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ダイナミックケイパビリティとは何か

市場の変化が激しく、あらゆることが予測できない今は、VUCA(ブーカ)の時代とも言われています。

VUCA
Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、 Ambiguity(曖昧性)

ダイナミックケイパビリティとは、まさにこの環境の変化に合わせて、組織の保有するリソースを組み替えて、適応するよう自己変革していく能力のことを指します。

ケイパビリティ(capability)とは、capable(対応できる)、ability(できる)を組み合わせた言葉で、変化に対応した経営論という文脈で活用されています。

既存の資産や資源、知識などを再構築し、持続可能な競争優位性を作り上げていく経営戦略のフレームワークのひとつで、未来を見通すことが困難な時代に必要な経営能力なのです。

この概念は、経営学者でカリフォルニア大学バークレー校教授のデイビッド・ティース氏が提唱しました。

経営戦略論、国際経営論、組織経済学をベースにして生まれた概念ですが、曖昧な部分が多いらしく、明確な定義はないとのことです。

しかしながら、従来の経営論を刷新する新しい経営論として注目を浴びていますし、今後更にこの言葉が日本でも叫ばれるようになると思います。

ダイナミックケイパビリティには、3つの構成要素があります。
まずは、これだけ覚えれば十分だと思います。

感知(Sensing)
顧客のニーズや競合他社の動向を観察・分析して、環境の変化によって発生する脅威や危機などの機会を感知する能力であり、経営者層による分析・洞察が必要となります。

捕捉(Seizing)
企業が保有する資源や知識を応用し、再利用する能力のことです。既存のもの活用するにあたっては、柔軟な思考や対応が求められます。感知で発見した機会に対して、既存の経営資産を再構成することにより、競争力を生み出し、変化すべきポイントを決定するプロセスとなります。

変革(Transforming)
市場の変化に合わせて、迅速に変化していくことで、競争優位性を確立することができます。外的要因と資産の状況を合わせて行動することが、ダイナミックケイパビリティの本質です。
新しい条件のもとに競争優位を確立するため、組織再編して自己変革していく能力をさす。

今、絶賛推進中のDX(デジタルトランスフォーメーション)は、変革という意味では似ているかも知れないですね。

競争力を持続させるために組織全体を刷新する能力の「変容」は、「DX」のそれです。

ダイナミックケイパビリティの向上とデジタル技術を活用した変革(DX)は密接な関係を持っていて、日本企業にとって意識すべき概念だと考えます。

※「ダイナミックケイパビリティ」は、「ダイナミック・ケイパビリティ」と表記することもあります
意味は同じです


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