![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/51887119/rectangle_large_type_2_f24b2f134bd6294997e8fc4ec9db2816.jpeg?width=800)
実用書を1000冊読んでわかった、「思考は現実化する」の正体
「人が考えているものは、現実のものとなって現れる」
この趣旨の言葉を聞いたことが一度はあるのではないでしょうか。近年では「引き寄せの法則」として流行した内容でもあります。
スピリチュアルのような説明が入ると途端に現代では浸透しにくく、「胡散臭い」ものになってしまいます。一方で、量子力学による説明もされることが多くなりましたが、まだ理解しやすくないのが現状です。
ところで、仕組みを理解しようとすることに、どれだけの意味があるでしょうか。
1000冊以上の実用書を読んできて思ったことがあります。
「本当に多くの人物が同じ趣旨のことを述べている」ということ。
完璧な理解よりも、実行にこそ価値がある。
今回自分なりに、この教えの共通項を見出したのでお話します。
古今東西の書籍
ナポレオン・ヒル「思考は現実化する」
まず、そのままのタイトルになったあまりにも有名な書籍。
この本は著者のヒルが”鉄鋼王”カーネギーに師事して、500人もの成功者を観察した結果をまとめたもの。
原題は『The Think and Grow Rich Action Pack』ですから、「富を得て成長するのための考え方」のように訳せるでしょうか。直訳だとあまり売れそうにないことがわかります。
ザ・実用書であり原点ともいえる本書。「欲しいものを明確に」「あきらめずに取り組む」といった至極まっとうな結論になります。
実例が多く、成功者が「思考の大切さ」を理解しているのは共通しています。ただ、そこを全面に押し出した本ではないと思います。
無能唱元「得する人」
社長向けの高級本。しかし中身は意外とポップで読みやすいです。
大乗仏教でいう「アラヤ識」という無意識の更に深いところにある意識について解説。そこに願望(因)を入れることで現実を作り出すことができると解説されています。
ではどうやって「願望を現実化」するか、手引きも丁寧で、地に足のついた内容が続きます。スピリチュアルではなく仏教本ですね。
一冊通して聞いたことのない話ばかりで、今まで読んだ本の中でもトップクラスに価値があった一冊です。
中村天風
多数の偉人の「師匠」である天風氏。いろいろな著書がありますが、何度もこういったことを述べています。
思い方や考え方が、現在あるがごときあなたにしている。
太古から人間は、思うことや考えることを現実化して世の中を作り出してきた。「ああなりたいな」という思いを聖火のごとく心にともしなさい。
戦時中の日本で成功哲学を広め、東郷平八郎や原敬、松下幸之助などにも影響を与えたとされます。現代では大谷翔平選手も影響を受けたと発言していました。
明治の時代ですがすでに気づかれていた「真理」が豊富で、国家や時代が変わっても軸は同じです。
稲盛和夫
言わずと知れた実業家。京セラやKDDIの創業者です。
「感謝」「努力」など、天に対して”正しい”生き方をすることの大切さを説かれ、まっすぐな「稲盛哲学」はこれまた多くの実業家に影響を与えています。
稲盛氏も「明るい希望をはっきり描くこと」の重要性を述べており、年少向けに以下のような本も出版されています。
斎藤一人
日本史上で一番税金を収めた人物です。
メディアには出ませんが多数の書籍を出版していて、「牽引の法則」としてたびたび述べています。
脳は考えたことを引き寄せる力を持っている。潜在意識の奥にある超意識に、願いが入るとそれは叶う。
これも「得する人」などの説明と同じです。
神田昌典
いきなり最近の著者ですが、マーケッターとして近年の「ビジネス書ブーム」のきっかけを作った人物です。
代表作ともいえる「非常識な成功法則」。何が「非常識」なのかというと、「悪のエネルギーを使う」「お金を溺愛する」といった内容からでしょう。
その中で最初に書かれているのが「願望を紙に書くと実現する」という主張。
「潜在意識のちから」という昔からあるテーマが、一周して平成の時代に出てきたのはこのころからかと思います。
ロンダ・バーン「ザ・シークレット」
2015年に発売した非常に有名な書籍。本屋でバイトをしていたときに、この本が意外と幅広い世代に売れていたのを覚えています。
ここで一旦プラトン、アインシュタイン、シェイクスピア、エマーソン、ベートーベンらがまとめて登場。過去の偉人たちも皆「秘密」を使っていたと表現されています。
例えばマザーテレサは「戦争反対のデモには参加しません。平和運動のデモであれば参加します。」とと発言していた。
この本から「引き寄せの法則」というワードが流行し始めます。
「強くイメージすると現実のものとなる」。この主張が財界人だけでなく一般に広められました。
ひとつのビジネスとして一連の「引き寄せブーム」もあったかと思いますが、元を薄めたような本も多く出て、最近は下火なのではないでしょうか。
個人的に唯一、良かった本が以下の「ザ・マジック」です。行動方法の提示があり人生を変える力があると思うので載せておきます。
アラン・ピーズ/バーバラ・ピーズ「ブレイン・プログラミング」
原題は「The Answer」スピリチュアルと実用書と、ジャンルが振れていく中、本書では「脳科学」が登場します。
「RAS」という脳のシステムを稼働させることで、思い描いたことの「ヒント」に気づき、実現するよう導けるということ。
「まずは決める」「計画を立てる」「習慣をつくる」「数のゲームを楽しむ」等、どのステップも現実的であり、非常に具体的。
このくらいの”ライン”の説明がもっとも役に立つと思いました。わたしの「座右の書」のひとつです。
実はこれと似た内容が2007年に出版されています。西田文郎の「強運の法則」です。実業家やメダリストに向けた、「どのように成功するか」メンタルトレーニングとしてのプログラム。具体的にはわかりませんがかなり高額の情報であったことでしょう。
脳の活かし方というアプローチは、現代でも「知る人ぞ知る」という感じです。難しい面もありますが、これを知っていることにはまだ大きな価値があると思います。
すべての”共通項”
ここで挙げた本はほんの一例で、もっと多くの人物が同じ趣旨の教えを述べています。そして、どれにも矛盾しない考えというのをまとめることができると思うのです。それは以下のようになります。
①願望をできるだけ具体的に、ビジュアル化する。
否定形ではなく、叶った状態を思い描くこと。「どのように感じるか」にフォーカスして、その感情を味わい心が震えるまで行う。
紙に書く、言葉で発する、ボード(絵や写真などを張ったもの)をつくる、などは有効な手段。
②良い気分でいる
ポジティブで明るい気分で、できる限り多くの時間を過ごす。
嫌なできごとも捉え方でプラスに変える「陽転」をしたり、健康に気を遣い、環境を整え、よく人と接したりすることが重要になる。
③行動する
「神の仕業」か「自分の脳」か、とにかく現実に起こった何かを見てやるべきことはやる。特に新しいことや想定外のことは、願いを実現するためのチャンスだと考える。
逃げず、諦めず、自分の人生に主体的になること。
この3つを「やらなくていい」という主張は、わたしの知る限りひとつもありませんでした。
結局は魔法のような方法ではなく、当たり前のことに感じるかもしれません。
ですが「運」や「ツキ」で結果が決まってしまうよりも、自分次第で何でも叶えることができる。このことに、「思考は現実する」の価値があると思います。
「思考」はどんなときでも自分の支配で、決して他人に動かされることはありません。
「願望を思い描く」から現実をスタートさせましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?