1台もクルマが売れなくなった社会で、自動車会社は何を売るか?

最近、WEB3.0、ブロックチェーン、NFTといった新しいワードをよく耳にするになった。1年前から、この言葉自体を知ってはいたものの「取りに行かなかった」。WEB2.0で落ち着いてしまっていた自分は、新しい社会に飛び込む心の余裕というかチャレンジャースピリットが弱かった、と反省している。

 しかし最近、ひょんなことから、積極的にこのコンセプトに触れ、新しい人達に会うようにしていたら、学生の就活時代~新卒の時の熱狂に近いものを感じることができた。僕は15年前の学生時代に、梅田望夫著の「ウェブ進化論」という本に出合って衝撃を受け、デジタルを軸にしたマーケティングの世界に入ってきた。当時はWEBのマーケティング領域は、ビジネスとしては弱く、重要性はみんなが感じつつも、オタクの集まる、まさに「出島(デジマ)」だった。僕はその時代からGAFAの「デジタルが主戦場」時代までをひたすら第一戦で走ってきた(と自分では思っている)。今はようやくWEB2.0がメインストリームになり、それなりにビジネスも評価されてきてこともあって、冒頭の「WEB3.0を取りに行かなくなっていた」という反省につながっている。

さて、先日も、Tokyo NFT weekで、様々な人に会い、強い刺激を受けた。Decentralizedな社会の中で、企業がどうやってRight target/cutomerと出会うのか、を色々な人と議論したが、まったく答えは出ていないし、海外事例を見ても、マーケティングのフレームワーク上、決定的な成果はまだ見つけられていない。個人的な体験で言うと、2003年のNECのProject「ecotonoha(エコトノハ)」のような、感動的なコンテンツに出合っていない。

最近は少しずつ、ラグジュアリー、プレミアムカー業界でも、WEB3の事例は見れるようになってきており、とても興味深く拝見している。まだ、PRが先行している感があるが、実際にラグジュアリーの「価値ビジネス」やCRMとしてのデータベースビジネスにどこまでインパクトを与えられるか、という点でNFTは興味深い点だと思う。

ということで、WEB2.0でかなり落ち着いてしまっている自分に反省し、2022年は年明け早々から、WEB3を自分のビジネス・マーケティングに取り入れていく予定です。まずは、個人的に2022年のテーマをわかりやすく設定しておこうと思う。それは、「1台もクルマが売れなくなった社会で、自動車会社は何を売るか?」にしておく。

価値がモノから見えない何かに移行する中で、WEB3の社会でクルマ業界やラグジュアリーがすべきことは何か、1年後の今日には、色々試行錯誤した上での、すっきりした答えが出せるとよいと思う。


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