下に降りてくる」コミュニケーション

          2019年11月から開始している、BMWの1シリーズの新しいコミュニケーションは、天才バカボンとコラボ。 コンセプトは「もしも多忙なママを手助けしてくれる天才的なクルマが現れたら、バカボンたちの日常は一体どう変わっていくのか?」というもので、バカボンのキャラクターたちが1シリーズの機能をライフスタイルを通じて説明していくような仕掛けになっている。 参考:BMW公式サイト 天才バカボン&BMW うちのクルマは天才なのだ。 https://www.bmw.co.jp/ja/al

          「BMW × 天才バカボン」のコラボレーションに見る、高級ブランドが「下に降りてくる」コミュニケーション