自社リスティング広告をクリックさせる、ということ

先日、広告代理店からの提案があった際、先方のPCのスクリーンから、僕の会社のとあるキャンペーンサイトが残っていた。最初はちゃんとキャンペーンサイトを見てくれているのだな、と少し関心したが、その直後に私の印象は180度変化した。そのブラウザのURLに広告のパラメータがついていたからだ。

どうやら、この人は、このキャンペーンをGoogleで検索し、「リスティング広告」をクリックして、キャンペーンページを訪問したようだ。当然、これは広告なので1クリックにつき数十円の広告費を我々(クライアント側)が支払うことになる。(一方でエージェンシー側としては、そのうちのいくらかが自分たちのフィーの一部になる。)

全体の広告費を考慮すると、これはまったく無風で、表面的なビジネスインパクトもほとんどないように思えるかもしれない。

しかし、最初の1円を稼ぐのに手に汗かいた経験のある経営者が見たら?あるいは、全事業部の従業員に、リスティング広告の説明をし、この「1クリック」が各事業部の成果を左右するので協力してほしい」と頭を下げながら社内統制したマーケティング部の担当者が見たらどう思うだろうか?

実は、真剣にデジタルマーケティングを推進している企業側の担当者にとっては、このインパクトはものすごく大きい。事業側の社員からの信頼や認識に関わる行為であるからだ。

デジタルマーケティングは、すべてが可視化される世界。実務においては、数学的な思考で片付けられることも多く、それに終始してしまいがちである。でも、例えばCTRやCVRを見て、これがなぜこうなったか?はデータと創造力を掛け合わせて、リードしていくことが大切。優れたマーケッターはだれしもが行っている行為だと思うが、数字と創造力をかきたたせながら、仮説の構築とデータを解釈を繰り返していく。

この代理店の「1クリック」の行動が、ある意味で、僕を初心に帰らさせてくれた。どうやって組織をリードするか、デジタルによって変革していくか、また挑戦しようと思う。

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