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アパレル産業の売れ残り再利用に見る個人の販売力への期待と課題

年末を迎えるにあたって、経営不振が深刻化するアパレル産業にフォーカスしてみます。

例年ですと、ファミリーセールや年末年始の福袋的なキャンペーンで、売れ残りを処分する機会がありましたが、昨今の情勢では、それらを実施することは、なかなかの困難になっています。

当然のことながら、売れ残りが増えると、在庫を抱える倉庫のコスト(賃料等)が高騰します。
売上が下がると、人員整理やコスト削減等、ディフェンシブな経営戦略へと向かいがちです。

その打開策、現金化策として、売れ残りの在庫を買取り、転売するビジネスが注目されています。

在庫販売を個人に委託するサービスもあり、利用者(売り手・買い手)が増加しているようです。

アパレル業界では、在庫を増やさないように、生産数を絞って調整を図る工夫もされていますが、受注生産のような仕組みにするのは難しく、在庫アイテムの再利用が課題としてあります。

これまでの在庫処分サイクルの方法を変えて、企業や個人にその役割を担ってもらうアイデアは、確かに良いですよね。

ただ、安易に安売りに走ってしまうと、ブランド価値を損ねる可能性があるので、背に腹は代えられない状況ではあるものの、ある程度、規制のなかで運用しないといけないと思います。

大手企業の希望退職者募集、外資系アパレルブランドの撤退、店舗閉鎖や事業規模縮小など、アパレル業界は厳しい状況にあります。

「企業は、既存のビジネスから脱却して、新しいデジタル技術を活用することによって、新たな価値を生み出していくことが求められている。」というデジタルトランスフォーメーション(DX)レポートにもあるように、変革の時ですね。

私的な見解ですが、個人の販売力・拡散力を有効活用して、今まで企業がリーチできなかった(してこなかった)購買層へ訴求するのが得策だと思います。

それにはやはりMAツールとSNSの活用ではないでしょうか。

従来の店舗に足を運んでもらうためのプロモーションから、消費者が自然と興味を示すように促すプル型戦略へとシフトしていく。

重要なキーワードは、「データドリブン(Data Driven)」です。

最近、このデータドリブンというキーワードを伝える機会が増えてきました。
様々な業種、あらゆる立場の方とお話しし、その会話の着地点として、このキーワードを使っている気がします。

マーケティングを考えるうえで、既存ビジネスを変革するうえで、重要な考え方ですね。

膨大なデータを収集したあと、どう処理して、どう分析して、次の戦術に活かすかが、課題であり、我々の提案力が試されるところです。


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